BRANU[ブラニュー](460A)のIPO情報と初値予想

 BRANU[ブラニュー](460A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、BRANU[ブラニュー]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『中小建設事業者に特化した各種ITサービスの提供等』となっています。

会社名BRANU[ブラニュー](460A)
所在地東京都港区六本木六丁目1番24号ラピロス六本木4階
設立日2009年8月18日
従業員数108人
業種情報・通信業

【企業サイト】
BRANU[ブラニュー]公式サイト
https://branu.jp/

事業解説
 建設業マッチングメディア「CAREECON」は、建設業の協力会社探しや案件の受発注ができる、建設業に特化したマッチングプラットフォームで、登録ユーザー数は4,785、ユーザー間の受発注金額は1,874百万円(24.10期)に達します。建設業向け統合型ビジネスツール「CAREECON Plus」は、マーケティングから採用管理、施工管理、経営管理まで行える建設業に特化しており、業務のデジタルシフトを通じたDXを推進し、生産性の向上に寄与します。
BRANU[ブラニュー]の事業説明
(画像:BRANU[ブラニュー]HP

沿革 

BRANU[ブラニュー]のトップメッセージ

代表取締役 名富 達也

 BRANUとは、「真新しい」という意味の造語ですが、革新の「新」が社名の由来です。私たちは日本の99%を占めるスモールビジネスを活性化させることで、イノベーションを喚起し、産業の未来、人と社会の前進に貢献していきます。

(引用:BRANU[ブラニュー]HP
2009年8月
現代表取締役がブラニュー㈱を設立し、中小建設企業向けウェブマーケティングサービスの提供事業を開始
2012年12月
近畿・中国エリアへの販売拡大のため、大阪支店設立
2013年8月
九州・四国エリアへの販売拡大のため、福岡支店設立
2014年6月
建設事業者向けマッチングメディア「CAREECON」(キャリコン)をローンチ
2018年3月
管材・住設資材の総合商社渡辺パイプ㈱と業務提携開始
2019年1月
渡辺パイプ㈱との提携促進を目的として、子会社ブラニューメディア㈱(現BBLUE㈱)を設立
2019年2月
リブランディングにより社名をBRANU㈱に変更
2019年11月
Saas型施工管理ツール「CAREECON 施工管理」をローンチ
2020年5月
国土交通省のi-Construction推進コンソーシアムに加盟
2021年2月
情報セキュリティマネジメントシステムの認証を取得
2022年2月
建設中小企業のDXを推進させる集客、施工管理、マッチングの各機能の一部を利用可能なスターターパックプランの「CAREECON Plus miniプラン」をサービス提供開始
2022年9月
ブラニューメディアの全株式を譲渡し、親子関係を解消
2022年11月
建設業の人材不足の解消をサポートする採用管理システム「CAREECON 採用」をローンチ
2023年4月
建設業者をつなぐリアルイベント「CAREECON FAN MEETING」を開始
2023年9月
個別のサービスとして提供していた集客、施工管理、採用等の各機能を「CAREECON Plus Standardプラン」へ統合し、統合型ビジネスツールとしてサービス提供開始。これに伴い、「CAREECON 施工管理」「CAREECON 採用」単体での新規ユーザー獲得を停止。
2023年11月
生成AIを「CAREECON Plus」に実装し「AIブログアシスタント」をローンチ
2025年5月
建設業特化型の人材獲得支援サービス「キャリコンジョブ」をローンチ
2025年9月
東北エリアへの販売拡大のため、仙台支店設立

財務データ 

 2024年10月期の事業売上は1,412百万円で、構成比はサービス別に、CAREECON56.7%CAREECON Plus43.3%となっています。

 前期(24.10)は「CAREECON」及び「CAREECON Plus」のサービス利用が順調に拡大し、前期比で売上は23%増最終は65百万円で着地しました。

 今期(25.10)は新規顧客の獲得及び既存顧客への追加サービスの提供で伸長しており、売上は50%増最終は237百万円を見込んでいます。1株利益は59.44円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/32021/32022/32023/102024/10
売上高7608219121,1461,412
経常益101614997
最終益41104865
純資産132142142107172
総資産250871826834902
※単位は百万円、単体決算

▌サービス別の売上内訳(2024.10)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業585社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が37.8%など、やや高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が324.6%となっており、平均的な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 902 百万円売上高 1,412 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 7.1(μ:6.5 Me:8.1
総資本営業利益率 = 11.1(μ:6.6 Me:7.5
自己資本利益率 = 37.8(μ:-11.8 Me:10.1
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 324.6(μ:328.5 Me:258.5
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 22.9(μ:110.4 Me:42.2
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 19.1(μ:59.7 Me:62.5
成長性指標
売上高成長率 = 23.2(μ:13.2 Me:8.9

※カッコ内の数値は情報・通信業(585社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は4,211千株で、株式保有割合は、経営陣95.6%その他4.4%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
名富 達也(社長)50.83%180日
㈱名富42.75%180日
露木 将也1.05%180日
宇都宮 久之1.00%180日
従業員0.50%継続保有
毒島 大輔0.48%180日
片山 雄輔0.48%180日
従業員0.42%継続保有
従業員0.38%継続保有
従業員0.33%継続保有
上記以外1.78%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 4,211千株(2025年10月27日現在)

?

95.64.4
4,026 千株– 千株184.5 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(210.5千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は44.2%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に経営陣の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は41.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の24.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は12.1億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。500,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。500,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。799,500 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。630,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。169,500 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。1,299,500 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
41.9 億円4.7 億円25.144.2
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

72.13.924.0
※新株予約権による潜在株式(210.5千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
みずほ証券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
岡三証券-%-株
丸三証券-%-株
水戸証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日10月27日(月)
抽選申込期間11月13日(木)~11月19日(水)
当選発表日11月20日(木)
購入申込期間11月21日(金)~11月27日(木)
上場日12月1日(月)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
112113114115116117118
119111011111112111311141115
1116111711181119112011211122
1123112411251126112711281129
1130121122123124125126

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 マッチングプラットフォーム関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度は高いといえます。建設業界では、都市部を中心とした再開発案件やインフラ再整備の公共工事等が堅調に推移し、受注環境は良好な状況が続いています。こうした事業環境の中、ここ数年は売上・利益ともに順調に伸びており、今期も増収・増益予想であることから、成長性及び収益性は評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主は安定株主(経営陣等)で占められており、ロックアップも厳しめのため、需給に不安はありません。今期利益予想によるPERは15.6倍と業種平均67.9倍(情報通信・グロース)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは一定程度の初値上昇が期待できるため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 9.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.8末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.8末時点)。
12.1 億円23.237.863.77.1
情報・通信8.910.167.94.1
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格930円から+570円(+61.3%)高い1,500円と予想します。なお、AI予測値は1,877円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,500円(10/28予想)
+570円 / +61.3%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。930円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(10/28計算)

AI予測1,877円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+61.3+101.8+92.1+67.7
(想定価格比)(想定価格比)マッチング中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年10月に上場したリンカーズ(5131)の初値騰落率は+67.7%でした。

 今回のIPOと同じマッチングPF関連に分類されるIPOは2007年以降22件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は90.9%、初値騰落率の平均は+92.1%(中央値+73.4%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降233件で、勝率は88.4%、初値騰落率の平均は+67.7%(中央値+50.3%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
リンカーズ+67.7%8.223.1%12.9%
ツクルバ0.0%45.153.1%-89.9%
GAテクノ+130.3%12.877.9%76.9%

▌マッチングPFのIPO実績
(マッチングプラットフォームの運営事業)

マッチング勝率平均騰落率
22
(2007年以降)
90.9
(20件 / 22件)
+92.1
(Me:+73.4 %)

(2025/10/28 現在)

マッチングPFの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
418A ウリドキ2025/10/7+7.5
5616 雨風太陽2023/12/18+26.4
5592 くすりの窓口2023/10/4-7.1
5138 Rebase2022/12/16+130.4
5131 リンカーズ2022/10/26+67.7

マッチングのIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
233
(2016年以降)
88.4
(206件 / 233件)
+67.7
(Me:+50.3 %)

(2025/10/28 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
423A ライオン事務器2025/10/15+75.6
386A みのや2025/7/18+64.4
343A IACEトラベル2025/4/7-13.6
340A ジグザグ2025/3/31+35.3
330A TalentX2025/3/18+36.8

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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