Sapeet[サピート](269A)のIPO情報と初値予想【公開価格決定】
- 2024/10/21
- IPO企業一覧
Sapeet[サピート](269A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、Sapeet[サピート]のIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『Expert AIを活用したAIプロダクトおよびAIソリューションの提供』となっています。
会社名 | Sapeet[サピート](269A) |
---|---|
所在地 | 東京都港区芝五丁目13番18号いちご三田ビル8階 |
設立日 | 2016年3月9日 |
従業員数 | 44人 |
業種 | 情報・通信業 |
【企業サイト】
https://sapeet.com/
沿革
代表取締役社長 築山 英治
Sapeetは、生成AIソリューションやAI身体分析ソリューションを活かした接客・営業DXを推進する東京大学発のスタートアップ企業です。独自の技術をわかりやすく使いやすいプラットフォームとして提供し、ヘルスケア業界・小売業界など、幅広い事業者様の販売促進?システム開発・運用を支援しています。
財務データ
2023年9月期の事業売上は421百万円で、構成比はセグメント別に、Expert AI100%となっています。
前期(23.9)はAIソリューションの案件増加及び「シセイカルテ」のアカウント数の増加等により、前期比で売上は40%増、最終は△147百万円で着地しました。
今期(24.9)は「シセイカルテ」「マルチカルテ」においてはストッ
ク収益の積み上げに注力し、3Q累計は売上は前期を上回る水準で、損失は縮小傾向で推移しています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2019/9 | 2020/9 | 2021/9 | 2022/9 | 2023/9 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 65 | 113 | 203 | 300 | 421 |
経常益 | 1 | 12 | △14 | △89 | △147 |
最終益 | 1 | 12 | △14 | △90 | △147 |
純資産 | △13 | △2 | △16 | △106 | △253 |
総資産 | 20 | 43 | 38 | 226 | 265 |
▌セグメント別の売上内訳(2023.9)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業595社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が19.1%となっており、平均的な状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 265 百万円 | 売上高 421 百万円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は情報・通信業(595社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は1,500千株で、株式保有割合は、関係会社49.5%、その他28.9%、経営陣21.6%となっています。
株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、一部VCにロックアップが入っていないのは不安材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
㈱PKSHA Technology | 49.49% | 180日 |
築山英治(社長) | 21.27% | 180日 |
日本テレビホールディングス㈱ | 14.40% | 継続保有 |
コタエル信託㈱ | 7.41% | 継続保有 |
村上大昌 | 2.22% | 180日 |
三菱UFJキャピタル9号LPS | 2.05% | |
松島陽介 | 1.03% | 継続保有 |
山元雄太 | 1.03% | 継続保有 |
吉山恭平 | 0.74% | 180日 |
尾形 友里恵(戸籍名:広部 友里恵) | 0.32% | 180日 |
上記以外 | 0.04% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 1,500千株(2024年9月24日現在)
21.6 % | 49.5 % | 28.9 % | – % |
323.8 千株 | 742.3 千株 | 433.7 千株 | – 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は50.9%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に関係会社(親会社)の株式放出によるものです。
上場する株式の時価総額は22.2億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の19.7%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は5.4億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 140,000 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 140,000 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 231,400 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 183,000 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 48,400 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 371,400 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
22.2 億円 | 2 億円 | 21.1 % | 43.3 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
19.3 % | 34.6 % | 26.4 % | – % | 19.7 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券(主幹事) | 93.97% | 349,000株 |
三菱UFJMS証券 | 0.86% | 3,200株 |
岩井コスモ証券 | 0.86% | 3,200株 |
SBI証券 | 0.86% | 3,200株 |
岡三証券 | 0.86% | 3,200株 |
楽天証券 | 0.86% | 3,200株 |
あかつき証券 | 0.43% | 1,600株 |
松井証券 | 0.43% | 1,600株 |
マネックス証券 | 0.43% | 1,600株 |
水戸証券 | 0.43% | 1,600株 |
合計 | 100% | 371,400株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
auカブコム証券 | 三菱 | 100株 |
岡三オンライン | 岡三 | 200株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | 2,380本 |
---|---|
抽選 | 335本 |
裁量 | 2,045本 |
個人 | 25本 |
---|---|
抽選 | 3本 |
裁量 | 22本 |
個人 | 29本 |
---|---|
抽選 | 3本 |
裁量 | 26本 |
個人 | 28本 |
---|---|
抽選 | 14本 |
裁量 | 14本 |
個人 | 29本 |
---|---|
抽選 | 29本 |
裁量 | –本 |
個人 | 29本 |
---|---|
抽選 | 29本 |
裁量 | –本 |
個人 | 14本 |
---|---|
抽選 | 14本 |
裁量 | –本 |
個人 | 14本 |
---|---|
抽選 | 14本 |
裁量 | –本 |
個人 | 1本 |
---|---|
抽選 | 1本 |
裁量 | –本 |
個人 | 2本 |
---|---|
抽選 | 2本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 9月24日(火) |
---|---|
抽選申込期間 | 10月11日(金)~10月18日(金) |
当選発表日 | 10月21日(月) |
購入申込期間 | 10月22日(火)~10月25日(金) |
上場日 | 10月29日(火) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
929 | 930 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 |
106 | 107 | 108 | 109 | 1010 | 1011 | 1012 |
1013 | 1014 | 1015 | 1016 | 1017 | 1018 | 1019 |
1020 | 1021 | 1022 | 1023 | 1024 | 1025 | 1026 |
1027 | 1028 | 1029 | 1030 | 1031 | 111 | 112 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
AI関連のIPOは人気が集まりやすく、注目度は高いといえます。売上はやや伸び悩み傾向で成長性に課題はありますが、赤字は縮小傾向で収益改善の兆しがあります。
▌需給・価格評価
IPOとしては小型案件で、株主にロックアップが掛かっていないVCが入っているものの、規模が小さいため、需給に大きな不安はありません。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
7.5 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(24.8末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(24.8末時点)。 |
---|---|---|---|---|
5.4 億円 | 40.3 % | – % | – 倍 | 5.8 倍 |
情報・通信 | 8.4 % | 9.6 % | 76.0 倍 | 3.6 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格1,500円から+700円(+46.7%)高い2,200円と予想します。なお、AI予測値は3,790円となっており、これより低い弱気の予想としています。
初値予想 (公開価格比) | 2,200円(10/21予想) (+700円 / +46.7%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 1,450円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | 1,450円 ~ 1,500円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | 1,500円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (– / –) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年2月に上場したVRAIN Solution(135A)の初値騰落率は+73.6%でした。
今回のIPOと同じAI(人工知能)関連関連に分類されるIPOは2007年以降38件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は97.4%、初値騰落率の平均は+218.1%(中央値+143.4%)となっています。
また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降144件で、勝率は52.1%、初値騰落率の平均は+14.9%(中央値+1.3%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
VRAIN | +73.6% | 35.2 | 79.4% | 56.2% |
AVILEN | +17.1% | 33.0 | 53.1% | 38.7% |
ファーストA | +78.3% | 6.9 | 70.5% | -46.2% |
Laboro.AI | +106.0% | 25.1 | 11.6% | -3.4% |
▌AI(人工知能)関連のIPO実績
(AI技術をベースにしたサービスの提供)
AI | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2024/10/1 現在)
AI(人工知能)関連の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
135A VRAIN | 2024/2/22 | +73.6 % |
5591 AVILEN | 2023/9/27 | +17.1 % |
5588 ファーストA | 2023/9/22 | +78.3 % |
5586 Laboro.AI | 2023/7/31 | +106.0 % |
5582 グリッド | 2023/7/7 | +199.1 % |
AIのIPO騰落率分布
▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)
中大型以上 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2024/10/1 現在)
中大型以上の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
241A ROXX | 2024/9/25 | -8.0 % |
215A タイミー | 2024/7/26 | +27.6 % |
202A 豆蔵デジタルHD | 2024/6/27 | +1.4 % |
197A タウンズ | 2024/6/20 | -6.5 % |
186A アストロスケール | 2024/6/5 | +50.7 % |
中大型以上のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)