ジグザグ(340A)のIPO情報と初値予想【仮条件決定】

 ジグザグ(340A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ジグザグのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『海外カスタマー向け購入支援サービス『WorldShopping』および国内ECサイト向け越境EC支援サービス『WorldShoppingBIZ』の提供』となっています。

会社名ジグザグ(340A)
所在地東京都渋谷区桜丘町14番1号
設立日2015年6月24日
従業員数52人
業種情報・通信業

【企業サイト】
ジグザグ公式サイト
https://www.zig-zag.co.jp/

事業解説
 海外カスタマー向けの購入代行サービス「WorldShopping」と国内ECショップ向けに越境EC対応サービス「WorldShoppingBIZ」は、両者が一体となって価値を提供するプラットフォームです。ECショップのサイトにJavaScriptタグを1行追加するだけで必要な機能とオペレーションを一気通貫で提供することで簡単に解決し、導入後最短1日で世界228の国と地域への販売を可能とします。
ジグザグの事業説明
(画像:ジグザグHP

沿革 

ジグザグのトップメッセージ

代表取締役 仲里 一義

 もっと自由に簡単に、”国境を越えて”欲しい人が欲しいモノを買える、売りたい人が売りたいモノを売れる私たちは、『世界中の欲しいに応える、世界中に想いも届ける』サービスで『世界中のワクワクを当たり前に』していきます。

(引用:ジグザグHP
2015年6月
購入代行サービスを目的として、㈱ジグザグを東京都渋谷区神宮前に設立
2016年4月
国内ECサイトと海外カスタマーを繋ぐ越境サービス「Worldshopping.global」をリリース
2017年8月
海外カスタマー向け購入支援サービス「WorldShopping」と、国内ECサイト向け越境EC支援サービス「WorldShoppingBIZ」にリブランディング同時に、ECサイトへの導入を簡素化した「WorldShoppingBIZチェックアウト」をリリース
2018年1月
本社を東京都渋谷区桜丘町へ移転
2018年10月
海外アクセスによる不正決済防止機能「セキュア・ペイメント」をリリース
2019年5月
「カラーミーショップ アプリストア」(※)向けに「WorldShoppingBIZ for カラーミーショップ」を提供開始
2020年3月
Amazon Payと業務提携し、決済手段に「海外版Amazon Pay」を導入
2020年11月
海外カスタマーのアクセス・購入分析を可能にする「ショップダッシュボード」β版提供開始
2022年3月
「WorldShoppingBIZ for Cart」シリーズ発表㈱インターファクトリー、GMOメイクショップ㈱と資本業務提携を実施
2022年4月
㈱コマースOneホールディングスとの資本業務提携を実施
2022年8月
㈱ecbeingと業務提携を実施
2022年10月
㈱Eストアーと業務提携を実施 決済機能にアジア圏向け「Alipay+」を導入
2023年3月
格安国際宅配便サービス 「ECMSスタンダードEXPRESS」を導入
2023年7月
台湾向け後払い決済サービス「AFTEE」を導入
2024年4月
決済機能に「WeChat Pay」「NAVER Pay」を導入
2024年7月
Meta Platforms,Inc.と広告最適化のための越境ECコンバージョンデータ共有スキームを開発

財務データ 

 2024年5月期の事業売上は1,106百万円で、構成比はセグメント別に、越境EC100%となっています。

 前期(24.5)は訪日インバウンド観光客の増加と円安で海外カスタマーから日本への需要が高まる中で、「WorldShoppingBIZ」の月間Activeショップ数が33.1%増になるなど事業拡大が進み、前期比で売上は38%増最終は163百万円で着地しました。

 今期(25.5)は引き続き海外カスタマーから日本商品への需要は高く、それに応えて国内ECサイトの越境ECへの意欲も高まっており、売上は29%増最終は206百万円を見込んでいます。1株利益は105.9円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/52021/52022/52023/52024/5
売上高1374145608021,106
経常益△792△8332178
最終益△804△8748163
純資産94984188252
総資産3384906047181,237
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.5)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業595社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が64.7%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が116.2%となっており、かなり厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 1,237 百万円売上高 1,106 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 20(μ:6.5 Me:8.3
総資本営業利益率 = 17.9(μ:7.1 Me:8.1
自己資本利益率 = 64.7(μ:2.1 Me:9.6
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 116.2(μ:347.4 Me:271.4
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 47.9(μ:69.4 Me:39.4
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 20.3(μ:60.5 Me:64.3
成長性指標
売上高成長率 = 37.9(μ:12.3 Me:8.4

※カッコ内の数値は情報・通信業(595社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は2,287千株で、株式保有割合は、経営陣40.6%その他31.6%ベンチャーキャピタル(VC)27.8%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
MICイノベーション4号LPS27.80%90日/1.5倍
仲里 一義(社長)23.15%180日
仲里 亜美13.12%180日
㈱Zカンパニー10.50%180日
鈴木 賢2.66%180日
木村 寿人2.62%180日
松本 浩介2.41%180日
今西 隆幸2.27%180日
北村 康晃1.93%180日
海老根 智仁1.31%90日/1.5倍
上記以外12.23%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 2,287千株(2025年2月25日現在)

?

40.631.627.8
929.4 千株– 千株721.5 千株635.7 千株
※新株予約権による潜在株式(326.2千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は45.1%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主にベンチャーキャピタル(VC)、その他の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は34.3億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の28.7%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は12.9億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。340,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。340,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。526,400 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。413,400 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。113,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。866,400 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
34.3 億円5.1 億円32.845.1
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

33.521.716.128.7
※新株予約権による潜在株式(326.2千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは大和証券が主幹事となっており、割当株数の14%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
大和証券(主幹事)-%-株
みずほ証券-%-株
SBI証券-%-株
丸三証券-%-株
楽天証券-%-株
松井証券-%-株
マネックス証券-%-株
東海東京証券-%-株
極東証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
CONNECT大和-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

14%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日2月25日(火)
抽選申込期間3月13日(木)~3月19日(水)
当選発表日3月21日(金)
購入申込期間3月24日(月)~3月27日(木)
上場日3月31日(月)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
32333435363738
39310311312313314315
316317318319320321322
323324325326327328329
3303314142434445

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 昨今の円安で越境ECに対する需要は年々高まっており、注目度は高いといえます。ここ数年で売上は順調に伸びており、利益も安定的に確保していることから、成長性と収益性は十分評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、筆頭株主にVCが入っているもののロックアップは設定されており、需給に大きな不安はありません。公募比率が低いのはマイナスですが、今期利益予想に基づくPERは14倍とかなり割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 9.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.1末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.1末時点)。
12.9 億円37.964.717.93.9
情報・通信8.49.672.23.6
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,490円から+510円(+34.2%)高い2,000円と予想します。なお、AI予測値は2,805円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
2,000円(2/26予想)
+510円 / +34.2%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,490円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。1,470円 ~ 1,500円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。未発表
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
/

▌AIの予測値(2/26更新)

AI予測2,805円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+34.2+88.3+77.9+68.3
(想定価格比)(想定価格比)情報・通信中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では20年6月に上場したコマースOneホールディングス(4496)の初値騰落率は+335.6%でした。

 今回のIPOと同じ情報・通信業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降65件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は83.1%、初値騰落率の平均は+77.9%(中央値+53.3%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降228件で、勝率は88.6%、初値騰落率の平均は+68.3%(中央値+51.1%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
コマースワン+335.6%7.817.2%23.1%

▌情報・通信業(その他)のIPO実績
(情報・通信業のうち他に分類されないもの)

情報・通信勝率平均騰落率
65
(2007年以降)
83.1
(54件 / 65件)
+77.9
(Me:+53.3 %)

(2025/2/26 現在)

情報・通信業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
323A フライヤー2025/2/20+73.2
290A Syns2024/12/19+53.3
281A インフォメティス2024/12/9-8.1
248A キッズスター2024/9/26-13.7
184A 学びエイド2024/5/28+32.2

情報・通信のIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
228
(2016年以降)
88.6
(202件 / 228件)
+68.3
(Me:+51.1 %)

(2025/2/26 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
324A ブッキングR2025/2/21+25.0
302A ビースタイルHD2024/12/27+60.6
298A GVATECH2024/12/26+1.4
300A MIC2024/12/25±0.0
296A 令和AH2024/12/23+44.7

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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