ダイナミックマッププラットフォーム(336A)のIPO情報と初値予想
- 2025/2/19
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ダイナミックマッププラットフォーム(336A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ダイナミックマッププラットフォームのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『自動運転・先進運転支援システムなどに利用される高精度3次元地図データ(HDマップ)の生成・販売および、HDマップ関連技術を用いた(自動運転以外の)多用途での高精度位置情報・ソリューションの提供』となっています。
会社名 | ダイナミックマッププラットフォーム(336A) |
---|---|
所在地 | 東京都渋谷区渋谷二丁目12番4号ネクストサイト渋谷ビ |
設立日 | 2016年6月13日 |
従業員数 | 225人 |
業種 | 情報・通信業 |
【企業サイト】
https://www.dynamic-maps.co.jp/

沿革

代表取締役社長 CEO 吉村 修一
当社は「デジタル社会のインフラとして高精度位置情報基盤をグローバルに構築し、自動運転をはじめとする新しい未来を拓く」というPurposeのもと事業に取り組んでいます。
財務データ
2024年3月期の事業売上は56億円で、構成比は地域別に、国内30.4%、海外69.6%となっています。
前期(24.3)は車載搭載台数が増加した他、空間情報を一意に特定するプロジェクト等に参画し、車載向け以外の案件も取り込んだ一方で、受注案件の費用計上・先行投資実施等により、前期比で売上は51%増、最終は△40億円で着地しました。
今期(25.3)は海外でのHDマップの車載搭載台数が増加しており、3Q累計は売上は前期並みで推移しています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2020/3 | 2021/3 | 2022/3 | 2023/3 | 2024/3 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 5 | 6 | 6 | 37 | 56 |
経常益 | △18 | △16 | △18 | △35 | △25 |
最終益 | △18 | △16 | △198 | △41 | △40 |
純資産 | 203 | 190 | 28 | 88 | 49 |
総資産 | 221 | 228 | 87 | 185 | 142 |
▌地域別の売上内訳(2024.3)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業595社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が29.2%となっており、平均的な状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 142 億円 | 売上高 56 億円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は情報・通信業(595社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は21,623千株で、株式保有割合は、その他85.4%、ベンチャーキャピタル(VC)8.7%、経営陣5.9%となっています。
VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
㈱INCJ | 40.88% | 90日/3倍 |
㈱海外交通・都市開発事業支援機構 | 16.09% | 90日/1.5倍 |
三菱電機㈱ | 7.21% | 180日 |
三菱HCキャピタル㈱ | 4.62% | 90日/1.5倍 |
三井物産㈱ | 3.29% | 90日/1.5倍 |
吉村 修一(社長) | 2.64% | 180日 |
SBI4&5LPS | 2.35% | 90日/1.5倍 |
㈱ゼンリン | 2.22% | 180日 |
㈱パスコ | 2.22% | 180日 |
アイサンテクノロジー㈱ | 1.85% | 180日 |
上記以外 | 16.63% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 21,623千株(2025年2月19日現在)
5.9 % | – % | 85.4 % | 8.7 % |
1,278.6 千株 | – 千株 | 18,468.1 千株 | 1,876 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は93.1%と高く、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはややポジティブといえます。売出し分は、主にその他の株式放出によるものです。
上場する株式の時価総額は261.7億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の18.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は60.6億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 4,344,000 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 4,344,000 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 1,019,700 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 320,100 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 699,600 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 5,363,700 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
261.7 億円 | 49.1 億円 | 20.1 % | 93.1 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
4.9 % | – % | 69.9 % | 7.2 % | 18.0 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になる楽天、マネックス、松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券(主幹事) | -% | -株 |
大和証券 | -% | -株 |
みずほ証券 | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
野村證券 | -% | -株 |
岩井コスモ証券 | -% | -株 |
マネックス証券 | -% | -株 |
楽天証券 | -% | -株 |
松井証券 | -% | -株 |
岡三証券 | -% | -株 |
あかつき証券 | -% | -株 |
合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
CONNECT | 大和 | -株 |
岡三オンライン | 岡三 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 2月19日(水) |
---|---|
抽選申込期間 | 3月11日(火)~3月17日(月) |
当選発表日 | 3月18日(火) |
購入申込期間 | 3月19日(水)~3月25日(火) |
上場日 | 3月27日(木) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 |
39 | 310 | 311 | 312 | 313 | 314 | 315 |
316 | 317 | 318 | 319 | 320 | 321 | 322 |
323 | 324 | 325 | 326 | 327 | 328 | 329 |
330 | 331 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
高精度3次元データ事業は、自動運転/先進運転支援システムやデジタルマップに活用が見込まれ、注目度は非常に高いといえます。現状、売上の伸びは小幅ながらも、高精度3次元データの将来的な潜在需要は強く、成長性は期待できます。
▌需給・価格評価
IPOとしては中大型案件で、株主にVCが多く入っているもののロックアップは入っており、需給に大きな不安はありません。なお、筆頭株主のINCJ(政府系投資会社)は、2025年3月末までを同社の活動期間としているため、活動期間終了に伴う保有株式の全部又は一部が短期間で売却される場合、上場後に強い売り圧力が生じる可能性があります。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
7.0 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.1末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.1末時点)。 |
---|---|---|---|---|
60.6 億円 | 51.4 % | -81.6 % | – 倍 | 2.8 倍 |
情報・通信 | 8.4 % | 9.6 % | 72.2 倍 | 3.6 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,130円から+270円(+23.9%)高い1,400円と予想します。なお、AI予測値は1,755円となっており、これより低い弱気の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 1,400円(2/21予想) (+270円 / +23.9%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 1,130円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では23年4月に上場したジェノバ(5570)の初値騰落率は+348.1%でした。
今回のIPOと同じ情報・通信業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降64件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は82.8%、初値騰落率の平均は+78.0%(中央値+50.9%)となっています。
また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降155件で、勝率は51.6%、初値騰落率の平均は+14.6%(中央値+1.1%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
ジェノバ | +348.1% | 4.1 | 10.5% | 18.0% |
▌情報・通信業(その他)のIPO実績
(情報・通信業のうち他に分類されないもの)
情報・通信 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/2/21 現在)
情報・通信業(その他)の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
290A Syns | 2024/12/19 | +53.3 % |
281A インフォメティス | 2024/12/9 | -8.1 % |
248A キッズスター | 2024/9/26 | -13.7 % |
184A 学びエイド | 2024/5/28 | +32.2 % |
148A ハッチ・ワーク | 2024/3/26 | +30.3 % |
情報・通信のIPO騰落率分布
▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)
中大型以上 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/2/21 現在)
中大型以上の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
285A キオクシアHD | 2024/12/18 | -1.0 % |
299A dely | 2024/12/19 | -16.6 % |
290A Syns | 2024/12/19 | +53.3 % |
287A 黒田グループ | 2024/12/17 | +26.4 % |
286A ユカリア | 2024/12/12 | -8.0 % |
中大型以上のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)