ライオン事務の初値は公開価格を76%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/10/15
  •  
ライオン事務器上場

★ 祝 東証スタンダード市場上場 ★
ライオン事務器
初値:374 円

 きょう東証スタンダード市場に新規上場したライオン事務器<423A>は、公開価格と同じ213円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、12時30分頃に公開価格を161円(+75.6%)上回る374円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から買いが集まり、一時売り買い拮抗する場面が見られるも買い需要は強く、一気にストップ高の454円まで上昇すると、そのまま上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は2,820万株でした。

ライオン事務( 423A )

▌株価情報(2025/10/15 15:30)

現在値(終値)初値比公開価格比
454
+21.4
+80
+113.1
+241
始値高値安値出来高
3744543552,820 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたライオン事務器ですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、ライオン事務器の今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値大幅上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で50~100%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。

 ライオン事務器の初値は公開価格比で+75.6%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で50~100%未満だった166銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+11.8%、中央値(Me)で-24.9%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は35.5%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
166
(2012年以降)
35.5
(59件 / 166件)
+11.8
(Me:-24.9 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
3668 コロプラ2012/12/13+820.2
6544 ジャパンエレベー2017/3/17+396.2
9552 M&A総合研究所2022/6/28+373.4
4485 JTOWER2019/12/18+261.9
6029 アトラ2014/12/16+252.1

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌卸売業の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 ライオン事務器と同じ卸売業の銘柄(2012年以降上場の33銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+4.7%、中央値(Me)で-7.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は39.4%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは16年6月上場の農業総合研究所(3541)+146.7%、最も下落したのは21年6月上場のオムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)-62.8%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
33
(2012年以降)
39.4
(13件 / 33件)
+4.7
(Me:-7.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
3541 農業総合研究所2016/6/16+146.7
7685 BuySell Technolo2019/12/18+114.6
3176 三洋貿易2012/10/23+96.1
9264 ポエック2017/11/28+70.9
3419 アートグリーン2015/12/18+64.4

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、やや苦しいパフォーマンスとなる可能性があります。

 なお、初値(374円)は当サイトの予想(280円)を上回り、想定より買い需要が強い結果となりました。また、AIの予測値は299円でした。初値寄り付き直後から買われ、売りをこなしつつストップ高まで上昇し、そのまま終えたことから、短期的には買い優勢の展開が続きそうです。

 今期(25.9)の業績予想は、前期比で売上高は+4.8%の366億円、最終損益は+7.1%の8億円となっています。事業としてはオフィス事務用品の販売や学校などへのICT機器導入が主力事業となるため、収益基盤は安定しているものの事業拡大という部分では難しい面があります。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率 +75.6 %

+31.5+40.4+38.8+67.6
(公開価格比)(公開価格比)卸売業中小型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER13.7倍と業種平均12.3倍(卸売業/スタンダード)と比べてほぼ同水準です。また、配当利回りは1.3%です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、300~500円前後で推移していくものと予想します。







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