2019年のIPO振り返り

 ここでは2019年のIPOの公募価格や初値、初値売却時の騰落率などを紹介していきます。

2019年のIPO(全体)

 2019年は、年初から前年末の世界株安の流れを受け軟調な展開となったものの、その後は米株高などに連動する形で回復基調になり、年後半にかけては世界景気の減速懸念後退も加わり、さらに上値を追う展開となりました。日経平均株価で見ると、2018年末の20,014.77円から2019年末には23,656.62円と、15.4%の上昇です。また、IPOが多く上場されるマザーズ市場の指数は年初から上昇したものの、3月以降はほぼ横ばいで推移し、年末には前年比10.5%の上昇(812.32→897.47)となりました。

 さて、2019年のIPOの実績は以下のとおりです。勝率は85.6%、平均騰落率は71.5%。前年に比べ平均騰落率はやや下落したものの、9割近い勝率となっています。

IPO件数勝率プラスマイナス(ゼロ含む)
9085.6%7713
平均騰落率71.5%初値売却時の収益計14,406,500円

 

IPOの収益・騰落率の計算方法

IPOによる収益については、原則、以下の通りで計算しています。
(「初値」 - 「公募価格」) × 100株 = 「初値売却時の収益
※取引所の売買単位の統一化の取り組みにより、新規上場会社が新規公開する場合は100株となります。

なお、RIET・インフラ銘柄については売買単位が1株のため、以下の通りで計算しています。
(「初値」 - 「公募価格」) × 1株 = 「初値売却時の収益(REIT・インフラ
<騰落率>
(「初値」 - 「公募価格」) / 「公募価格」 = 「騰落率(%)

 

初値売却時の騰落率分布

 もう少し詳しく、騰落率の分布を見ていきましょう。

200%超200%~100%超100%~50%超50%~10%超10%~0%未満0%以下
6251131413

 これを見ると、初値が公募価格の2倍を超える(100%超)ケースが31件で、新興市場が膠着状態であっても、3割以上の銘柄で初値が公募価格を大幅に上回っています。

騰落率のBEST5WORST5

 ここでは、2019年IPO案件のBEST5WORST5を見ていきましょう。どんな銘柄で大きく儲けることができたのでしょうか。

BEST5

コード銘柄名公募価格初値騰落率収益(初値売却時)
14482ウィルズ9604,535372.4%+357,000円
24434サーバーワークス4,78018,000276.6%+1,322,000円
34488AI inside3,60012,600250.0%+900,000円
44438Welby5,20018,030246.7%+1,283,000円
57080スポーツフィールド2,7308,500211.4%+577,000円

WORST5

コード銘柄名公募価格初値騰落率収益(初値売却時)
12974大英産業1,5201,330-12.5%-19,000円
24448Chatwork1,6001,480-7.5%-12,000円
34599ステムリム1,000930-7.0%-7,000円
46571BASE1,3001,210-6.9%-9,000円
52980SREHD2,6502,475-6.6%-17,500円

取引市場別の騰落率

上場市場件数初値売却時の収益平均騰落率
+プラス-マイナス
マザーズ6456889.9%
ジャスダック66044.0%
東証1部11022.4%
東証2部1110128.8%
REIT413-0.4%
インフラ0000%
その他431129.9%

2019年のIPO一覧

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