ROXXの初値は公開価格を9%下回る、今後の株価展望は?

  • 2024/9/25
  •  

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
ROXX
初値:1,941 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したROXX<241A>は、公開価格と同じ2,110円のウリ気配でスタートし、その後気配値を切り下げ、9時10分頃に公開価格を169円(-8%)下回る1,941円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗し、一時2,123円まで買われるも、その後は換金売りに押され、最終的に終値1,958円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は238万株でした。

ROXX( 241A )

▌株価情報(2024/09/25 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
1,958
+0.9
+17
-7.2
-152
始値高値安値出来高
1,9412,1231,910238 万株
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたROXXですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、ROXXの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値公開価格割れの1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 ROXXの初値は公開価格比で-8%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0%未満だった135銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+33.9%、中央値(Me)で+9.4%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は58.5%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
136
(2012年以降)
58.5
(80件 / 136件)
+33.9
(Me:+9.4 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
7317 松屋アールアンド2020/4/6+610.2
9553 マイクロアド2022/6/29+390.4
7094 NexTone2020/3/30+371.1
4480 メドレー2019/12/12+271.7

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌人材派遣・採用の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 ROXXと同じ人材派遣・採用の銘柄(2012年以降上場の47銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-3.8%、中央値(Me)で-30.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は34%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは19年12月上場のメドレー(4480)+271.7%、最も下落したのは19年10月上場のジェイック(7073)-76.5%です。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
47
(2012年以降)
34
(16件 / 47件)
-3.8
(Me:-30.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4480 メドレー2019/12/12+271.7
4490 ビザスク2020/3/10+158.4
6198 キャリア2016/6/27+152.8
6539 MS-Japan2016/12/15+142.5
6538 キャリアインデッ2016/12/14+119.8

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

1年後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、比較的良好なパフォーマンスが期待できます。また、継続的な赤字が嫌気され、初値が公開価格割れとなっていますが、さらなる値下がりリスクは限定的ともいえます。

 今期(24.9)の予想では、売上は70%増の35億円、最終損失は△4.9億円(前期△7.5)を見込んでいます。売上が今後も順調に拡大していけば、来期には黒字転換も十分に期待できます。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、初値から3割程度上昇の2,500円前後まで推移していくものと予想します。






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