IPO初値予想:サイフューズ(4892)
- 2022/11/26
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サイフューズ(4892)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、サイフューズのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
1企業の基本情報
企業概要
会社名 | サイフューズ(4892) |
---|---|
所在地 | 東京都港区三田三丁目5番27号住友不動産三田ツイン |
従業員数 | 21人 |
業種 | 医薬品 |
事業概要 | バイオ3Dプリンタを用いた、再生医療等製品の開発・製造・販売 |
【企業サイト】
https://www.cyfusebio.com/
事業メモ
独自技術の「バイオ3Dプリンティング」では、「スフェロイド」と呼ばれる細胞塊を専用のソフトウェアで読み込んだ3Dデザイン通りに多層に積み立てていくことで、研究用細胞や移植用途や研究用途で用いることのできる機能を備えた組織・臓器(3D細胞製品)として完成させ、各種製品として販売する。また、バイオ3Dプリンタ及び消耗品等の販売も行う。
沿革
代表取締役 秋枝 静香
サイフューズは、2010年の創業以来「細胞だけで」立体的な組織・臓器を作製し、再生医療・創薬分野をはじめとする医療分野において、社会貢献することをミッションとして事業を進めて参りました。
2010年8月
東京都新宿区に㈱サイフューズを設立
2010年9月
骨軟骨再生の細胞製品開発プロジェクトが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の委託事業(橋渡し推進技術開発)に採択
2011年4月
本店を東京都新宿区から東京都千代田区へ移転
2011年11月
立体組織再生に関する基本特許(三次元細胞積層技術)に関し、国立大学法人九州大学と独占ライセンス契約を締結
2012年12月
細胞版の3Dプリンタ(バイオ3Dプリンタ)「RegenovaR(レジェノバ)」の販売開始
2013年4月
本店を東京都文京区へ移転。東京大学アントレプレナープラザ内に「東京ラボ」を開設。
2014年4月
NEDOの委託事業(橋渡し推進技術開発)(2015年から国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)の委託事業に移行)「立体造形による機能的な生体組織製造技術の開発/細胞を用いた機能的な立体組織作成技術の研究開発」(代表:佐賀大学)に採択
2014年4月
NEDO(2015年からAMED委託事業に移行)の委託事業「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発」(代表:京都大学)に採択
2015年5月
ベンチャー起業への国際的表彰「アジア・アントレプレナーシップ・アワード2015」((主催:アジア・アントレプレナーシップ・アワード運営委員会、共催:三井不動産㈱、国立大学法人東京大学産学協創推進本部、一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ、一般社団法人日本ベンチャー学会、独立行政法人日本貿易振興機構))にて事業の革新性や事業の実行力に対する評価を受け、優勝
2015年9月
北米でバイオ3Dプリンタ「RegenovaR(製品名:レジェノバ)」の販売開始
2017年6月
AMEDの委託事業「革新的医療技術創出拠点プロジェクト/HDMAC技術応用による変形性膝関節症における広範囲骨軟骨再生」(代表:九州大学)に採択
2017年7月
AMEDの委託事業「革新的医療シーズ実用化研究事業/バイオ3D プリンタにより作製した三次元神経導管(Bio 3D Conduit)を用いた革新的末梢神経再生法の臨床開発」(代表:京都大学)へ参画
2017年8月
「大学発ベンチャー表彰2017」(主催:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))にて優れた大学発ベンチャーとしての評価を受け、「科学技術振興機構理事長賞」を受賞
2017年8月
「第15回産学官連携功労者表彰」(主催:内閣府、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、一般社団法人日本経済団体連合会、日本学術会議)にて産学官連携活動の推進に多大な貢献をした優れた企業としての評価を受け、「日本学術会議会長賞」を受賞
2017年10月
富士フイルム㈱と血管再生の細胞製品開発に関する業務提携
2018年8月
積水化学工業㈱と肝臓構造体の細胞製品開発に関する業務資本提携
2018年10月
肝臓構造体の細胞製品開発プロジェクトが、NEDO公募事業「研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップに対する事業化支援」に採択
2019年1月
新型のバイオ3Dプリンタ「S-PIKER(製品名:スパイク)」の販売開始
2019年2月
「Japan Venture Award 2019」(主催:独立行政法人中小企業基盤整備機構)にて革新的かつ潜在成長力の高い事業や、社会的課題の解決に資する事業を行う、志の高いベンチャー企業の経営者としての評価を受け、「中小機構理事長賞」を受賞
2019年2月
太陽ホールディングス㈱と再生・細胞医療分野における再生医療等製品の製品製造に関する資本業務提携
2019年5月
東京都の「TOKYO働き方改革宣言企業」に認定
2019年6月
経済産業省のスタートアップ支援プログラム「J-Startup」企業に選定
2019年7月
本店を東京都文京区へ移転
2019年11月
AMEDの委託事業「バイオ3Dプリンタを用いて造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床研究」(代表:佐賀大学)へ参画
2020年5月
AMEDの委託事業「末梢神経損傷を対象とした三次元神経導管移植による安全性と有効性を検討する医師主導治験」(代表:京都大学)へ参画
2020年6月
岩谷産業㈱と再生・細胞医療分野における技術開発に関する業務資本提携
2020年10月
太陽ホールディングス㈱と再生・細胞医療分野における包括的パートナーシップ締結
2020年11月
京都大学医学部附属病院とバイオ3Dプリンタを用いた末梢神経損傷に対する三次元神経導管の医師主導治験を開始
2020年12月
藤森工業㈱と再生・細胞医療分野における技術開発に関する業務資本提携
2021年12月
㈱メディパルホールディングスと再生・細胞医療分野における再生医療等製品の安定流通に関する開発投資契約締結
2022年4月
本店及び東京ラボを東京都港区へ移転
財務データ
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2017/12 | 2018/12 | 2019/12 | 2020/12 | 2021/12 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 79 | 26 | 122 | 137 | 708 |
経常益 | △356 | △384 | △369 | △327 | 145 |
最終益 | △398 | △386 | △372 | △330 | 143 |
純資産 | 1,470 | 1,483 | 1,779 | 1,549 | 1,900 |
総資産 | 1,978 | 1,750 | 2,038 | 2,196 | 2,646 |
※単位は百万円、単体決算
▌販売分野別の売上内訳(2021.12)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。
株主の状況
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
SBI Ventures Two㈱ | 7.23% | 180日 |
秋枝 静香(社長) | 6.78% | 180日 |
富士フイルム㈱ | 6.39% | 180日 |
ニッセイ・キャピタル7号LPS | 5.60% | 90日/1.5倍 |
三條 真弘 | 5.09% | 180日 |
積水化学工業㈱ | 5.01% | 180日 |
CYBERDYNE㈱ | 4.71% | 180日 |
中山 功一 | 3.75% | 180日 |
三菱UFJキャピタル4号LPS | 3.71% | 90日/1.5倍 |
㈱新生銀行 | 3.29% | 180日 |
上記以外 | 48.44% |
(LPS:投資事業有限責任組合)
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数:6,780 千株(2022年10月27日現在)
12.6 % | – % | 46.3 % | 41.1 % |
855 千株 | – 千株 | 3,137.5 千株 | 2,787.5 千株 |
※新株予約権による潜在株式(862千株)を含む。
2IPOの基本情報
スケジュール
上場承認日 | 10月27日(木) |
---|---|
抽選申込期間 | 11月15日(火)~11月21日(月) |
当選発表日 | 11月22日(火) |
購入申込期間 | 11月24日(木)~11月29日(火) |
上場日 | 12月1日(木) |
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
116 | 117 | 118 | 119 | 1110 | 1111 | 1112 |
1113 | 1114 | 1115 | 1116 | 1117 | 1118 | 1119 |
1120 | 1121 | 1122 | 1123 | 1124 | 1125 | 1126 |
1127 | 1128 | 1129 | 1130 | 121 | 122 | 123 |
124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 1210 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
公開株数
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 1,250,000 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 1,250,000 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 508,600 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 279,300 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 229,300 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 1,758,600 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
125.1 億円 | 21.8 億円 | 21.3 % | 81.7 % |
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。
▌上場後の株式総数と株主構成
9.3 % | – % | 38.0 % | 33.6 % | 19.0 % |
※新株予約権による潜在株式(862千株)を含む。
幹事証券と抽選本数
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SBI証券(主幹事) | 86.98% | 1,529,600株 |
岡三証券 | 9.56% | 168,200株 |
SMBC日興証券 | 0.86% | 15,200株 |
三菱UFJMS証券 | 0.86% | 15,200株 |
楽天証券 | 0.86% | 15,200株 |
アイザワ証券 | 0.22% | 3,800株 |
東洋証券 | 0.22% | 3,800株 |
松井証券 | 0.22% | 3,800株 |
水戸証券 | 0.22% | 3,800株 |
合計 | 100% | 1,758,600株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
SBIネオトレード証券 | SBI | 500株 |
岡三オンライン | 岡三 | 2,000株 |
auカブコム証券 | 三菱 | 800株 |
※取扱株数は過去実績を元に推定。
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
37%
個人 | 11,166本 |
---|---|
抽選 | 5,583本 |
裁量 | 5,583本 |
8%
個人 | 1,346本 |
---|---|
抽選 | 135本 |
裁量 | 1,211本 |
9%
個人 | 129本 |
---|---|
抽選 | 14本 |
裁量 | 115本 |
9%
個人 | 122本 |
---|---|
抽選 | 13本 |
裁量 | 109本 |
100%
個人 | 152本 |
---|---|
抽選 | 152本 |
裁量 | –本 |
100%
個人 | 38本 |
---|---|
抽選 | 38本 |
裁量 | –本 |
100%
個人 | 5本 |
---|---|
抽選 | 5本 |
裁量 | –本 |
100%
個人 | 20本 |
---|---|
抽選 | 20本 |
裁量 | –本 |
100%
個人 | 8本 |
---|---|
抽選 | 8本 |
裁量 | –本 |
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。
RatingIPOの評価と初値予想
期待度 | 評価点 |
---|---|
7.5 /15点 |
※★4以上 積極参加 ★2~3 参加 ★1 不参加
▌注目度・業績評価
バイオベンチャー関連のIPOは人気が集まりにくいものの、バイオ3Dプリンタ技術には新規性があり、注目度はまずまず。前期(21.12)は再生医療領域での各種受託や一時収益の増加、バイオ3Dプリンタ類の受注増により、前期比で売上は5倍超、最終益は前期3.3億円の赤字から一転1.4億円の黒字で着地。今期(22.12)の2Q累計は、売上順調も本社移転費用等の特別損失により、最終益は1.1億円の赤字で推移。
▌需給・価格評価
市場への供給額は30億円の中型案件で、株主の大部分がVCに占められており、ロックアップは入っているものの初値上昇は厳しめ。
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は医薬品(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は医薬品(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は医薬品(グロース)の単純PER(22.10末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は医薬品(グロース)の単純PBR(22.10末時点)。 |
---|---|---|---|---|
30.7 億円 | 416.8 % | 7.5 % | 87.7 倍 | 3.2 倍 |
医薬品 | 3.5 % | 3.3 % | - 倍 | 3.8 倍 |
---|
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
初値予想と結果
初値予想 (想定価格比) | 2,200円(11/9予想) (+455円 / +26.1%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 1,745円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | 1,470円 ~ 1,620円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | 1,620円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | 1,720円 (+100円 / +6.2%) |
過去のIPO実績
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
ペルセウス | +15.5% | 33.0 | -68.6% | -173.3% |
ファンペップ | +10.0% | 25.8 | -15.4% | -25.2% |
▌医薬品関連のIPO実績
(バイオベンチャー企業など)
医薬品 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
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(2022/11/9 現在)
医薬品関連の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
4890 坪田ラボ | 2022/6/23 | -1.1 % |
4889 レナサイエン | 2021/9/24 | +45.7 % |
4882 ペルセウス | 2021/6/22 | +15.5 % |
4888 ステラファーマ | 2021/4/22 | +54.8 % |
4885 室町ケミカル | 2021/2/26 | +73.7 % |
医薬品のIPO騰落率分布
▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)
中型 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
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(2022/11/9 現在)
中型の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
9563 Atlas | 2022/10/26 | +61.1 % |
7112 キューブ | 2022/10/7 | +2.3 % |
5129 FIXER | 2022/10/6 | +36.0 % |
5038 eWeLL | 2022/9/16 | +130.0 % |
7110 クラシコム | 2022/8/5 | +7.0 % |
中型のIPO騰落率分布