パパネッツ(9388)のIPO情報と初値予想

 パパネッツ(9388)の福証 Qボードへの新規上場が承認されました。ここでは、パパネッツのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『物件定期巡回サービスなどの不動産管理サポート事業、全国ツーマン配送ネットワークサービスなどのインテリア・トータルサポート事業』となっています。

会社名パパネッツ(9388)
所在地埼玉県越谷市越ケ谷一丁目5番17号9階
設立日1995年12月11日
従業員数100人
業種サービス業

【企業サイト】

https://papanets.co.jp/

事業解説
 管理会社サポート事業では、取引先のマンション、アパート、ビル並びにコンテナといった管理物件について契約事業者様に業務を委託し、巡回による点検等を行っています。インテリア・トータルサポート事業では、二人体制で大型商材の運送、開梱、組み立て、設置までを独自の配送ネットワークを用い展開している他に、インテリア・コーディネートサービス等を行っています。
パパネッツの事業説明
(画像:パパネッツHP

沿革 

パパネッツのトップメッセージ

伊藤 裕昭

 当社は1995年12月に、埼玉県入間市において、㈱三協運輸サービスの100%子会社として、同社の西関東における引越業務の拠点という位置付けで、㈱三協マイスタッフという商号で設立いたしました。

(引用:パパネッツHP
1995年12月
埼玉県入間市に引越業務の拠点として㈱三協マイスタッフを資本金15,000千円で設立
2002年10月
業務休眠(2002年10月1日~2014年3月31日)
2009年8月
本社を埼玉県入間市から埼玉県越谷市東大沢に移転
2013年12月
㈱パパネッツに商号変更
2014年4月
インテリア・トータルサポート事業における「全国ツーマン配送ネットワークサービス」に係るパパネット受注センターを埼玉県越谷市花田に開設
2015年3月
㈱三協運輸サービスから吸収分割により、管理会社サポート事業を承継 これにより首都圏本部を埼玉県越谷市東大沢、西日本支店を大阪府吹田市に開設
2015年3月
㈱パパサンを吸収合併。これにより、レンタル布団業務を管理会社サポート事業へ吸収、「インテリアコーディネートサービス」「カーテン・ブラインドメンテナンスサービス」「インテリア素材調達サービス」をインテリア・トータルサポート事業へ吸収
2015年3月
東京営業所を東京都中央区に開設
2016年1月
資本金を50,000千円に増資
2016年10月
東京営業所を東京都江東区に移転
2016年11月
福岡営業所を福岡県福岡市博多区麦野に開設
2017年3月
西日本支店を大阪府豊中市に移転
2017年5月
本社を埼玉県越谷市東大沢から埼玉県越谷市越ヶ谷に移転
2017年5月
パパネット受注センターを埼玉県越谷市東大沢に移転
2017年5月
備品管理センターを埼玉県吉川市に開設
2017年10月
東京証券取引所 TOKYO PRO Marketへ上場
2017年11月
福岡営業所を福岡県福岡市博多区半道橋に移転
2018年1月
インテリアファブリック管理センターを東京都江戸川区に開設
2018年2月
首都圏本部とパパネット受注センターを埼玉県越谷市越ヶ谷に移転
2018年5月
名古屋営業所を愛知県あま市に開設
2018年12月
ビルドインタイプのトランクルームを神奈川県横浜市南区に開設
2020年3月
東京営業所・インテリアファブリック管理センターを東京都江東区に統合移転
2023年2月
賃貸物件研修センターを埼玉県北葛飾郡松伏町に開設
2023年8月
沖縄営業所を沖縄県浦添市に開設
2023年9月
福岡営業所を福岡県福岡市東区に移転
2023年9月
名古屋営業所を愛知県名古屋市中川区に移転

財務データ 

 2024年2月期の事業売上は4,492百万円で、構成比はサービス別に、管理会社サポート73.7%インテリアルトータルサポート25.7%その他0.7%となっています。

 前期(24.2)は建物定期巡回サービスの巡回受託棟数が堅調に推移したほか、新規顧客において設営、退去後清掃ともに受託件数が増加し、前期比で売上は12%増最終は235百万円で着地しました。

 今期(25.2)はインテリアフェア運営企画事業も始まり、特注家具受注の大型案件も相まって、売上は11%増最終は215百万円を見込んでいます。1株利益は134.88円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/22021/22022/22023/22024/2
売上高3,6443,5423,6294,0084,492
経常益254157243294342
最終益174111157202235
純資産5036067569501,048
総資産1,4401,9611,9872,0922,130
※単位は百万円、単体決算

▌サービス別の売上内訳(2024.2)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が22.4%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が230.8%となっており、平均的な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 2,130 百万円売上高 4,492 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 7.5(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 15.9(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 22.4(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 230.8(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 55.8(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 49.2(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = 12.1(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は1,855千株で、株式保有割合は、その他70.7%経営陣29.3%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
㈱花明34.48%180日
中本久富20.00%180日
伊藤裕昭(社長)9.09%180日
二田泰久8.34%180日
宮﨑恵子7.59%180日
早坂貴幸6.46%180日
柳澤謙介6.46%180日
松本寝具㈱1.76%180日
山内㈱1.50%180日
㈱RightArmサービス1.50%180日
上記以外2.82%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 1,855千株(2025年2月17日現在)

?

29.370.7
543 千株– 千株1,312 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(130千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は50%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主にその他の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は17.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の10.2%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は2.2億円で、IPOとしては超小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。100,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。100,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。130,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。100,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。30,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。230,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
17.5 億円1 億円1150
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

27.855.310.2
※新株予約権による潜在株式(130千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではフィリップ証券が主幹事となっています。

 また、幹事証券になる松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
フィリップ証券(主幹事)-%-株
松井証券-%-株
SBI証券-%-株
アイザワ証券-%-株
東洋証券-%-株
あかつき証券-%-株
JTG証券-%-株
合計100%-株

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

90%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日2月17日(月)
抽選申込期間3月5日(水)~2025年3月11日(火)
当選発表日3月12日(水)
購入申込期間3月13日(木)~2025年3月18日(火)
上場日3月21日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
22322422522622722831
32333435363738
39310311312313314315
316317318319320321322
323324325326327328329

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 不動産管理事業等に特段の新規性はなく、さらに福証Q-Boardというマイナー市場への上場となるため、注目度は低いです。直近で、売上は緩やかに上昇傾向で、利益も確保できており、収益の安定度は高いです。

▌需給・価格評価

 IPOとしては超小型案件で、株主には安定株主しかおらず、需給に大きな不安はありませんが、マイナー市場への上場のため、初値の上昇は難しいといえます。今期予想でPERは7.1倍と業種平均29.8倍(サービス・グロース)と比較して割安な水準となっています

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。

期待度評価点
 7.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(25.1末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(25.1末時点)。
2.2 億円12.122.47.41.6
サービス業9.99.929.82.7
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格960円から+40円(+4.2%)高い1,000円と予想します。なお、AI予測値は1,429円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,000円(2/19予想)
+40円 / +4.2%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。960円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(2/19計算)

1,429円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+4.2+48.9+46.3+177.4
(想定価格比)(想定価格比)サービス業超小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年12月に上場したスマサポ(9342)の初値騰落率は+181.3%でした。

 今回のIPOと同じサービス業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降162件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.3%、初値騰落率の平均は+46.3%(中央値+27.0%)となっています。

 また、今回と同じ超小型のIPOは2016年以降96件で、勝率は90.6%、初値騰落率の平均は+177.4%(中央値+143.4%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
スマサポ+181.3%2.59.1%-27.2%

▌サービス業(その他)のIPO実績
(サービス業のうち他に分類されない企業など)

サービス業勝率平均騰落率
162
(2007年以降)
75.3
(122件 / 162件)
+46.3
(Me:+27.0 %)

(2025/2/19 現在)

サービス業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
300A MIC2024/12/25±0.0
291A リスキル2024/12/17+29.8
288A ラクサス2024/12/13+51.6
264A Schoo2024/10/22+10.3
261A 日水コン2024/10/16-6.2

サービス業のIPO騰落率分布

▌超小型のIPO実績
(超小型:供給額5億円未満のIPO)

超小型勝率平均騰落率
96
(2016年以降)
90.6
(87件 / 96件)
+177.4
(Me:+143.4 %)

(2025/2/19 現在)

超小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
7790 バルコス2025/2/3+0.1
5241 日本オーエー2024/12/23+9.1
304A フォルシア2024/12/26+108.0
7118 伸和HD2024/10/21-7.3
242A リプライオリ2024/9/25-8.0

超小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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