シマダヤ(250A)のIPO情報と初値予想【初値決定】
- 2024/10/1
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シマダヤ(250A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、シマダヤのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『麺類および関連食料品の製造および販売』となっています。
会社名 | シマダヤ(250A) |
---|---|
所在地 | 東京都渋谷区恵比寿西一丁目33番11号 |
設立日 | 1949年3月4日 |
従業員数 | 861人 |
業種 | 食料品 |
【企業サイト】
https://www.shimadaya.co.jp/
沿革
代表取締役社長 岡田 賢二
シマダヤは、1931年に創業者・牧 清雄が名古屋の地で米穀商「島田屋商店」を創業し、1949年に事業を製麺業に切り替え、「めんのシマダヤ」が誕生しました。製麺業界初となるチルドめんの完全個包装化や冷凍めんの開発、そして「流水麺」をはじめとする数々の画期的な商品を世に送り出すなど、「めんのリーディングカンパニー」として歩んでまいりました。
財務データ
2024年3月期の事業売上は38,974百万円で、構成比はセグメント別に、家庭用62.2%、業務用37.8%となっています。
前期(24.3)は記録的猛暑による夏季商品の拡大や家庭用冷凍麺の拡大もあり、前期比で売上は14%増、最終は2,525百万円で着地しました。
今期(25.3)は原材料・資材価格の上昇や物流費並びに人件費が増加しており、売上は2%増、最終は2,058百万円を見込んでいます。1株利益は135.35円、配当は40円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2020/3 | 2021/3 | 2022/3 | 2023/3 | 2024/3 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 34,641 | 31,142 | 31,266 | 34,116 | 38,974 |
経常益 | 1,912 | 1,572 | 1,467 | 2,378 | 3,475 |
最終益 | 1,442 | 984 | 1,051 | 1,835 | 2,525 |
純資産 | 18,302 | 18,975 | 19,564 | 19,551 | 15,838 |
総資産 | 29,142 | 28,917 | 28,486 | 29,777 | 23,889 |
▌セグメント別の売上内訳(2024.3)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している食料品128社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が15.9%など、かなり高い数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が180.2%となっており、平均的な状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 23,889 百万円 | 売上高 38,974 百万円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は食料品(128社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の株式保有は親会社メルコHDが100%となっていますが、24年9月末にメルコHDの株主に対して、メルコ株1株に子会社シマダヤ株1株を現物配当する予定となっていますので、下記には現在のメルコHDの株主構成を記載しています。
現在の発行済株式総数は15,206千株で、株式保有割合は、その他53.7%、関係会社46.3%となっています。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
株式会社メルコグループ | 46.34% | 180日 |
牧 寛之 | 12.53% | 180日 |
ECM MF(常任代理人 立花証券株式会社) | 9.71% | |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 4.30% | |
公益財団法人牧誠財団 | 2.99% | 180日 |
株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 1.14% | |
JPモルガンビハーフクライアンツJPMSPSEGR | 0.97% | |
岩崎 泰次 | 0.88% | |
メルコ共栄会 | 0.67% | |
牧 廣美 | 0.47% | 180日 |
上記以外 | 20.00% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 15,206千株(2024年8月26日現在)
– % | 46.3 % | 53.7 % | – % |
– 千株 | 7,045.7 千株 | 8,160 千株 | – 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
今回のIPOでは募集株式の全てが売出し株式で、主にその他(エフィッシモ キャピタル マネージメント)、関係会社(親会社)の株式放出によるものです。初値形成にはかなりネガティブといえます。
上場する株式の時価総額は285.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の15.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は49.3億円で、IPOとしては中型の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 0 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 0 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 2,622,800 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 2,280,700 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 342,100 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 2,622,800 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
285.9 億円 | – 億円 | 15 % | 0 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
– % | 41.6 % | 43.4 % | – % | 15.0 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOでは大和証券が主幹事となっており、割当株数の14%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
大和証券(主幹事) | 89.57% | 2,349,200株 |
東海東京証券 | 3.48% | 91,200株 |
みずほ証券 | 1.74% | 45,600株 |
岡三証券 | 1.74% | 45,600株 |
SBI証券 | 1.74% | 45,600株 |
楽天証券 | 1.74% | 45,600株 |
合計 | 100% | 2,622,800株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
CONNECT | 大和 | 23,500株 |
岡三オンライン | 岡三 | 2,000株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | 16,303本 |
---|---|
抽選 | 3,242本 |
裁量 | 13,061本 |
個人 | 612本 |
---|---|
抽選 | 601本 |
裁量 | 11本 |
個人 | 389本 |
---|---|
抽選 | 50本 |
裁量 | 339本 |
個人 | 407本 |
---|---|
抽選 | 407本 |
裁量 | –本 |
個人 | 395本 |
---|---|
抽選 | 203本 |
裁量 | 192本 |
個人 | 410本 |
---|---|
抽選 | 410本 |
裁量 | –本 |
個人 | 235本 |
---|---|
抽選 | 235本 |
裁量 | –本 |
個人 | 20本 |
---|---|
抽選 | 20本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 8月26日(月) |
---|---|
抽選申込期間 | 9月12日(木)~9月19日(木) |
当選発表日 | 9月20日(金) |
購入申込期間 | 9月24日(火)~9月27日(金) |
上場日 | 10月1日(火) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 |
98 | 99 | 910 | 911 | 912 | 913 | 914 |
915 | 916 | 917 | 918 | 919 | 920 | 921 |
922 | 923 | 924 | 925 | 926 | 927 | 928 |
929 | 930 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
麺類の製造・販売に特段の新規性はなく、注目度は低いといえます。売上はここ数年は伸び悩み傾向ですが、利益率はかなり改善しており、収益性はかなり評価できます。
▌需給・価格評価
IPOとしては中型案件で、株主予定となる現在のメルコHDの大株主(親会社など)にはロックアップが入っているものの、その他の株主の動向は読みにくく、場合によっては売り圧力が強くなることもありそうです。今期予想によるPERは13.9倍と業種平均17.1倍と比較してやや割安です。また、予想配当利回り2%は魅力的です。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
7.5 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は食料品(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は食料品(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は食料品(スタンダード)の単純PER(24.7末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は食料品(スタンダード)の単純PBR(24.7末時点)。 |
---|---|---|---|---|
49.3 億円 | 14.2 % | 15.9 % | 11.3 倍 | 1.8 倍 |
食料品 | 4.4 % | 5.0 % | 17.1 倍 | 1.2 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格1,880円から+120円(+6.4%)高い2,000円と予想します。なお、AI予測値は2,087円となっており、これと同程度の予想としています。
初値予想 (公開価格比) | 2,000円(9/24予想) (+120円 / +6.4%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 1,880円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | 1,620円 ~ 1,880円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | 1,880円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | 1,760円 (-120円 / -6.4%) |
ここでは、東証スタンダード市場に新規上場を果たし、きょう初値を付けたシマダヤ<250A>の初日の値動きと、今後の株価見通しについて探っていきます。主たる事業は、麺類および関連食料品の製造および販売で、IPOの …
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では21年4月に上場した紀文食品(2933)の初値騰落率は+9.6%でした。
今回のIPOと同じ食品業関連に分類されるIPOは2007年以降19件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は68.4%、初値騰落率の平均は+28.1%(中央値+8.9%)となっています。
また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降159件で、勝率は77.4%、初値騰落率の平均は+35.4%(中央値+19.6%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
紀文食品 | +9.6% | 62.4 | -1.0% | 27.3% |
大冷 | -6.7% | 30.5 | 1.2% | 22.1% |
▌食品業のIPO実績
(食料品や水産・農林業など)
食品 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2024/8/27 現在)
食品業の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
2938 オカムラ食品工業 | 2023/9/27 | +52.6 % |
2937 サンクゼール | 2022/12/21 | +22.3 % |
2936 ベースフード | 2022/11/15 | +38.8 % |
2585 Lドリンク | 2021/12/21 | -7.0 % |
2934 ジェイフロンティア | 2021/8/27 | -15.0 % |
食品のIPO騰落率分布
▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)
中型 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2024/8/27 現在)
中型の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
219A ハートシード | 2024/7/30 | +33.4 % |
212A フィットイージー | 2024/7/23 | +22.5 % |
206A PRISMBio | 2024/7/2 | +8.7 % |
205A ロゴスHD | 2024/6/28 | ±0.0 % |
192A インテグループ | 2024/6/18 | +50.0 % |
中型のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)