黒田グループ(287A)のIPO情報と初値予想
- 2024/11/13
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黒田グループ(287A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、黒田グループのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『液晶ディスプレイ用印刷版、自動化設備、樹脂成形金型、HDD用部品、電力・電設資材、アルミダイカスト製品の製造・販売およびプリント回路基板の設計・受託開発。エレクトロニクス業界および自動車業界への電子部品、電気材料などの販売。』となっています。
会社名 | 黒田グループ(287A) |
---|---|
所在地 | 東京都品川区南大井五丁目17番9号 |
設立日 | 2017年10月6日 |
従業員数 | 2,491人 |
業種 | 卸売業 |
【企業サイト】
https://www.kuroda-group.com/hd/
沿革
代表取締役社長執行役員 細川 浩一
黒田電気株式会社は、主に電気材料及び電子部品を取り扱う専門商社として事業をスタートしましたが、1945年の創業から間もなく製造・加工事業も行い、今日の黒田グループの原形となっています。2020年4月1日より、商社、製造の各事業を並列に配置する体制がスタートしました。
財務データ
2024年3月期の事業売上は1,267億円で、構成比はセグメント別に、製造23.5%、商社76.5%となっています。
前期(24.3)はエアコン関連部材や産業機器向け部材の受注が大幅に減少したほか、固定資産及びのれんの減損損失により、前期比で売上は△9%減、最終は4億円で着地しました。
今期(25.3)はアミューズメント用の中小型液晶、FA機器、エアコン等の各種部材の販売が減少するも、前期の減損から回復し、売上は△4%減、最終は37億円を見込んでいます。1株利益は86円、配当は60円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2020/3 | 2021/3 | 2022/3 | 2023/3 | 2024/3 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 0 | 4 | 41 | 1,393 | 1,267 |
経常益 | △5 | △3 | 36 | 41 | 12 |
最終益 | △4 | △3 | 29 | 26 | 4 |
純資産 | 201 | 199 | 228 | 346 | 341 |
総資産 | 790 | 803 | 805 | 1,018 | 983 |
▌セグメント別の売上内訳(2024.3)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している卸売業320社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が1.2%など、かなり低い数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が99%となっており、かなり厳しい状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 983 億円 | 売上高 1,267 億円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は卸売業(320社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は47,841千株で、株式保有割合は、関係会社88.7%、経営陣2.5%、その他8.8%となっています。
株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
ケイエム・ツー・エルピー | 97.09% | 180日 |
細川 浩一(社長) | 0.68% | 継続保有 |
森 安伸 | 0.32% | 継続保有 |
鈴木 秀和 | 0.22% | 継続保有 |
尹 棡洙 | 0.22% | |
小林 郁夫 | 0.22% | |
Cheng Jit Ann | 0.22% | |
執行役員 | 0.22% | |
執行役員 | 0.17% | |
従業員 | 0.17% | |
上記以外 | 0.47% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 47,841千株(2024年11月12日現在)
2.5 % | 88.7 % | 8.8 % | – % |
1,199.2 千株 | 42,450 千株 | 4,192.3 千株 | – 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
今回のIPOでは募集株式の全てが売出し株式で、主に関係会社(親会社)の株式放出によるものです。初値形成にはかなりネガティブといえます。
上場する株式の時価総額は298億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の25.4%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は89.4億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 0 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 0 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 13,970,400 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 12,148,200 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 1,822,200 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 13,970,400 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
298 億円 | – 億円 | 26.1 % | 0 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
2.5 % | 63.3 % | 0.2 % | – % | 25.4 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になる楽天、マネックスも割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券(主幹事) | -% | -株 |
野村證券 | -% | -株 |
大和証券 | -% | -株 |
三菱UFJMS証券 | -% | -株 |
みずほ証券 | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
楽天証券 | -% | -株 |
マネックス証券 | -% | -株 |
合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
CONNECT | 大和 | -株 |
auカブコム証券 | 三菱 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 11月12日(火) |
---|---|
抽選申込期間 | 11月29日(金)~12月4日(水) |
当選発表日 | 12月6日(金) |
購入申込期間 | 12月9日(月)~12月12日(木) |
上場日 | 12月17日(火) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
1117 | 1118 | 1119 | 1120 | 1121 | 1122 | 1123 |
1124 | 1125 | 1126 | 1127 | 1128 | 1129 | 1130 |
121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 |
128 | 129 | 1210 | 1211 | 1212 | 1213 | 1214 |
1215 | 1216 | 1217 | 1218 | 1219 | 1220 | 1221 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
各種生産財の製造・販売事業に特段の新規性はなく、注目度は低いです。ここ数年の売上は微減傾向でやや苦しい状況ですが、利益は安定的に確保しており、収益性は評価できます。
▌需給・価格評価
IPOとしては中大型案件で、株主には安定株主しかおらず、想定価格も低めの設定のため、需給に大きな不安はありません。来期予想によるPERは7.4倍と業種平均10.1倍と比較してやや割安です。また、予想配当利回りは9.4%とかなり高く、配当政策も累進配当としていることから、高配当銘柄としてかなり魅力です。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
6.5 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は卸売業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は卸売業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は卸売業(スタンダード)の単純PER(24.10末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は卸売業(スタンダード)の単純PBR(24.10末時点)。 |
---|---|---|---|---|
89.4 億円 | -9.0 % | 1.2 % | 79.0 倍 | 0.9 倍 |
卸売業 | 7.4 % | 8.0 % | 10.1 倍 | 0.7 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格640円から+110円(+17.2%)高い750円と予想します。なお、AI予測値は746円となっており、これと同程度の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 750円(11/13予想) (+110円 / +17.2%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 640円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年12月に上場したアルファパーチェス(7115)の初値騰落率は-1.3%でした。
今回のIPOと同じ卸売業関連に分類されるIPOは2007年以降47件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は66.0%、初値騰落率の平均は+39.0%(中央値+13.3%)となっています。
また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降147件で、勝率は52.4%、初値騰落率の平均は+14.8%(中央値+1.4%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
アルファパーチェス | -1.3% | 19.6 | 17.0% | 16.7% |
ヤシマキザイ | +13.3% | 11.8 | 3.0% | 4.0% |
オーウエル | +14.0% | 13.1 | 0.5% | 5.0% |
▌卸売業のIPO実績
(製品・食品などの仕入れ・販売など)
卸売業 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2024/11/13 現在)
卸売業の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
7120 SHINKO | 2023/3/22 | +2.3 % |
7115 アルファパーチェス | 2022/12/26 | -1.3 % |
7116 ダイワ通信 | 2022/12/26 | -4.7 % |
7114 フーディソン | 2022/12/16 | ±0.0 % |
7131 のむら産業 | 2021/12/2 | -8.0 % |
卸売業のIPO騰落率分布
▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)
中大型以上 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2024/11/13 現在)
中大型以上の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
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262A インターメス | 2024/10/18 | +25.0 % |
261A 日水コン | 2024/10/16 | -6.2 % |
260A オルツ | 2024/10/11 | +5.6 % |
241A ROXX | 2024/9/25 | -8.0 % |
215A タイミー | 2024/7/26 | +27.6 % |
中大型以上のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)