ビースタイルホールディングス(302A)のIPO情報と初値予想【初値決定】

 ビースタイルホールディングス(302A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ビースタイルホールディングスのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『派遣・紹介事業、メディア事業、DX事業、その他事業を営むグループ会社の経営管理およびそれに付帯する業務』となっています。

会社名ビースタイルホールディングス(302A)
所在地東京都新宿区西新宿六丁目18番1号
設立日2020年2月14日
従業員数306人
業種サービス業

【企業サイト】

https://www.bstylegroup.co.jp/

事業解説
 派遣・紹介事業では、ハイスキル人材向けの時短派遣・紹介サービス「スマートキャリア」と主婦層を中心とした女性にターゲットを絞った派遣サービス「しゅふJOBスタッフィング」、プロフェッショナル人材の業務委託サービス「BIZ-directors」を運営しています。メディア事業では、しゅふの採用に特化した求人メディアサイト「しゅふJOB」を運営しております。

沿革 

ビースタイルホールディングスのトップメッセージ

共同創業者 三原・増村(子供の頃からの幼馴染)

 ビースタイル グループは、ビースタイル ホールディングスと4つの子会社から成り立っています。1つは、創業時からビースタイル グループの基盤となっている「HR」。人と企業の出会い(採用)が、幸せと成功を創るという考えのもと、互いのニーズを満たすマッチングをしています。

(引用:ビースタイルホールディングスHP
2002年7月
東京都渋谷区にて㈱ビースタイル(現 ㈱ビースタイルスマートキャリア)を創業
2002年7月
パートタイム型人材派遣サービス「しゅふJOBスタッフィング」事業開始
2006年3月
東京都新宿区へ本社移転
2010年4月
日本全土の主婦を対象とした求人媒体「しゅふJOB」事業開始
2011年9月
在宅型人材サービス事業開始
2011年11月
しゅふJOB総研の事業開始
2012年5月
自社メディア「しゅふJOB」リリース
2012年9月
時短×ハイキャリア人材サービス「スマートキャリア」事業開始
2018年1月
ハイキャリアしゅふを対象とした企画職/専門職の派遣サービス「スマートキャリア」開始
2018年7月
現地にいる人材を活用する「ご近所ワーク」(後のフィールドーワーク)事業開始
2018年10月
RPA導入支援「RMaD」事業開始
2018年12月
ご近所ワーク事業の事業規模拡大の一環として㈱ザ・クリーニングカンパニーより清掃事業を事業譲受
2019年7月
ご近所ワーク事業の事業規模拡大の一環としてジオロケーションを活用したローカル情報提供事業「podpics事業」をタンブルバー(株)より譲受
2020年2月
㈱ビースタイルホールディングス設立
2020年2月
㈱ビースタイルメディア(現・連結子会社)設立
2020年2月
㈱ビースタイルギグワークス設立
2020年2月
㈱ビースタイルバリューテクノロジーズ(現・連結子会社)設立
2020年2月
㈱ビースタイルチャレンジ(現・連結子会社)設立
2020年4月
会社分割を用いて持株会社体制へ移行
2020年4月
㈱ビースタイルを㈱ビースタイルスマートキャリア(現・連結子会社)に社名変更
2023年12月
グループ事業再編のためご近所ワーク事業の㈱ビースタイルギグワークスの全株式を譲渡

財務データ 

 2024年3月期の事業売上は10,827百万円で、構成比はセグメント別に、派遣・紹介67.6%メディア24.8%DX6.7%その他0.9%となっています。

 前期(24.3)は派遣事業で派遣稼働数が需要縮小で苦戦も、メディア事業で求人掲載のリピート受注や求人への応募が伸長し、前期比で売上は6%増最終は345百万円で着地しました。

 今期(25.3)は求人サイト「しゅふJOB」の求人掲載や求人への応募が伸長したほか、一部利用料について料金改定を実施し、2Q累計は売上は前期をやや上回るペースで推移しています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/32021/32022/32023/32024/3
売上高087792810,19510,827
経常益△3△161△12204247
最終益△3△594△7388345
純資産135△456△530177621
総資産1881,6701,3883,2623,718
※単位は百万円、23.3から連結決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が55.6%など、平均的な数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、自己資本比率が16.7%となっており、かなり厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 3,718 百万円売上高 10,827 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 2.5(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 7.4(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 55.6(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 212.3(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 94.5(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 16.7(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = 6.2(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は1,339千株で、株式保有割合は、経営陣65.2%その他34.8%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
島田 亨22.86%180日
合同会社Original322.78%180日
合同会社ファースト・ステージ17.07%180日
三原 邦彦(社長)11.21%
増村 一郎11.21%180日
ビー・スタイル従業員持株会2.90%180日
宮内 修2.34%180日
加藤 勝久2.24%180日
松田 充弘1.73%180日
中村 浩史0.87%180日
上記以外4.79%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 1,339千株(2024年11月22日現在)

?

65.234.8
872.3 千株– 千株466.3 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(89千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は35.1%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に経営陣、その他の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は28.7億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の37.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は13.0億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。200,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。200,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。455,500 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。370,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。85,500 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。655,500 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
28.7 億円4 億円39.335.1
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

42.420.637.0
※新株予約権による潜在株式(89千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
SMBC日興証券(主幹事)92.19%604,300株
みずほ証券2.61%17,100株
SBI証券1.74%11,400株
極東証券0.87%5,700株
水戸証券0.87%5,700株
岡三証券0.87%5,700株
マネックス証券0.43%2,800株
松井証券0.43%2,800株
合計100%655,500株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
岡三オンライン岡三300株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

10%
個人4,121本
抽選580
裁量3,541
11%
個人146本
抽選19
裁量127
45%
個人99本
抽選51
裁量48
89%
個人51本
抽選51
裁量
90%
個人25本
抽選25
裁量
90%
個人25本
抽選25
裁量
100%
個人3本
抽選3
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日11月22日(金)
抽選申込期間12月12日(木)~12月18日(水)
当選発表日12月19日(木)
購入申込期間12月20日(金)~12月25日(水)
上場日12月27日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
121122123124125126127
12812912101211121212131214
1215121612171218121912201221
1222122312241225122612271228
12291230123111121314

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 人材関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度はまずまずです。売上はここ数年横ばいで推移しており成長性は課題といえますが、利益は確保しており、収益性は評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主には安定株主しかおらず、需給面は良好です。想定価格でPER8.3倍(前期ベース)は業種平均25.7倍(サービス・グロース)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

  供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。  成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(24.10末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(24.10末時点)。
13.0 億円6.255.68.32.9
サービス業9.99.925.72.5
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
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初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格2,070円から+330円(+15.9%)高い2,400円と予想します。なお、AI予測値は3,021円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(公開価格比)
2,400円(12/24予想)
+330円 / +15.9%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,980円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。1,980円 ~ 2,070円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。2,070円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
3,325円
+1,255円 / +60.6%

▌AIの予測値(12/24更新)

3,021円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+15.9+45.9+79.1+69.4
(公開価格比)(公開価格比)人材中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年3月に上場したダイブ(151A)の初値騰落率は+77.2%でした。

 今回のIPOと同じ人材派遣・採用関連に分類されるIPOは2007年以降56件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は78.6%、初値騰落率の平均は+79.1%(中央値+51.8%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降222件で、勝率は88.7%、初値騰落率の平均は+69.4%(中央値+52.4%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
ダイブ+77.2%12.1106.1%17.4%
ジンジブ+127.4%6.456.0%186.4%
ロココ-2.5%11.09.9%42.2%
オープンワーク+11.1%37.85.1%8.3%
グッピーズ+30.3%17.649.0%42.6%

▌人材派遣・採用のIPO実績
(人材派遣、新卒・中途採用事業など)

人材勝率平均騰落率
56
(2007年以降)
78.6
(44件 / 56件)
+79.1
(Me:+51.8 %)

(2024/11/30 現在)

人材派遣・採用の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
241A ROXX2024/9/25-8.0
215A タイミー2024/7/26+27.6
151A ダイブ2024/3/27+77.2
142A ジンジブ2024/3/22+127.4
5868 ロココ2023/12/20-2.5

人材のIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
222
(2016年以降)
88.7
(197件 / 222件)
+69.4
(Me:+52.4 %)

(2024/11/30 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
276A ククレブ2024/11/28+31.6
245A INGS2024/9/26+39.2
244A グロースエクスパ2024/9/26+20.3
220A ファベル2024/7/31+19.0
218A リベラウェア2024/7/29+46.5

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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