ライオン事務器(423A)のIPO情報と初値予想
- 2025/9/7
- IPO企業一覧
ライオン事務器(423A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、ライオン事務器のIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『文具・事務用品、オフィス家具及び事務機器の製造販売、オフィス環境のデザイン・施工・内装工事、ICT機器の文教市場向けの販売、並びにeコマース』となっています。
会社名 | ライオン事務器(423A) |
---|---|
所在地 | 大阪府東大阪市長田中三丁目5番44号 |
設立日 | 1921年9月27日 |
従業員数 | 493人 |
業種 | 卸売業 |
【企業サイト】
https://www.lion-jimuki.co.jp/

沿革

代表取締役社長 髙橋 俊泰
弊社は、1792年(寛政4年)に今津屋小八郎(福井家祖)が大阪の地で筆墨商として創業して以来、時代の声に真摯に耳を傾け、新しい商品を提供し、事務の合理化と能率向上を提案してまいりました。
財務データ
2024年9月期の事業売上は349億円で、構成比はセグメント別に、販売店事業42.4%、エンタープライズ32.4%、文教事業25.2%となっています。
前期(24.9)はGIGAスクール構想(児童、生徒に1人1台のPCと、全国の学校に高速大容量の通信ネットワークを整備する国の方針)によるタブレットなどのICT機器の導入支援や端末の運用サポート/保守業務等が好調に推移し、前期比で売上は6%増、最終は8億円で着地しました。
今期(25.9)は電子黒板の更新や不審者対策としての学校内無線電話、インターフォンシステム、不登校対策システム等の導入など文教事業が引き続き好調に推移しており、売上は5%増、最終は8億円を見込んでいます。1株利益は27.35円、配当は5円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2020/9 | 2021/9 | 2022/9 | 2023/9 | 2024/9 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 310 | 479 | 339 | 330 | 349 |
経常益 | 7 | 16 | 10 | 11 | 12 |
最終益 | 5 | 13 | 7 | 8 | 8 |
純資産 | 78 | 92 | 99 | 107 | 114 |
総資産 | 213 | 260 | 236 | 233 | 233 |
▌セグメント別の売上内訳(2024.9)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している卸売業320社の中央値と比較すると、収益力は総資本営業利益率が4.7%など、平均的な数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が175.1%となっており、平均的な状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 233 億円 | 売上高 349 億円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は卸売業(320社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は32,562千株で、株式保有割合は、その他95.9%、経営陣4.1%となっています。
株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
㈱大塚商会 | 36.85% | 180日 |
福井 資 | 4.22% | 180日 |
福井 靖 | 3.66% | 180日 |
福井 務 | 3.37% | 180日 |
㈱みずほ銀行 | 2.59% | |
ライオン事務器社員持株会 | 1.95% | 180日 |
勝又 祐一郎 | 1.23% | 180日 |
㈱三井住友銀行 | 1.20% | |
寺西 八 | 1.12% | 180日 |
日本生命保険相互会社 | 1.02% | 180日 |
上記以外 | 42.79% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 32,562千株(2025年9月5日現在)
4.1 % | – % | 95.9 % | – % |
1,350 千株 | – 千株 | 31,212 千株 | – 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は35.2%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主にその他(金融機関等)の株式放出によるものです。
上場する株式の時価総額は65.6億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の12.5%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は10.3億円で、IPOとしては中小型の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 1,500,700 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 1,469,000 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 31,700 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 3,405,600 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 2,765,700 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 639,900 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 4,906,300 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
65.6 億円 | 3.1 億円 | 13.6 % | 35.2 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
4.0 % | – % | 83.6 % | – % | 12.5 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になる楽天、マネックス、松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
みずほ証券(主幹事) | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
岡三証券 | -% | -株 |
岩井コスモ証券 | -% | -株 |
楽天証券 | -% | -株 |
広田証券 | -% | -株 |
松井証券 | -% | -株 |
マネックス証券 | -% | -株 |
丸三証券 | -% | -株 |
水戸証券 | -% | -株 |
合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
岡三オンライン | 岡三 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 9月5日(金) |
---|---|
抽選申込期間 | 9月29日(月)~10月3日(金) |
当選発表日 | 10月6日(月) |
購入申込期間 | 10月7日(火)~10月10日(金) |
上場日 | 10月15日(水) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
921 | 922 | 923 | 924 | 925 | 926 | 927 |
928 | 929 | 930 | 101 | 102 | 103 | 104 |
105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 1010 | 1011 |
1012 | 1013 | 1014 | 1015 | 1016 | 1017 | 1018 |
1019 | 1020 | 1021 | 1022 | 1023 | 1024 | 1025 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
文具・事務用品等の製造・販売事業に特段の新規性はなく、注目度は低いです。事業内容から今後飛躍的に成長することは期待しづらいですが、ここ数年売上は緩やかに増加しており、利益も安定的に確保していることから、事業の安定度はかなり高いといえます。
▌需給・価格評価
IPOとしては中小型案件で、株主には安定株主しかおらず、想定価格もかなり低めに設定されていることから、需給に不安はありません。今期利益予想によるPERは7.6倍と業種平均12.3倍(卸売・スタンダード)と比較してやや割安で、配当利回りは2.4%となっています。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
7.0 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は卸売業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は卸売業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は卸売業(スタンダード)の単純PER(25.8末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は卸売業(スタンダード)の単純PBR(25.8末時点)。 |
---|---|---|---|---|
10.3 億円 | 5.8 % | 7.0 % | 8.6 倍 | 0.6 倍 |
卸売業 | 7.4 % | 8.0 % | 12.3 倍 | 0.8 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格209円から+41円(+19.6%)高い250円と予想します。なお、AI予測値は290円となっており、これより低い弱気の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 250円(9/7予想) (+41円 / +19.6%) |
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想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 209円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では20年2月に上場したコーユーレンティア(7081)の初値騰落率は+32.8%でした。
今回のIPOと同じ卸売業関連に分類されるIPOは2007年以降49件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は67.3%、初値騰落率の平均は+38.8%(中央値+14.0%)となっています。
また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降232件で、勝率は88.4%、初値騰落率の平均は+67.6%(中央値+50.3%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
コーユーレンティア | +32.8% | 21.7 | 17.8% | 15.9% |
▌卸売業のIPO実績
(製品・食品などの仕入れ・販売など)
卸売業 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
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(2025/9/7 現在)
卸売業の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
287A 黒田グループ | 2024/12/17 | +26.4 % |
280A TMH | 2024/12/4 | +41.9 % |
7120 SHINKO | 2023/3/22 | +2.3 % |
7115 アルファパーチェス | 2022/12/26 | -1.3 % |
7116 ダイワ通信 | 2022/12/26 | -4.7 % |
卸売業のIPO騰落率分布
▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)
中小型 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
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(2025/9/7 現在)
中小型の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
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386A みのや | 2025/7/18 | +64.4 % |
343A IACEトラベル | 2025/4/7 | -13.6 % |
340A ジグザグ | 2025/3/31 | +35.3 % |
330A TalentX | 2025/3/18 | +36.8 % |
324A ブッキングR | 2025/2/21 | +25.0 % |
中小型のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)