フィットクルー(469A)のIPO情報と初値予想

 フィットクルー(469A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、フィットクルーのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『パーソナルトレーニングジム及びパーソナルトレーナー養成スクールの運営』となっています。

会社名フィットクルー(469A)
所在地大阪市西区靱本町一丁目13番9号
設立日2015年1月15日
従業員数272人
業種サービス業

【企業サイト】
フィットクルー公式サイト
https://fitcrew.co.jp/

事業解説
 「女性の健康と美で社会を明るくする」を事業コンセプトに掲げ、女性専用のパーソナルトレーニングジム「UNDEUX SUPERBODY」(31店舗)では、妊娠、出産、更年期等、ライフステージの変化による女性特有の健康問題解決に着目し、トレーニングに加え、管理栄養士による食事指導や宅配食サービス等、体内からの体質改善サポートしています。また、同様のサービスで初期料金を抑えた月会費制の「UNDEUX SUPERBODY LIFE」(14店舗)も併せて提供しています。
フィットクルーの事業説明
(画像:フィットクルーHP

沿革 

フィットクルーのトップメッセージ

代表取締役社長 鹿島 紘樹

 当社は、創業者である鹿島紘樹が整骨院を開業したところからスタート。様々なお客様と接する中で、健康障害を事前に防ぐ「予防的ヘルスケア」が重要であるとの考えに至り、女性の健康と美を追求するパーソナルトレーニングジムを開業しました。

(引用:フィットクルーHP
2015年1月
大阪市北区に㈱トライアス(現 ㈱フィットクルー)を設立
2015年1月
女性専用のパーソナルトレーニングジム「UNDEUX SUPERBODY」として、堺筋本町(大阪市中央区)スタジオを初出店
2018年4月
パーソナルトレーナー養成スクール プロジムとして、梅田校(大阪市北区)を初開校
2021年4月
東京都渋谷区に東京オフィス兼研修所開設
2021年7月
もっと身近に、手軽にサービスをご利用頂ける「UNDEUX SUPERBODY LIFE」として、町田スタジオ(東京都町田市)を初出店
2022年2月
㈱フィットクルーに商号変更
2022年6月
大阪市西区に本社移転
2022年10月
ヘルスケア専門のパーソナルトレーニングジム「Dr.plus Fit」として、高槻スタジオ(大阪府高槻市)を初出店
2024年5月
東京都目黒区に東京オフィス及びフィットクルー・トレーニングセンター移転

財務データ 

 2024年11月期の事業売上は2,454百万円で、構成比はサービス別に、パーソナルトレーニング90.7%スクール2.9%物販5.8%その他0.7%となっています。

 前期(24.11)は女性専用のパーソナルトレーニングジム「UNDEUX SUPERBODY」を5店舗、より幅広い層に訴求するサービス形態である「UNDEUX SUPERBODY LIFE」を5店舗、計10店舗の新規出店を行い、前期比で売上は39%増最終は44百万円で着地しました。

 今期(25.11)は店舗数が7店舗増加したことにより、パーソナルトレーニング収入、物販収入ともに増加を見込み、売上は20%増最終は261百万円を見込んでいます。1株利益は277円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/112021/112022/112023/112024/11
売上高2406671,1781,7682,454
経常益△86△61△1580110
最終益△62△47△313344
純資産△52897330350
総資産3085107751,2691,821
※単位は百万円、単体決算

▌サービス別の売上内訳(2024.11)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業543社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が12.6%など、平均的な数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が216.4%となっており、かなり厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 1,821 百万円売上高 2,454 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 4.6(μ:6.6 Me:6.3
総資本営業利益率 = 6.2(μ:6.1 Me:6.4
自己資本利益率 = 12.6(μ:2.9 Me:9.6
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 124.1(μ:269.6 Me:201
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 216.4(μ:104.6 Me:62.6
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 19.2(μ:52.4 Me:51.7
成長性指標
売上高成長率 = 38.8(μ:11.2 Me:8

※カッコ内の数値はサービス業(543社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は1,014千株で、株式保有割合は、経営陣61.5%ベンチャーキャピタル(VC)33.6%その他5.0%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
鹿島 紘樹(社長)58.44%180日
サファイア第一号LPS26.19%180日/1.5倍
Social Entrepreneur3LPS7.40%180日/1.5倍
㈱ベルパーク1.23%
大下 雅之1.04%180日
従業員1.04%180日
矢野 佑樹0.99%180日
武田 定男0.69%180日
従業員0.69%180日
森山 瑛司0.30%180日
上記以外1.99%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 1,014千株(2025年11月10日現在)

?

61.55.033.6
623 千株– 千株50.3 千株340.5 千株
※新株予約権による潜在株式(48.3千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は32.9%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に経営陣、ベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は20.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の29.8%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は7.3億円で、IPOとしては小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。110,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。110,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。274,500 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。224,400 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。50,100 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。384,500 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
20.5 億円2.1 億円31.132.9
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

45.63.421.229.8
※新株予約権による潜在株式(48.3千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
みずほ証券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
松井証券-%-株
岡三証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日11月10日(月)
抽選申込期間11月27日(木)~12月3日(水)
当選発表日12月4日(木)
購入申込期間12月5日(金)~12月10日(水)
上場日12月12日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
1116111711181119112011211122
1123112411251126112711281129
1130121122123124125126
1271281291210121112121213
1214121512161217121812191220

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 女性専用のパーソナルジム運営に特段の新規性はなく、注目度は低いです。ここ数年は幅広い若年女性をターゲットにした郊外型低価格パーソナルジムの出店を増やすことで事業を拡大しており、利益も安定的に確保していることから、収益性はかなり評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては小型案件で、株主の一部にVCが入っているもののロックアップはかなり厳しめのため、需給に不安はありません。今期利益予想によるPERは6.9倍と業種平均30.9倍(サービス・グロース)と比較してかなり割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(25.10末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(25.10末時点)。
7.3 億円38.812.646.43.8
サービス業8.09.630.92.6
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,910円から+490円(+25.7%)高い2,400円と予想します。なお、AI予測値は2,717円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
2,400円(11/13予想)
+490円 / +25.7%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,910円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(11/13計算)

AI予測2,717円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+25.7+42.3+45.2+123.0
(想定価格比)(想定価格比)サービス業小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では25年4月に上場したLIFE CREATE(352A)の初値騰落率は+2.4%でした。

 今回のIPOと同じサービス業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降171件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は76.0%、初値騰落率の平均は+45.2%(中央値+27.3%)となっています。

 また、今回と同じ小型のIPOは2016年以降197件で、勝率は94.9%、初値騰落率の平均は+123.0%(中央値+113.2%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
Lクリエイト+2.4%47.928.5%32.0%
フィットイージー+22.5%47.042.5%67.2%
Fast Fitness Japan+33.3%38.541.3%49.1%
カーブスHD-10.7%20.00.4%47.9%
24セブン+11.1%37.066.1%50.0%

▌サービス業(その他)のIPO実績
(サービス業のうち他に分類されない企業など)

サービス業勝率平均騰落率
171
(2007年以降)
76.0
(130件 / 171件)
+45.2
(Me:+27.3 %)

(2025/11/13 現在)

サービス業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
378A ヒット2025/7/4+44.4
372A レント2025/6/30+32.3
369A エータイ2025/6/26+68.7
366A ウェルネスC2025/6/23+33.1
353A A-エレコミ2025/4/25+29.4

サービス業のIPO騰落率分布

▌小型のIPO実績
(小型:供給額5~10億円未満のIPO)

小型勝率平均騰落率
197
(2016年以降)
94.9
(187件 / 197件)
+123.0
(Me:+113.2 %)

(2025/11/13 現在)

小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
334A VPJ2025/3/25+112.6
335A ミライロ2025/3/24+144.8
323A フライヤー2025/2/20+73.2
303A visumo2024/12/26+34.5
269A Sapeet2024/10/29+52.3

小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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