フライヤー(323A)のIPO情報と初値予想【仮条件決定】

 フライヤー(323A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、フライヤーのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『ビジネス書の要約サービス『flier』・『flier business』の開発・運営』となっています。

会社名フライヤー(323A)
所在地東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号
設立日2013年6月4日
従業員数57人
業種情報・通信業

【企業サイト】

https://corp.flierinc.com

事業解説
 エンタープライズ事業の主力サービス「flier business」では、ビジネス本の要約コンテンツを軸とした法人向け人材育成サービスで、毎日更新される豊富なラインナップから、1日10分の読書を通して無理なく自己学習の習慣を身につけることができます。累計法人契約社数は1,152社。また、個人向けに「本の要約サービス flier」を提供するほか、オンライン読書コミュニティの「flier book labo」なども運営しています。
フライヤーの事業説明
(画像:フライヤーHP

沿革 

フライヤーのトップメッセージ

代表取締役 CEO 大賀 康史

 私たちは、「ヒラメキ溢れる世界をつくる」というミッションのもと、本の要約サービス「flier(フライヤー)」を展開。新しい学びの場として、読書コミュニティ「flier book labo」を展開するなど、新規事業も創出していきます。

(引用:フライヤーHP
2013年6月
東京都渋谷区において、㈱フライヤーを設立
2013年10月
本の要約サービス「flier」Webサイトを開設し、サービスを提供開始
2014年4月
本の要約サービス「flier」iOSアプリのリリース
2014年6月
東京都港区六本木に本社移転
2015年7月
本の要約サービス「flier」Androidアプリのリリース
2015年9月
東京都渋谷区代々木に本社移転
2016年2月
「読者が選ぶビジネス書グランプリ」を主催開始
2016年11月
電子書籍の取次を主な事業とする㈱メディアドゥがテキストの電子書籍の販売機会拡大のシナジーを目的として当社を子会社化し、メディアドゥグループに参画
2016年12月
東京都千代田区一ツ橋のメディアドゥオフィス内に本社移転
2017年9月
全国の書店にて要約閲覧情報を活用した常設棚を設置開始
2018年4月
本の要約サービス「flier」音声版を提供開始
2019年3月
本の要約サービス「flier」施設版を提供開始
2020年5月
オンライン読書コミュニティ「flier book labo」を提供開始
2022年3月
有識者による動画シリーズ「flier チャンネル」を提供開始
2022年4月
東京都千代田区一ツ橋に本社移転
2023年9月
法人向けサービス「flier 法人版」を「flier business」としてリニューアル
2024年5月
「flier 成長組織ナビ」を提供開始

財務データ 

 2024年2月期の事業売上は785百万円で、構成比はセグメント別に、エンタープライズ63.2%コンシューマー36.9%となっています。

 前期(24.2)はエンタープライズ事業の拡大が寄与し、前期比で売上は24%増最終は△137百万円で着地しました。

 今期(25.2)は「flier business」の堅調な成長により、売上は21%増最終は8百万円を見込んでいます。1株利益は2.77円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/22021/22022/22023/22024/2
売上高251415517634785
経常益△51△114△267△272△136
最終益△51△117△278△272△137
純資産92316910043
総資産101304260467433
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.2)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業595社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が183.3%となっており、かなり厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 433 百万円売上高 785 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = -16.9(μ:6.5 Me:8.3
総資本営業利益率 = -30.7(μ:7.1 Me:8.1
自己資本利益率 = -318.6(μ:2.1 Me:9.6
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 134.2(μ:347.4 Me:271.4
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 183.3(μ:69.4 Me:39.4
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 10(μ:60.5 Me:64.3
成長性指標
売上高成長率 = 23.8(μ:12.3 Me:8.4

※カッコ内の数値は情報・通信業(595社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は3,496千株で、株式保有割合は、関係会社57.1%その他18.1%経営陣13.0%ベンチャーキャピタル(VC)11.8%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
㈱メディアドゥ57.10%360日
大賀 康史(社長)11.13%360日
㈱マイナビ7.40%
XTech2号LPS?5.26%180日/1.5倍
みずほ成長支援第4号LPS?1.81%180日/1.5倍
望月 剛1.61%360日
㈱インソース1.59%180日/1.5倍
㈱CARTA VENTURES1.59%180日/1.5倍
大分VCサクセスファンド6号LPS?1.30%継続保有
㈱ケイプランニング0.78%
上記以外10.43%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 3,496千株(2025年1月17日現在)

?

13.057.118.111.8
455.4 千株1,996.2 千株633 千株411.4 千株
※新株予約権による潜在株式(452.2千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は41.9%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主にその他(マイナビ等)の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は21.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の17.4%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は5.0億円で、IPOとしては超小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。275,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。275,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。480,300 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。381,800 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。98,500 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。755,300 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
21.9 億円1.8 億円19.841.9
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

11.151.09.510.917.4
※新株予約権による潜在株式(452.2千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
みずほ証券(主幹事)-%-株
SMBC日興証券-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
マネックス証券-%-株
松井証券-%-株
岡三証券-%-株
水戸証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
極東証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
13%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日1月17日(金)
抽選申込期間2月3日(月)~2月7日(金)
当選発表日2月10日(月)
購入申込期間2月12日(水)~2月17日(月)
上場日2月20日(木)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
12612712812913013121
22232425262728
29210211212213214215
216217218219220221222
22322422522622722831

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 本の要約サービスには新規性があり、注目度は比較的高いといえます。売上は順調に拡大しており事業の成長性は魅力的ですが、赤字が継続しており、今期は黒字転換予想も収益力が課題といえます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては小型案件で、株主にVCが多く入っているもののロックアップは厳しめに入っており、想定価格も低めに設定されていることから、需給に大きな不安はありません。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

  供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。  成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(24.12末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(24.12末時点)。
5.0 億円23.8-318.610.9
情報・通信8.49.672.73.5
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格660円から+240円(+36.4%)高い900円と予想します。なお、AI予測値は1,208円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
900円(1/24予想)
+240円 / +36.4%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。660円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。590円 ~ 680円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。未発表
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
/

▌AIの予測値(1/24更新)

1,208円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+36.4+83.0+78.0+179.3
(想定価格比)(想定価格比)情報・通信超小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では15年11月に上場したロゼッタ(6182)の初値騰落率は+433.1%でした。

 今回のIPOと同じ情報・通信業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降64件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は82.8%、初値騰落率の平均は+78.0%(中央値+50.9%)となっています。

 また、今回と同じ超小型のIPOは2016年以降95件で、勝率は90.5%、初値騰落率の平均は+179.3%(中央値+151.2%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
ロゼッタ+433.1%2.65.6%11.0%

▌情報・通信業(その他)のIPO実績
(情報・通信業のうち他に分類されないもの)

情報・通信勝率平均騰落率
64
(2007年以降)
82.8
(53件 / 64件)
+78.0
(Me:+50.9 %)

(2025/1/24 現在)

情報・通信業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
290A Syns2024/12/19+53.3
281A インフォメティス2024/12/9-8.1
248A キッズスター2024/9/26-13.7
184A 学びエイド2024/5/28+32.2
148A ハッチ・ワーク2024/3/26+30.3

情報・通信のIPO騰落率分布

▌超小型のIPO実績
(超小型:供給額5億円未満のIPO)

超小型勝率平均騰落率
95
(2016年以降)
90.5
(86件 / 95件)
+179.3
(Me:+151.2 %)

(2025/1/24 現在)

超小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
5241 日本オーエー2024/12/23+9.1
304A フォルシア2024/12/26+108.0
7118 伸和HD2024/10/21-7.3
242A リプライオリ2024/9/25-8.0
150A JSH2024/3/26+95.8

超小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















関連記事

セカンダリー

24年10月以降のIPO銘柄

(25/02/07 15:00)

銘柄
(上場日)
現在値
(初値)
初値比
(金額差)
地合い
技術承継機構
319A(2/5)
3,255
2,700
+ 20.6
+ 555
バルコス
7790(2/3)
1,260
1,401
- 10.1
- 141
日本オーエー
5241(12/23)
850
600
+ 41.7
+ 250
ビースタイルHD
302A(12/27)
1,645
3,325
- 50.5
- 1,680
visumo
303A(12/26)
1,431
1,036
+ 38.1
+ 395
フォルシア
304A(12/26)
2,382
3,640
- 34.6
- 1,258
キオクシアHD
285A(12/18)
1,697
1,440
+ 17.8
+ 257
GVATECH
298A(12/26)
597
700
- 14.7
- 103
アルピコHD
297A(12/25)
256
201
+ 27.4
+ 55
MIC
300A(12/25)
981
960
+ 2.2
+ 21
dely
299A(12/19)
1,215
1,001
+ 21.4
+ 214
令和AH
296A(12/23)
529
521
+ 1.5
+ 8
Syns
290A(12/19)
912
736
+ 23.9
+ 176
リスキル
291A(12/17)
3,160
4,840
- 34.7
- 1,680
黒田グループ
287A(12/17)
953
885
+ 7.7
+ 68
ラクサス
288A(12/13)
259
426
- 39.2
- 167
ユカリア
286A(12/12)
991
975
+ 1.6
+ 16
インフォメティス
281A(12/9)
1,126
993
+ 13.4
+ 133
TMH
280A(12/4)
1,178
2,128
- 44.6
- 950
グロービング
277A(11/29)
9,300
5,600
+ 66.1
+ 3,700
テラドローン
278A(11/29)
7,360
2,162
+ 240.4
+ 5,198
ククレブ
276A(11/28)
2,810
1,250
+ 124.8
+ 1,560
ガーデン
274A(11/22)
2,908
3,060
- 5.0
- 152
Sapeet
269A(10/29)
3,810
2,285
+ 66.7
+ 1,525
エイチエムコム
265A(10/28)
1,025
1,128
- 9.1
- 103
リガク
268A(10/25)
975
1,205
- 19.1
- 230
東京メトロ
9023(10/23)
1,747.0
1,630
+ 7.2
+ 117
Schoo
264A(10/22)
1,324
761
+ 74.0
+ 563
伸和HD
7118(10/21)
2,760
1,530
+ 80.4
+ 1,230
インターメス
262A(10/18)
2,127
2,038
+ 4.4
+ 89
日水コン
261A(10/16)
1,700
1,341
+ 26.8
+ 359
オルツ
260A(10/11)
542
570
- 4.9
- 28
ケイ・ウノ
259A(10/8)
1,363
2,134
- 36.1
- 771
シマダヤ
250A(10/1)
1,456
1,760
- 17.3
- 304

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