タウンズの初値は公開価格を7%下回る、今後の株価展望は?

  • 2024/6/20
  •  

★ 祝 東証スタンダード市場上場 ★
タウンズ
初値:430 円

 きょう東証スタンダード市場に新規上場したタウンズ<197a>は、公開価格と同じ460円のウリ気配でスタートし、その後気配値を切り下げ、9時10分頃に公開価格を30円(-6.5%)下回る430円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗し、一時450円まで買われるも、その後は換金売りに押され、最終的に終値419円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は950万株でした。

タウンズ( 197A )

▌株価情報(2024/06/20 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
419
-2.6
-11
-8.9
-41
始値高値安値出来高
430450405950 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたタウンズですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、タウンズの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値公開価格割れの1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 タウンズの初値は公開価格比で-6.5%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0%未満だった128銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+36.3%、中央値(Me)で+9.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は59.4%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
128
(2012年以降)
59.4
(76件 / 128件)
+36.3
(Me:+9.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
7317 松屋アールアンド2020/4/6+610.2
9553 マイクロアド2022/6/29+390.4
7094 NexTone2020/3/30+371.1
4480 メドレー2019/12/12+271.7

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率


▌医薬品関連の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 タウンズと同じ医薬品関連の銘柄(2012年以降上場の23銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-10.3%、中央値(Me)で-38%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は21.7%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。1年後に最も上昇したのは19年10月上場のセルソース(4880)+297.0%、最も下落したのは13年12月上場のオンコリスバイオファーマ(4588)-75.8%です。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
23
(2012年以降)
21.7
(5件 / 23件)
-10.3
(Me:-38 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4880 セルソース2019/10/28+297.0
4584 ジーンテクノサイ2012/11/30+115.9
4594 グリーンペプタイ2015/10/22+56.5
4597 ソレイジア・ファ2017/3/24+32.0
4593 ヘリオス2015/6/16+19.9

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率


1年後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、今後の株価も難しい展開になりそうですが、公開価格が低い上に初値も公開価格割れとなったことで株価はかなり低い水準のため、セカンダリーで買っても、損失額は限定的です。

 本日発表された今期(24.6)の業績予想は、売上12%増、最終益は82.9%増の5.6億円と前期から大幅な増益見込みです。PERは8倍程度で業種平均12倍(スタンダード・医薬品)と比べても割高感はなく、値下がりリスクは限定的といえます。また、今期の期末配当予想は21.75円(記念配当11.1円含む)で配当利回り5%とかなり魅力的です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、初値から6割程度上昇の700円前後まで上昇していくものと予想します。

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