ROXX[ロックス]（241A）のIPO情報と初値予想【初値決定】

　ROXX[ロックス]（241A）の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ROXX[ロックス]のIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します！！

　事業内容は、『ノンデスクワーカー向け転職プラットフォーム『Z キャリア』の運営など』となっています。

　2023年9月期の事業売上は2,076百万円で、構成比はサービス別に、Zキャリア79.1％、back check20.9％となっています。

　前期(23.9)はZキャリアサービスの転職支援者数増加やback checkサービスでもコンプライアンスチェック実施件数が増加し、前期比で売上は71％増、最終は△746百万円で着地しました。

　今期(24.9)は積極的なマーケティング施策や人材紹介会社の契約社数の増加等により、売上は70％増、最終は△487百万円を見込んでいます。１株利益は-71.3円、配当は0円予想としています。

▌比率分析

　企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業595社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。

　また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が125.7％となっており、かなり厳しい状態といえます。

　現在の発行済株式総数は7,702千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)39.4％、その他36.5％、経営陣24.1％となっています。

　VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

　IPOの公募比率は20.9％と低く、売出される株式は、主にベンチャーキャピタル(VC)、その他(クルーズ㈱など)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

　上場する株式の時価総額は153.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の36.4％分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は70.9億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

　今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8％程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌注目度・業績評価

　転職プラットフォーム事業に特段の新規性はなく、注目度は高くはありません。売上は順調に拡大しており事業の成長性は魅力的ですが、赤字が継続しており、収益性が今後の課題となっています。

▌需給・価格評価

　IPOとしては中大型案件で、大株主のＶＣには厳しめにロックアップは入っているものの、公募比率が低く、需給はかなり緩めと予想されます。

▌IPO抽選へのスタンス

　今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。

　上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格2,110円から+90円(+4.3%)高い2,200円と予想します。なお、AI予測値は2,513円となっており、これより低い弱気の予想としています。

　最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年10月に上場したリンカーズ(5131)の初値騰落率は+67.7％でした。

　今回のIPOと同じ人材派遣・採用関連に分類されるIPOは2007年以降55件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は80.0％、初値騰落率の平均は+80.7％(中央値+53.2％)となっています。

　また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降143件で、勝率は52.4％、初値騰落率の平均は+15.1％(中央値+1.4％)となっています。