Synspective[シンスペクティブ](290A)のIPO情報と初値予想
- 2024/11/15
- IPO企業一覧
Synspective[シンスペクティブ](290A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、Synspective[シンスペクティブ]のIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『小型SAR衛星の開発・運用からSARデータの販売とソリューションの提供』となっています。
会社名 | Synspective[シンスペクティブ](290A) |
---|---|
所在地 | 東京都江東区三好三丁目10番3号 |
設立日 | 2018年2月22日 |
従業員数 | 186人 |
業種 | 情報・通信業 |
【企業サイト】
https://synspective.com/jp/
沿革
代表取締役 CEO 新井 元行
Synspectiveは、自社によるSAR衛星コンステレーションを持つソリューションプロバイダーです。小型SAR衛星の開発・運用からコンステレーションを構築しデータを生成し提供しています。また独自のデータ解析能力を用いて世界が抱える様々な課題に対して、データに基づいたソリューションを提供しています。
財務データ
2023年12月期の事業売上は1,386百万円で、構成比はセグメント別に、衛星データ事業100%となっています。
前期(23.12)は官公庁が主導する宇宙開発利用加速化戦略プログラムの契約額が増額されたことで、前期比で売上は182%増、最終は△1520百万円で着地しました。
今期(24.12)は小型SAR衛星の機能等の向上に関する調査研究や安全保障用途に適したSAR衛星の宇宙実証(いずれも防衛省との契約)などの一部を売上に計上し、売上は65%増、最終は△3,471百万円を見込んでいます。1株利益は-41.3円、配当は0円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2019/12 | 2020/12 | 2021/12 | 2022/12 | 2023/12 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 38 | 57 | 52 | 492 | 1,386 |
経常益 | △1,352 | △2,697 | △2,460 | △4341 | △1951 |
最終益 | △1,356 | △2,699 | △2,465 | △6272 | △1520 |
純資産 | 9,272 | 6,575 | 8,939 | 8,092 | 7,871 |
総資産 | 9,347 | 6,729 | 9,136 | 9,893 | 11,315 |
▌セグメント別の売上内訳(2023.12)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業595社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が67.8%となっており、やや厳しい状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 11,315 百万円 | 売上高 1,386 百万円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は情報・通信業(595社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は96,318千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)57.6%、その他31.2%、経営陣11.2%となっています。
VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
新井元行(社長) | 9.36% | 180日 |
スペース・エースタート1号LPS | 8.94% | 180日 |
ジャフコSV5共有LPS | 7.62% | 180日 |
清水建設㈱ | 7.21% | 180日 |
SPエースタート1号LPS | 6.72% | 継続所有 |
日本グロースキャピタル投資法人 | 5.25% | 180日 |
白坂成功 | 4.67% | 180日 |
森トラスト㈱ | 2.49% | 180日 |
協創プラットフォーム開発1号LPS | 2.37% | 180日 |
Tsunagu Investment Pte. Ltd. | 2.31% | 180日 |
上記以外 | 43.06% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 96,318千株(2024年11月14日現在)
11.2 % | – % | 31.2 % | 57.6 % |
10,774.4 千株 | – 千株 | 30,074.3 千株 | 55,469.1 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
今回のIPOでは募集株式の全てが公募株式で、主に新規発行になります。初値形成にはかなりポジティブといえます。
上場する株式の時価総額は497.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の18.1%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は112.7億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 21,304,200 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 21,304,200 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 3,195,600 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 0 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 3,195,600 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 24,499,800 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
497.9 億円 | 98 億円 | 19.7 % | 100 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
9.2 % | – % | 25.6 % | 47.2 % | 18.1 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOでは野村證券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になる楽天、マネックスも割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
野村證券(主幹事) | -% | -株 |
みずほ証券 | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
東海東京証券 | -% | -株 |
三菱UFJMS証券 | -% | -株 |
SMBC日興証券 | -% | -株 |
大和証券 | -% | -株 |
マネックス証券 | -% | -株 |
楽天証券 | -% | -株 |
アイザワ証券 | -% | -株 |
合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
auカブコム証券 | 三菱 | -株 |
CONNECT | 大和 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 11月14日(木) |
---|---|
抽選申込期間 | 12月4日(水)~12月9日(月) |
当選発表日 | 12月10日(火) |
購入申込期間 | 12月11日(水)~12月16日(月) |
上場日 | 12月19日(木) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
1124 | 1125 | 1126 | 1127 | 1128 | 1129 | 1130 |
121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 |
128 | 129 | 1210 | 1211 | 1212 | 1213 | 1214 |
1215 | 1216 | 1217 | 1218 | 1219 | 1220 | 1221 |
1222 | 1223 | 1224 | 1225 | 1226 | 1227 | 1228 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
民間の小型衛星開発事業には新規性があり、注目度はかなり高いです。小型衛星に対する官民からの需要は強く、9月より新たに小型SAR衛星の量産工場を本格稼働させており、売上は今後も拡大傾向が続いていくことが予想されます。収益力については、現状、赤字が継続しており、黒字転換が大きな課題といえます。
▌需給・価格評価
IPOとしては大型案件で、株主にVCが多く入っているもののロックアップは厳しめで、想定価格もかなり低めに設定されていますので、需給に大きな不安はありません。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは一定程度の初値上昇が期待できるため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
8.0 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(24.10末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(24.10末時点)。 |
---|---|---|---|---|
112.7 億円 | 181.7 % | -19.3 % | – 倍 | 3.1 倍 |
情報・通信 | 8.4 % | 9.6 % | 66.2 倍 | 3.5 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格460円から+240円(+52.2%)高い700円と予想します。なお、AI予測値は1,149円となっており、これより低い弱気の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 700円(11/15予想) (+240円 / +52.2%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 460円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年6月に上場したアストロスケールホールディングス(186A)の初値騰落率は+50.7%でした。
今回のIPOと同じ情報・通信業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降62件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は83.9%、初値騰落率の平均は+79.8%(中央値+52.7%)となっています。
また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降147件で、勝率は52.4%、初値騰落率の平均は+14.8%(中央値+1.4%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
アストロスケール | +50.7% | 192.4 | 97.0% | -56.9% |
QPS研究所 | +120.5% | 39.0 | 1,857.9% | -21.3% |
▌情報・通信業(その他)のIPO実績
(情報・通信業のうち他に分類されないもの)
情報・通信 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2024/11/15 現在)
情報・通信業(その他)の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
248A キッズスター | 2024/9/26 | -13.7 % |
184A 学びエイド | 2024/5/28 | +32.2 % |
148A ハッチ・ワーク | 2024/3/26 | +30.3 % |
5595 QPS研究所 | 2023/12/6 | +120.5 % |
5589 オートサーバー | 2023/9/26 | -14.6 % |
情報・通信のIPO騰落率分布
▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)
中大型以上 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2024/11/15 現在)
中大型以上の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
262A インターメス | 2024/10/18 | +25.0 % |
261A 日水コン | 2024/10/16 | -6.2 % |
260A オルツ | 2024/10/11 | +5.6 % |
241A ROXX | 2024/9/25 | -8.0 % |
215A タイミー | 2024/7/26 | +27.6 % |
中大型以上のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)