エブリー(607A)のIPO情報と初値予想

 エブリー(607A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、エブリーのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『動画メディアをはじめとする各種メディアの運営、及び、それらプラットフォームを通じた広告ソリューションの提供』となっています。

会社名エブリー(607A)
所在地東京都港区六本木三丁目2番1号
設立日2015年9月1日
従業員数174人
業種サービス業

【企業サイト】
エブリー公式サイト
https://corp.every.tv/

事業解説
 主力メディアの「デリッシュキッチン」は、管理栄養士監修のレシピを累計で57,000本以上公開し、月間利用者数は3,100万超の国内最大級のレシピ動画メディアです。また、レシピ内で食品メーカーの商品を紹介し、スーパーの特売情報やクーポン、献立提案などを組み合わせることで、料理から買い物までをサポート。そのため、メディア企業というよりは、生活者データを活用して食品メーカーや小売企業の販促・DXを支援するマーケティングテクノロジー企業として評価するほうが、事業の実態に近いといえます。
エブリーの事業説明
(画像:エブリーHP

沿革 

エブリーのトップメッセージ

代表取締役社長 吉田 大成

 創業者の吉田大成(現社長)は、拡大が見込まれる動画市場において、単なる娯楽に終わらない、人々のライフスタイルを豊かにするようなコンテンツをユーザーへ提供し、新たなトレンドを国内外に発信することを目的として2015年9月に当社を設立しました。

(引用:エブリーHP
2015年09月
東京都渋谷区神宮前四丁目において当社を設立
2015年09月
レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」を開始
2015年09月
ライフスタイル動画メディア「KALOS」を開始
2016年02月
ファミリー向け動画メディア「MAMADAYS」を開始
2016年03月
ニュース&エンタメ動画メディア「TIMELINE」を開始
2016年12月
「DELISH KITCHEN」のアプリリリース
2017年02月
本社を東京都港区六本木七丁目に移転
2017年12月
「DELISH KITCHEN」がGoogle Play 「ベスト オブ 2017」に入賞
2017年12月
Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2017を受賞
2018年01月
「DELISH KITCHEN」がApp Annie「2017 Top Publisher Awards」を受賞
2018年03月
KDDI㈱と業務提携に関する契約を締結
2018年08月
ライブコマースプラットフォーム「CHECK」のサービス開始及びアプリリリース
2018年10月
本社を東京都港区六本木三丁目に移転
2019年07月
伊藤忠食品㈱と業務提携に関する契約を締結
2019年10月
「MAMADAYS」のアプリリリース
2020年02月
ライブコマースプラットフォーム「CHECK」をauコマース&ライフ㈱の運営するau PAY マーケットのライブコマース機能に統合
2020年07月
他メディアへ経営資源を集中するため「KALOS」をクローズ
2022年07月
加藤産業㈱と業務提携に関する基本合意書を締結
2023年08月
「MAMADAYS」を「トモニテ」に名称変更
2023年08月
小売向け統合ソリューション「retail HUB」をリリース
2023年09月
セイノーホールディングス㈱の子会社である㈱ベクトルワン(現 セイノーラストワンマイル㈱)より小売向けネットスーパーシステム提供事業を譲受
2024年05月
ピーシーフェーズ㈱より小売向けアプリシステム提供事業を譲受
2024年11月
店頭販促サポートの取り組みにおいて、小売店舗内の店頭デジタルサイネージの設置台数が全国1万台を突破
2024年12月
「DELISH KITCHEN」を「デリッシュキッチン」に名称変更

財務データ 

 2025年6月期の事業売上は4,251百万円で、構成比はサービス別に、マーケティング74%コンシューマー10.3%その他15.8%となっています。

 前期(25.6)は新規ユーザーの獲得及びユーザーアクティビティの活性化や広告ソリューションの販売強化に取り組み、前期比で売上は27%増最終は△33百万円で着地しました。

 今期(26.6)は顧客数の増加や広告主への提供価値の向上による顧客単価の増加に伴う売上成長を見込み、売上は18%増最終は331百万円を見込んでいます。1株利益は16.88円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2021/62022/62023/62024/62025/6
売上高2,0932,4252,5803,3604,251
経常益△1,372△1,004△544△644△30
最終益△1,396△1,057△555△771△33
純資産1,2992422,0921,3211,288
総資産2,3461,1862,9462,4752,446
※単位は百万円、単体決算

▌サービス別の売上内訳(2025.6)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業543社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が274.1%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 2,446 百万円売上高 4,251 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = -0.6(μ:6.6 Me:6.3
総資本営業利益率 = -1(μ:6.1 Me:6.4
自己資本利益率 = -2.6(μ:2.9 Me:9.6
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 274.1(μ:269.6 Me:201
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 7.6(μ:104.6 Me:62.6
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 52.7(μ:52.4 Me:51.7
成長性指標
売上高成長率 = 26.5(μ:11.2 Me:8

※カッコ内の数値はサービス業(543社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は21,553千株で、株式保有割合は、その他48.4%ベンチャーキャピタル(VC)28.3%経営陣23.3%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
吉田 大成(社長)21.49%180日
KDDI㈱13.09%180日
伊藤忠食品㈱10.91%180日
加藤産業㈱10.91%180日
WiL Fund II, L.P.7.13%90日/1.5倍
DCM Ventures China Fund (DCM VIII), L.P.6.78%90日/1.5倍
グロービス5号ファンドLPS4.15%90日/1.5倍
DBJキャピタルLPS2.69%90日/1.5倍
菅原 千遥1.77%180日
Globis Fund Ⅴ, L.P.1.77%90日/1.5倍
上記以外19.31%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 21,553千株(2026年6月30日現在)

?

23.348.428.3
5,014 千株– 千株10,437.4 千株6,101.4 千株
※新株予約権による潜在株式(1,920千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は18.7%と低く、売出される株式は、主にベンチャーキャピタル(VC)、その他(KDDI、味の素など)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は47.7億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の26.1%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は15.7億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。1,105,300 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。1,105,300 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。5,703,100 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。4,815,100 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。888,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。6,808,400 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
47.7 億円2.5 億円28.518.7
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

22.135.616.226.1
※新株予約権による潜在株式(1,920千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になるマネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
SMBC日興証券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
マネックス証券-%-株
松井証券-%-株
丸三証券-%-株
合計100%-株

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

10%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日6月30日(火)
抽選申込期間7月17日(金)~7月24日(金)
当選発表日7月27日(月)
購入申込期間7月28日(火)~7月31日(金)
上場日8月4日(火)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
7576777879710711
712713714715716717718
719720721722723724725
72672772872973073181
82838485868788

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 単なる情報メディアではなく、「生活者データを活用して食品メーカー・小売企業の販売を支援するデータプラットフォーム」には新規性があり、注目度は高いです。今期(26.6)は先行投資が続いていた状況から黒字化を達成する見通しとなっており、安定したユーザー基盤と収益性の改善が進んでいます。今後は、豊富なユーザーデータを活用した広告・マーケティング支援や、小売事業者向けDXサービスの拡大が成長ドライバーとして期待できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中大型案件で、株主には大手事業会社や複数のVCが入っていますが、ロックアップは入っており、想定価格もかなり低めのため、需給に不安はありません。公募比率が低いのはマイナス材料です。今期(26.6)利益予想によるPERは7.3倍と業種平均21.8倍(サービス・グロース)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは一定程度の初値上昇が期待できるため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(26.4末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(26.4末時点)。
15.7 億円26.5-2.63.2
サービス業8.09.621.82.2
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格230円から+120円(+52.2%)高い350円と予想します。なお、AI予測値は432円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
350円(7/1予想)
+120円 / +52.2%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。230円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(7/1計算)

AI予測432円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+52.2+87.8+43.3+69.1
(想定価格比)(想定価格比)サービス業中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年12月に上場したdely(299A)の初値騰落率は-16.6%でした。

 今回のIPOと同じサービス業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降137件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は74.5%、初値騰落率の平均は+43.3%(中央値+27.9%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2017年以降217件で、勝率は89.4%、初値騰落率の平均は+69.1%(中央値+51.9%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
dely-16.6%169.941.9%16.6%
ロコガイド+130.3%46.6101.4%46.3%
クックパッド+101.1%27.860.1%40.2%

▌サービス業(その他)のIPO実績
(サービス業のうち他に分類されない企業など)

サービス業勝率平均騰落率
137
(2007年以降)
74.5
(102件 / 137件)
+43.3
(Me:+27.9 %)

(2026/7/1 現在)

サービス業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
378A ヒット2025/7/4+44.4
372A レント2025/6/30+32.3
369A エータイ2025/6/26+68.7
366A ウェルネスC2025/6/23+33.1
353A A-エレコミ2025/4/25+29.4

サービス業のIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
217
(2017年以降)
89.4
(194件 / 217件)
+69.1
(Me:+51.9 %)

(2026/7/1 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
589A ネイス2026/6/30+11.8
584A LiNKX2026/6/23+36.1
559A 梅乃宿酒造2026/4/24+50.0
549A ヒトトヒトHD2026/4/7-1.9
548A システムエグゼ2026/4/6+11.7

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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