ククレブ・アドバイザーズ(276A)のIPO情報と初値予想【初値決定】

 ククレブ・アドバイザーズ(276A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ククレブ・アドバイザーズのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『AIを活用したCRE(企業不動産)に関するソリューションの提供および不動産テックシステムの開発・販売』となっています。

会社名ククレブ・アドバイザーズ(276A)
所在地東京都千代田区内神田一丁目14番8号KANDASQUAREGATE
設立日2019年7月4日
従業員数12人
業種不動産業

【企業サイト】

https://ccreb.jp/

事業解説
 CREソリューションビジネスとして、自社開発の不動産テックシステムを自ら活用し、不動産投資、不動産売買・賃貸仲介、コンサルティング、プロジェクトマネジメント等の事業を提供しています。また、不動産テックビジネスでは、CRE営業支援システムや事業用不動産マッチングシステムなど、不動産業界における取引を効率化するサービスを、サブスクリプションサービスとして提供しています。

沿革 

ククレブ・アドバイザーズのトップメッセージ

代表取締役社長 宮寺 之裕

 当社は、2019年に創業したまだまだ若い会社です。会社自体はまだまだ若いですが、主要メンバーは、長年、企業不動産(CRE)に対するソリューションを経験しており、単純な不動産投資のみならず、企業が持つ細かい課題(悩み)をデジタルの力で解決することを得意としております。

(引用:ククレブ・アドバイザーズHP
2019年7月
東京都千代田区二番町において不動産テックシステムを活用した企業不動産(CRE:Corporate Real Estate)へのソリューションサービスの提供を目的として、ククレブ・アドバイザーズ㈱(資本金5,000千円)を設立
2019年10月
資本金を30,000千円に増資
2019年10月
宅地建物取引業免許取得
2020年2月
CRE営業支援システム「CCReBAI(ククレブエーアイ)」を提供開始
2020年4月
資本金を100,000千円に増資
2020年5月
一般不動産投資顧問業登録
2020年9月
本社を東京都千代田区神田神保町へ移転
2020年10月
工場、物流倉庫、研究所等の事業用不動産マッチングシステム「CCReBCREMa(ククレブクレマ)」を提供開始
2021年6月
第二種金融商品取引業、投資助言・代理業登録
2021年7月
企業の経営情報を解析し、不動産取引などの動向予測、営業支援のためのプログラムとして「CCReB AI」における特許取得(特許第6908308号)
2021年9月
本社を東京都千代田区内神田へ移転
2021年10月
データマーケティング並びに不動産テックシステムの企画、開発を担うことを目的として、子会社「ククレブ・マーケティング㈱」を設立
2021年12月
資本金を200,000千円に増資
2022年3月
BtoBポータルサイト「CCReBGATEWAY(ククレブゲートウェイ)」を提供開始
2023年2月
事業用不動産の保有を目的とした子会社「各務原プロパティ㈱」を設立
2023年9月
事業用不動産マッチングシステム「CCReBMB(ククレブマッチングボックス)」を提供開始
2024年2月
企業の経営情報から不動産情報などをキーワードで分析する情報分析プログラムとして「CCReB GATEWAY」における特許取得(特許第7432980号)

財務データ 

 2023年8月期の事業売上は704百万円で、構成比はサービス別に、CREソリューション80.7%不動産テック19.3%となっています。

 前期(23.8)は新たにCRE戦略のアドバイザリー業務、物流施設の開発マネジメントに関する業務を受注したほか、不動産テックでも新たなサブスクサービスを開始したことで、前期比で売上は36%増最終は163百万円で着地しました。

 今期(24.8)は不動産賃貸や不動産仲介事業が伸長し、売上は80%増最終は288百万円を見込んでいます。1株利益は84.29円配当は17円予想としています。

 なお、来期(25.8)は売上41.2%増、最終益は18%増の3.4億円(EPS:87.1円)の予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2019/82020/82021/82022/82023/8
売上高0112418516704
経常益△246162147235
最終益△23010299163
純資産8229321574716
総資産142535096581,010
※単位は百万円、22.8から連結決算

▌サービス別の売上内訳(2023.8)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している不動産業140社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が33.1%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、自己資本比率が70.9%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 1,010 百万円売上高 704 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 33.1(μ:9.7 Me:9.5
総資本営業利益率 = 23.1(μ:6 Me:5.5
自己資本利益率 = 22.8(μ:12.6 Me:10.2
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 240.6(μ:332.2 Me:250.3
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 43.3(μ:93.9 Me:53.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 70.9(μ:39.1 Me:33.5
成長性指標
売上高成長率 = 36.4(μ:12.6 Me:8.2

※カッコ内の数値は不動産業(140社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は3,810千株で、株式保有割合は、経営陣52.2%その他27.2%関係会社20.6%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
宮寺 之裕(社長)49.56%180日
㈱フィールド・パートナーズ20.80%180日
コタエル信託㈱9.19%継続保有
エムエル・エステート㈱4.82%180日
合同会社ステルラ4.24%180日
㈱シーアールイー2.39%180日
合同会社ティー・エム・ティー2.05%180日
白土 秀樹1.30%180日
東金 陽子1.06%180日
鏑木 範久1.06%180日
上記以外3.53%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 3,810千株(2024年10月24日現在)

?

52.220.627.2
1,987.9 千株784.1 千株1,037.9 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(346.3千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は50.9%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に関係会社の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は43.1億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の27.2%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は14.6億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。640,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。640,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。752,500 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。570,900 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。181,600 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。1,392,500 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
43.1 億円6.7 億円29.552.9
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

42.49.120.427.2
※新株予約権による潜在株式(346.3千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
みずほ証券(主幹事)93.92%1,307,900株
楽天証券4.34%60,500株
水戸証券1.30%18,100株
極東証券0.43%6,000株
合計100%1,392,500株

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人9,338本
抽選1,007
裁量8,331
90%
個人545本
抽選545
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日10月24日(木)
抽選申込期間11月12日(火)~11月18日(月)
当選発表日11月19日(火)
購入申込期間11月20日(水)~11月25日(月)
上場日11月28日(木)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
113114115116117118119
1110111111121113111411151116
1117111811191120112111221123
1124112511261127112811291130
121122123124125126127

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 企業不動産に関するソリューション事業に特段の新規性はないものの、AI関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度はまずまずです。売上・利益ともに直近で急激に伸ばしており、今後も拡大見込みのため、成長性及び収益性は十分に評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主には安定株主しかいないため、需給面は良好です。来期予想によるPERは12倍と業種平均15.1倍(不動産・グロース)と比較してやや割安です。なお、配当予想は未定となっています。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

  供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。  成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は不動産業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は不動産業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は不動産業(グロース)の単純PER(24.9末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は不動産業(グロース)の単純PBR(24.9末時点)。
14.6 億円36.422.826.43.3
不動産業8.210.215.12.1
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格950円から+350円(+36.8%)高い1,300円と予想します。なお、AI予測値は1,471円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(公開価格比)
1,300円(11/22予想)
+350円 / +36.8%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,050円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。890円 ~ 950円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。950円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
1,250円
+300円 / +31.6%

▌AIの予測値(11/22更新)

1,471円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+36.8+54.8+55.9+69.5
(公開価格比)(公開価格比)不動産中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では23年6月に上場したエリッツホールディングス(5533)の初値騰落率は+26.6%でした。

 今回のIPOと同じ不動産業関連に分類されるIPOは2007年以降74件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は73.0%、初値騰落率の平均は+55.9%(中央値+27.0%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降221件で、勝率は88.7%、初値騰落率の平均は+69.5%(中央値+52.5%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
エリッツHD+26.6%5.06.5%12.6%

▌不動産業のIPO実績
(不動産の販売・仲介・賃貸管理事業など)

不動産勝率平均騰落率
74
(2007年以降)
73.0
(54件 / 74件)
+55.9
(Me:+27.0 %)

(2024/10/31 現在)

不動産業の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
146A コロンビアW2024/3/27+13.5
5533 エリッツHD2023/6/27+26.6
5532 リアルゲイト2023/6/22+112.8
5530 日本システムバンク2023/4/14-9.6
5527 プロパテクノ2022/12/13+34.9

不動産のIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
221
(2016年以降)
88.7
(196件 / 221件)
+69.5
(Me:+52.5 %)

(2024/10/31 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
245A INGS2024/9/26+39.2
244A グロースエクスパ2024/9/26+20.3
220A ファベル2024/7/31+19.0
218A リベラウェア2024/7/29+46.5
211A カドス2024/7/18+10.7

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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