伊澤タオルの初値は公開価格を2%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/6/20
  •  
伊澤タオル上場

★ 祝 東証スタンダード市場上場 ★
伊澤タオル
初値:765 円

 きょう東証スタンダード市場に新規上場した伊澤タオル<365A>は、公開価格と同じ750円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時0分頃に公開価格を15円(+2%)上回る765円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗するも、その後は順調に買いを集め、売りをこなしつつ株価は緩やかに上昇し、引けに掛けて一気に買いが集まり、最終的に終値824円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は933万株でした。

伊澤タオル( 365A )

▌株価情報(2025/06/20 15:30)

現在値(終値)初値比公開価格比
824
+7.7
+59
+9.9
+74
始値高値安値出来高
765834745933 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たした伊澤タオルですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、伊澤タオルの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値小幅上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0~10%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 伊澤タオルの初値は公開価格比で+2%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0~10%未満だった103銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+20.7%、中央値(Me)で+7%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は51.5%と、セカンダリーでは比較的良好なパフォーマンスといえます。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
118
(2012年以降)
51.5
(68件 / 118件)
+20.7
(Me:+7 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4894 クオリプス2023/6/27+497.5
7164 全国保証2012/12/19+280.2
6526 ソシオネクスト2022/10/12+259.3
3465 ケイアイスター不2015/12/24+167.8
6539 MS-Japan2016/12/15+142.5

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌素材・資材関連の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 伊澤タオルと同じ素材・資材関連の銘柄(2012年以降上場の65銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+18.1%、中央値(Me)で+0.5%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は50.8%と、セカンダリーでは比較的良好なパフォーマンスといえます。1年後に最も上昇したのは15年12月上場のインベスターズクラウド(1435)+166.4%、最も下落したのは13年6月上場のリプロセル(4978)-74.1%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
73
(2012年以降)
50.8
(41件 / 73件)
+18.1
(Me:+0.5 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
1435 インベスターズク2015/12/3+166.4
7940 ウェーブロックホ2017/4/10+141.0
4934 プレミアアンチエ2020/10/28+139.4
1449 FUJIジャパン2018/12/13+134.4
4248 竹本容器2014/12/17+126.5

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、比較的良好なパフォーマンスが期待できそうです。

 なお、初値(765円)は当サイトの予想(900円)を下回り、想定より買い需要が弱い結果となりました。また、AIの予測値は1,095円でした。初値寄り付き後は小幅な値動きで一進一退の展開が続いたものの、引けに掛けて一気に値を上げたことで、しばらくは買い需要の強い展開が続きそうです。

 今期(26.2)の業績予想は、前期比で売上高は+10.8%の10,884百万円、最終損益は-13.7%の499百万円となっています。直近では、日用品向けの低価格タオルの取り扱い増加で、売上は緩やかに上昇しているものの、仕入れ原価も上昇しており、今後の収益拡大にはやや不安があります。ただ、初値ベースで配当利回りは4.6%と比較的好利回りのため、今後も一定程度の買いは集まりそうです。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率 +2 %

+20.0+46.0+0.0+0.0
(公開価格比)(公開価格比)

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER15.3倍と業種平均14.1倍(繊維製品/スタンダード)と比べてほぼ同水準です。また、配当利回りは4.6%です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、1,000~1,500円前後で推移していくものと予想します。







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