メディックス(331A)のIPO情報と初値予想

 メディックス(331A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、メディックスのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『クリエイティブ設計・制作、データ解析・分析、インターネット広告代理などのデジタルマーケティング支援事業』となっています。

会社名メディックス(331A)
所在地東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
設立日1984年3月30日
従業員数280人
業種サービス業

【企業サイト】

https://www.medix-inc.co.jp/

事業解説
 主にンターネット広告を主軸とするデジタルマーケティングの総合支援として、検索連動型広告、ディスプレイ広告、フィード広告といったインターネット広告の他に、広告の受け皿となるウェブサイト制作、またデジタルマーケティング施策全体の効果改善のためのデータ計測、レポーティング及びダッシュボード化、データ分析、コンサルティング等を行うデータマネジメントのサービスを提供しています。
メディックスの事業説明
(画像:メディックスHP

沿革 

メディックスのトップメッセージ

代表取締役社長 田中 正則

 メディックスは、1984年クリエイティブ・プロダクションとして創業。インターネットの登場とともに、いち早くデジタルコミュニケーションの可能性に魅力を感じ、事業の中心をデジタルマーケティング支援に転じて、今日に至っております。

(引用:メディックスHP
1984年3月
東京都文京区湯島に㈱メディックスを設立し、広告制作プロダクション事業を開始
1985年9月
本社を東京都千代田区神田北乗物町に移転
1987年7月
本社を東京都千代田区神田美倉町に移転
1991年5月
本社を東京都千代田区鍛冶町に移転
1992年4月
営業部門設立/印刷物を中心としたプロモーション提案を行う
1992年12月
本社を東京都千代田区神田須田町に移転
1997年8月
事業領域の拡大。インターネット広告代理店へと業態転換 ネット広告営業部発足
2004年2月
本社を東京都中央区銀座に移転
2007年6月
「Omniture認定代理店」を取得(SiteCatalyst、SearchCenter)し、アクセス解析の導入・運用を行うソリューショングループを発足
2012年10月
本社を東京都千代田区霞が関に移転
2015年5月
Marketo販売パートナー契約を行い、マーケティングオートメーションの導入・運用サポートを開始
2015年11月
「CRITEO認定代理店」としてワンスターを獲得
2016年4月
スペースキット㈱(旧社名:㈱データドック)を設立(2023年3月に清算結了)
2016年4月
フィード広告の効果を最大化させる「MEDIX-Feed Management サービス(M-Feed)」の提供を開始
2016年6月
本社を東京都中央区築地に移転
2017年4月
顧客の持つデータの活用を支援するために、ソリューション開発部(主にMA/CRM/アクセス解析関連データの統合及びシステムの設計・導入・運用サポートを行う)と統合マーケティング室(主に広告関連データの統合・分析・予算最適化を行う)を設立
2019年3月
本社を東京都千代田区神田神保町に移転
2020年3月
台湾に美迪科思行銷股?有限公司を設立(2023年2月に株式の一部売却により非子会社化)

財務データ 

 2024年3月期の事業売上は4,180百万円で、構成比はセグメント別に、BtoC54.4%BtoB22.9%その他22.6%となっています。

 前期(24.3)は一部大手クライアントの失注や大手クライアントの広告出稿減などの結果、前期比で売上は△2%減最終は489百万円で着地しました。

 今期(25.3)は大型顧客の取引縮小等でBtoC向けは苦戦も、BtoB向けは顧客単価上昇で好調に推移し、売上は横ばい最終は812百万円を見込んでいます。1株利益は107.6円配当は14円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/32021/32022/32023/32024/3
売上高15,44011,97914,3924,2734,180
経常益585123516815805
最終益103△118134402489
純資産1,2881,1501,3561,7302,157
総資産5,7344,8185,1375,4325,904
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が22.7%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が33.8%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 5,904 百万円売上高 4,180 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 19.2(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 13.6(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 22.7(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 165.6(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 33.8(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 36.5(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = -2.2(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は8,024千株で、株式保有割合は、経営陣98.0%その他2.0%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
小谷中 茂樹39.88%180日
水野 昌広21.90%180日
メディックス従業員持株会10.47%180日
小谷中 一樹9.39%180日
田中 正則(社長)7.23%180日
㈱フォローワンズハート5.23%180日
今森 教仁1.29%180日
馬場 昭彦0.93%180日
両角 創平0.87%180日
菊地 悟0.65%180日
上記以外2.16%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 8,024千株(2025年2月12日現在)

?

98.02.0
7,862.5 千株– 千株161.3 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(443.8千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は21.7%と低く、売出される株式は、主に経営陣の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は69.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の27.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は22.7億円で、IPOとしては中型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。500,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。500,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。2,145,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。1,800,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。345,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。2,645,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
69.5 億円4.3 億円28.521.7
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

71.11.927.0
※新株予約権による潜在株式(443.8千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
みずほ証券(主幹事)-%-株
三菱UFJMS証券-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
マネックス証券-%-株
松井証券-%-株
東海東京証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
auカブコム証券三菱-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
9%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日2月12日(水)
抽選申込期間3月3日(月)~3月7日(金)
当選発表日3月10日(月)
購入申込期間3月11日(火)~3月14日(金)
上場日3月19日(水)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
22322422522622722831
32333435363738
39310311312313314315
316317318319320321322
323324325326327328329

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 マーケティング関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度はまずまずといえます。売上はここ数年ほぼ横ばいで推移しており、成長性には課題がありますが、利益率は高く収益性は評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中型案件で、株主には安定株主しかおらずロックアップもかなり厳しめのため、需給に不安はありません。今期の業績予想によるPERは8倍と業種平均15.1倍(サービス・スタンダード)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(スタンダード)の単純PER(24.12末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(スタンダード)の単純PBR(24.12末時点)。
22.7 億円-2.222.714.22.7
サービス業9.99.915.11.2
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格860円から+240円(+27.9%)高い1,100円と予想します。なお、AI予測値は1,570円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,100円(2/15予想)
+240円 / +27.9%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。860円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(2/15計算)

1,570円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+27.9+82.6+102.8+34.1
(想定価格比)(想定価格比)マーケティ中型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年6月に上場したライスカレー(195A)の初値騰落率は+9.9%でした。

 今回のIPOと同じマーケティング関連に分類されるIPOは2007年以降61件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は85.2%、初値騰落率の平均は+102.8%(中央値+88.3%)となっています。

 また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降170件で、勝率は76.5%、初値騰落率の平均は+34.1%(中央値+18.8%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
ライスカレー+9.9%11.585.1%-19.0%
マテリアルG-8.1%58.411.4%30.6%
アスマーク-6.5%13.516.0%23.0%
ブリーチ+19.6%89.179.3%35.3%

▌マーケティングのIPO実績
(広告やプロモーションなどマーケティング)

マーケティ勝率平均騰落率
61
(2007年以降)
85.2
(52件 / 61件)
+102.8
(Me:+88.3 %)

(2025/2/15 現在)

マーケティングの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
303A visumo2024/12/26+34.5
220A ファベル2024/7/31+19.0
195A ライスカレー2024/6/19+9.9
156A マテリアルG2024/3/29-8.1
143A イシン2024/3/25+106.9

マーケティのIPO騰落率分布

▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)

中型勝率平均騰落率
170
(2016年以降)
76.5
(130件 / 170件)
+34.1
(Me:+18.8 %)

(2025/2/15 現在)

中型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
319A 技術承継機構2025/2/5+35.0
297A アルピコHD2024/12/25+5.2
291A リスキル2024/12/17+29.8
288A ラクサス2024/12/13+51.6
281A インフォメティス2024/12/9-8.1

中型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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