ライスカレーの初値は公開価格を10%上回る、今後の株価展望は?

  • 2024/6/19
  •  

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
ライスカレー
初値:1,560 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したライスカレー<195A>は、公開価格と同じ1,420円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時15分頃に公開価格を140円(+9.9%)上回る1,560円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗し、一時1,608円まで買われるも、その後は換金売りに押され、最終的に終値1,428円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は275万株でした。

ライスカレー( 195A )

▌株価情報(2024/06/19 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
1,428
-8.5
-132
+0.6
+8
始値高値安値出来高
1,5601,6081,401275 万株
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sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたライスカレーですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、ライスカレーの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値小幅上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0~10%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 ライスカレーの初値は公開価格比で+9.9%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0~10%未満だった95銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+17.5%、中央値(Me)で+8.1%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は52.6%と、セカンダリーでは比較的良好なパフォーマンスといえます。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
95
(2012年以降)
52.6
(50件 / 95件)
+17.5
(Me:+8.1 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7164 全国保証2012/12/19+280.2
6526 ソシオネクスト2022/10/12+259.3
3465 ケイアイスター不2015/12/24+167.8
6539 MS-Japan2016/12/15+142.5
9219 ギックス2022/3/30+136.3

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率


▌マーケティングの1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 ライスカレーと同じマーケティングの銘柄(2012年以降上場の47銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-31.4%、中央値(Me)で-43%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は21.3%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。1年後に最も上昇したのは20年3月上場のMacbee Planet(7095)+234.4%、最も下落したのは21年2月上場のWACUL(4173)-82.7%です。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
47
(2012年以降)
21.3
(10件 / 47件)
-31.4
(Me:-43 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7095 Macbee Planet2020/3/31+234.4
7373 アイドマ・ホール2021/6/23+37.9
7351 グッドパッチ2020/6/30+22.0
7035 andfacto2018/9/6+17.6
5027 AnyMind Group2023/3/29+12.4

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率


1年後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、今後の株価もややネガティブな展開になりそうです。ただ初値の水準に過熱感はなく、むしろ低調なIPO市場の影響で買いやすい価格ともいえます。

 本日発表された今期(25.3)の業績予想は、売上19.6%増、最終益は2.5倍の2.7億円と前期から増収増益の見込みです。PER15倍程度で業種平均26.6倍(グロース・サービス)と比べても割安なため、値下がりリスクは限定的といえます。

 以上を踏まえると、短期的に上昇することはあっても、向こう1年という期間で考えるなら、初値から3割高の2,000円前後まで上昇していくものと予想します。

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