投信紹介:IPOリサーチ・オープン

 皆さんはIPO抽選に参加していますか?このサイトをご覧になっている皆さんであれば、最新のIPO情報を入手して、積極的にIPO抽選に参加していることと思います。IPO抽選で当選すれば、初値で売っても高確率で利益を上げることができますし、人気銘柄であれば初値後もさらに上昇し、より大きな利益を上げることもできます。ですが、ここで大きな問題があります。そうです、抽選に申し込んでもなかなか当選しません。大きな利益を狙える人気銘柄なら尚更です。

 それでも、上場後の値上がり益を狙ってIPO銘柄に投資する「セカンダリー投資」をしたことがある人も多いかもしれません。よくある投資手法は、初値が大きく上昇した銘柄が、初値寄付き後に売り込まれ株価が落ち込んだタイミングで購入して、そこからの値上がり益を狙うという手法です。ですが、この手法も簡単ではありません。初値を高値に、その後数ヵ月に渡って下落していく銘柄も多くあり、その中から上昇していく銘柄を厳選するのは非常に難しい作業です

 そこで、こうしたIPO銘柄の選定作業を投資のプロにお任せしたいという人向けに、今回は、三菱UFJ国際投信が運用する「IPOリサーチ・オープン(愛称:リターン・エース)」という投資信託をご紹介します。

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FUND
ファンドの概要

 IPOリサーチ・オープンはアクティブファンドに分類され、投資コンセプトは、「株式公開(IPO)から概ね5年以内の株式」を対象に、「IPO後の企業の成長性や収益性に着目し、株価上昇が期待される銘柄」に投資するというものです。

1ファンドの目的・特色

 以下は、投資信託の交付目論見書(2022.1.26)に記載されている内容(一部抜粋)です。

目的 

 わが国の株式を主要投資対象とし、主として値上がり益の獲得をめざします。

特色 

わが国の株式を主要投資対象とし、株式公開(IPO)から概ね5年以内の株式(上場予定を含みます)への投資を基本とします。
  1. わが国の金融商品取引所に上場および上場予定の株式に投資を行います。
  2. 投資銘柄の継続保有に加え、市場動向等により、IPO後5年を超える銘柄へ投資を行うことがあります。
  3. 株式の組入比率は高位を維持することを基本とします。
IPO後の企業の成長性や収益性に着目し、株価上昇が期待される銘柄に投資します。
  1. 投資銘柄の選定に当たっては、IPO後の企業の成長性や収益性に着目し、経営陣への取材や継続的な調査等を通じて、経営戦略の実現性や事業環境等を分析します。さらに、株価水準や流動性等を考慮し、株価上昇が期待される銘柄に投資を行います。
年1回の決算時(4月26日(休業日の場合は翌営業日))に分配金額を決定します。
  1. 分配金額は委託会社が基準価額水準、市況動向等を勘案して決定します。ただし、分配対象収益が少額の場合には、分配を行わないことがあります。

2ファンドの運用実績

 IPOリサーチ・オープンは18年4月の設定以来、新興市場のマザーズ指数を大きく上回る水準で推移しており、特に、20年3月頃に新型コロナの発生で一時的に落ち込んで以降はかなりのハイパフォーマンスを残しています。直近では新興市場の低迷を受け、調整局面が続いていますが、それでも新興市場よりも高いパフォーマンスを維持していますので、運用成績はかなり優秀といえます。

▌IPOリサーチ・オープン(2022/7/6)

基準価額(解約)前日比純資産額
13,065
13,026
+175
+1.36
14.82 億円
+0.2 億円
カテゴリー運用会社MSレーティング
国内小型グロース三菱UFJ国際 

【3年パフォーマンス(年率)】

リターン標準偏差シャープレシオリスクメジャー
8.5127.590.31(高い)

(評価基準日:2022/6/30)

【基準価額の推移】


運用の状況 

 22年6月末現在の運用状況を確認すると、組み入れ銘柄数は85で、うち28.5%がサービス業、24.9%が情報・通信業となっています。組入比率トップのネクステージでも5.3%と全体に占める割合は低く、少額で多数の銘柄に分散投資をしていることが分かります。

銘柄業種比率
1ネクステージ小売5.3%
2プレミアグループその他金融4.6%
3シンメンテHDサービス3.7%
4KeePer技研サービス3.2%
5オープンハウスグループ不動産2.8%
6テクノプロ・HDサービス2.6%
7マクセル電気機器2.5%
8JMDC情報・通信2.4%
9ベルシステム24HDサービス2.4%
10九州旅客鉄道陸運2.3%

 市場別では、新興市場であるグロースの割合は24.5%と比較的低い一方で、プライムが62.9%と大きな割合を占めています。株式公開からの経過年数は、1年未満は5.9%、5年以上は44.7%で、平均経過年数は4.6年となっています。

3ファンドの強み

 IPOファンドの強みは何といっても、IPO株を公開価格で取得できる点です。個人でIPO株を公開価格で取得するには、証券会社に個別に融通してもらうか、そうでない多くの人は競争倍率の高い抽選に当選しなくては取得できません。しかし、投資信託であれば「機関投資家」として一定程度の割当があるため、IPO株を公開価格で取得してファンドに組み入れることができます

 直近の決算(22.4.26)時の運用報告書を見ると、4月26日時点のファンドの組入銘柄に、4月27日上場のストレージ王とモイ、4月28日上場のペットゴーとクリアルが既に公開価格でファンドに組み入れられていることが確認できます。ちなみに、この4銘柄はいずれも初値が公開価格を上回っており、この4銘柄の初値での評価益は合計で3,094千円になります。この時点のファンドの純資産額は約16億円なので、利益としては大きなものではありませんが、定期的にIPO株を公開価格で取得できるのは大きな魅力といえます

▌4銘柄の上場時の評価益

銘柄名上場日株数公開価格初値評価益 千円
ストレージ王4/2750066075648
モイ4/273,0004709021,296
ペットゴー4/281,0005501,295745
クリアル4/281,5009301,6001,005

さいごに

 これまで、IPO抽選に申し込んでもなかなか当選しない、IPO株を上場後に買ってもうまくいかないという方は、今回ご紹介したIPOリサーチ・オープンという投資信託を買ってみるのも一つの手段です。ここ半年ほど低迷していた新興市場も復活の兆しが見えつつあり、まさにこの投資信託の一番の買い時なのかもしれません。ぜひ一度、検討してみてはいかがでしょうか。

※投資は自己責任でお願いいたします。

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