2018年のIPO振り返り

 ここでは2018年のIPOの公募価格や初値、初値売却時の騰落率などを紹介していきます。

2018年のIPO(全体)

 2018年は、上期前半からVIX指数(別名:恐怖指数)上昇に伴う世界同時株安に始まり、その後は一時的に持ち直し、日経平均株価もバブル後最高値を更新したものの、米国長期金利の大幅な上昇、さらには米中貿易摩擦の深刻化への警戒感が高まったことで、下期後半にかけて大きく調整局面に入る展開となりました。日経平均株価で見ると、2017年末の22,764.94円から2018年末には20,014.77円と、12.1%の下落です。また、IPOが多く上場されるマザーズ市場の指数は、年初から軟調に推移し、年後半にかけては下落スピード早め、年末には前年比34.1%の下落(1231.99→812.32)となりました。

 さて、2018年のIPOの実績は以下のとおりです。勝率は84.2%、平均騰落率は99.2%。前年に比べ勝率はやや下落したものの、9割近い勝率となっています。

IPO件数勝率プラスマイナス(ゼロ含む)
9584.2%8015
平均騰落率99.2%初値売却時の収益計22,100,800円

 

IPOの収益・騰落率の計算方法

IPOによる収益については、原則、以下の通りで計算しています。
(「初値」 - 「公募価格」) × 100株 = 「初値売却時の収益
※取引所の売買単位の統一化の取り組みにより、新規上場会社が新規公開する場合は100株となります。

なお、RIET・インフラ銘柄については売買単位が1株のため、以下の通りで計算しています。
(「初値」 - 「公募価格」) × 1株 = 「初値売却時の収益(REIT・インフラ
<騰落率>
(「初値」 - 「公募価格」) / 「公募価格」 = 「騰落率(%)

 

初値売却時の騰落率分布

 もう少し詳しく、騰落率の分布を見ていきましょう。

200%超200%~100%超100%~50%超50%~10%超10%~0%未満0%以下
11291619515

 これを見ると、初値が公募価格の2倍を超える(100%超)ケースが40件で、新興市場が軟調な中でも、4割以上の銘柄で初値が公募価格を大幅に上回っています。

騰落率のBEST5WORST5

 ここでは、2018年IPO案件のBEST5WORST5を見ていきましょう。どんな銘柄で大きく儲けることができたのでしょうか。

BEST5

コード銘柄名公募価格初値騰落率収益(初値売却時)
14382HEROZ4,50049,000988.9%+4,450,000円
26573アジャイルメディア・ネットワーク3,00015,470415.7%+1,247,000円
34381ビープラッツ2,20010,000354.5%+780,000円
44380Mマート1,2405,380333.9%+414,000円
53446ジェイテックコーポレーション2,2509,700331.1%+745,000円

WORST5

コード銘柄名公募価格初値騰落率収益(初値売却時)
17047ポート1,480930-37.2%-55,000円
26232自律制御システム研究所3,4002,830-16.8%-57,000円
34598Delta-FlyPharam4,7704,385-8.1%-38,500円
46571キューピーネットホールディングス2,2502,115-6.0%-13,500円
53612ワールド2,9002,755-5.0%-14,500円

取引市場別の騰落率

上場市場件数初値売却時の収益平均騰落率
+プラス-マイナス
マザーズ63594128.9%
ジャスダック1414081.5%
東証1部7346.3%
東証2部53222.8%
REIT404-3.4%
インフラ101-4.5%
その他110155.5%

2018年のIPO一覧

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