MIC[ミック](300A)のIPO情報と初値予想【初値決定】

 MIC[ミック](300A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、MIC[ミック]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『リテール販促における総合支援事業(業務改善コンサルティング、販促物の印刷/製造、フルフィルメント、システム開発、BPO、クリエイティブデザイン、フィールドサポートなど)』となっています。

会社名MIC[ミック](300A)
所在地東京都新宿区西新宿五丁目14番3号
設立日1953年6月12日
従業員数344人
業種サービス業

【企業サイト】

https://www.mic-p.com/

事業解説
 主にリテール企業やメーカー企業が行う販促活動の全体最適化を実現するため、販促物共同配送サービス「Co.HUB」や販促DXクラウドサービス「PromOS」として、店舗ごとに必要な種類・数量の販促物のみを制作・配送するという「変種・変量対応」を行なっており、物流コストの軽減のみならず、店舗スタッフの負担軽減や廃棄段ボール量の削減などを実現するサービスです。
MIC[ミック]の事業説明
(画像:MIC[ミック]HP

沿革 

MIC[ミック]のトップメッセージ

代表取締役社長 河合 克也

 私たちが提供する価値は、お客様を非効率から解放し、本業に注力する時間を創造することです。そして、売上拡大、費用最適化、業務合理化に貢献し、PLを改善することです。その手段は、「360°フルサービス」を標榜し、超顧客志向でカスタマイズしたトータルソリューションで成し遂げていきます。

(引用:MIC[ミック]HP
1946年7月
活版印刷を事業として、東京都新宿区淀橋(現 西新宿)489番地に水上印刷を創業
1953年6月
印刷事業の更なる展開を目的として、資本金35万円で東京都新宿区西新宿五丁目14番3号に有限会社水上印刷所を設立
1964年10月
印刷工場として、東京都日野市日野台一丁目15番21号に日野工場開設
1971年12月
水上印刷㈱に組織変更及び社名変更
1974年8月
資本金1,000万円に増資
1992年9月
印刷・加工を担う工場として、東京都西多摩郡日の出町平井20番2号に多摩工場(現 多摩ファクトリー)開設
2000年4月
全社にてISO9001認証取得
2006年8月
全社にてISO27001認証取得
2006年9月
印刷製造の周りのサービスを一手に引き受けるワンストップサービス を開始
2011年8月
コンビニエンス企業向けに『360°フルサービス』を提供開始
2012年3月
包装加工及び物流センターとして、東京都西多摩郡日の出町平井22番12号に「サンゲート」を開設
2013年3月
経済産業省「おもてなし経営企業50選」に選出
2014年3月
経済産業省「グローバルニッチトップ企業100選」に選出
2017年3月
『360°フルサービス』部門の基幹センターとして東京都あきる野市牛沼1100番地に「るのパレット」開設
2017年11月
東京都産業労働局より「東京都経営革新最優秀賞」受賞
2019年2月
「Great Place To Work 2019 ベストカンパニー」に選出
2020年7月
本社新社屋竣工
2021年5月
クリエイティブ分野における顧客課題を解決するため、クリエイティブに特化したチーム「WONDER BLUE(ワンダーブルー)」を発足
2021年6月
温室効果ガス排出削減目標のグローバル基準である「SBT(Science Based Targets)」の中小企業向け認定(Small and Medium-Sized Enterprises(SMEs))を取得
2021年12月
『360°フルサービス』の進展に伴い、従来の印刷事業から事業領域が大幅に拡大したことを受け、MIC㈱へ社名変更
2022年7月
ドラッグストア向け販促物共同配送サービス(Co.HUB)の主拠点として、東京都八王子市石川町2970番3号に「はちフィル(八王子フルフィルメントセンター)」を開設
2022年7月
ドラッグストア向け販促物の共同配送サービス事業(Co.HUB)を提供開始
2023年11月
大阪府大阪市中央区南船場三丁目11番10号に「大阪OFFICE」を開設

財務データ 

 2024年3月期の事業売上は10,116百万円で、構成比は顧客属性別に、サービス27.5%リテール39.1%メーカー33.3%となっています。

 前期(24.3)は新規サービスとなるドラッグストア業界向け店頭プロモーション販促物の共同配送サービス拡大に注力した一方で、販促予算の大幅削減により、前期比で売上は△2%減最終は366百万円で着地しました。

 今期(25.3)は大手ドラッグストアチェーンへの共同配送サービスの新規導入や、複数の外食チェーンとの新規取引が開始する等、顧客基盤が着実に拡大しており、売上は13%増最終は418百万円を見込んでいます。1株利益は66.5円配当は17.6円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/32021/32022/32023/32024/3
売上高6,6456,7068,42810,32910,116
経常益8401,187908636572
最終益505817667409366
純資産4,6775,4946,2146,5056,747
総資産7,5337,9318,3098,4208,745
※単位は百万円、単体決算

▌顧客属性別の売上内訳(2024.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は総資本営業利益率が6.1%など、平均的な数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、自己資本比率が77.2%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 8,745 百万円売上高 10,116 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 5.2(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 6.1(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 5.4(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 215.1(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 69.9(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 77.2(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = -2.1(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は6,306千株で、株式保有割合は、経営陣95.4%その他4.6%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
㈱エムツー56.59%90日
水上 光啓30.23%90日
河合 克也(社長)6.18%90日
辻 怜子0.95%90日
眞鍋 悠子0.95%90日
谷口 大輔0.95%90日
石黒 陽平0.48%継続保有
松尾 力0.48%継続保有
松崎 良樹0.24%90日
従業員0.24%
上記以外2.71%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 6,306千株(2024年11月21日現在)

?

95.44.6
6,015 千株– 千株291 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(306千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は61.1%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に経営陣の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は63.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の24.3%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は18.6億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。1,100,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。1,100,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。970,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。700,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。270,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。2,070,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
63.9 億円9.9 億円25.461.1
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

71.83.924.3
※新株予約権による潜在株式(306千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは野村證券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
野村證券(主幹事)91.30%1,890,000株
大和証券4.35%90,000株
SMBC日興証券1.30%27,000株
三菱UFJMS証券1.30%27,000株
SBI証券0.43%9,000株
楽天証券0.43%9,000株
松井証券0.22%4,500株
マネックス証券0.22%4,500株
岡三証券0.22%4,500株
あかつき証券0.22%4,500株
合計100%2,070,000株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
CONNECT大和900株
auカブコム証券三菱900株
岡三オンライン岡三300株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人13,967本
抽選1,512
裁量12,455
18%
個人698本
抽選158
裁量540
13%
個人230本
抽選34
裁量196
9%
個人208本
抽選24
裁量184
45%
個人78本
抽選40
裁量38
90%
個人81本
抽選81
裁量
90%
個人41本
抽選41
裁量
90%
個人41本
抽選41
裁量
89%
個人40本
抽選40
裁量
100%
個人9本
抽選9
裁量
100%
個人9本
抽選9
裁量
100%
個人3本
抽選3
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日11月21日(木)
抽選申込期間12月9日(月)~12月13日(金)
当選発表日12月16日(月)
購入申込期間12月17日(火)~12月20日(金)
上場日12月25日(水)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
121122123124125126127
12812912101211121212131214
1215121612171218121912201221
1222122312241225122612271228
12291230123111121314

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 リテール販促における総合支援事業に特段の新規性はなく、注目度は高くはありません。ここ数年、売上はやや停滞傾向ですが、利益は安定的に確保しており、収益の安定度はかなり高いです。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主には安定株主しかおらず、想定価格もやや低めの設定のため、需給は良好です。来期予想によるPERは13.5倍と業種平均15倍(サービス・スタンダード)と比較してほぼ同水準です。また、予想配当利回りは2%と魅力的です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

  供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。  成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(スタンダード)の単純PER(24.10末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(スタンダード)の単純PBR(24.10末時点)。
18.6 億円-2.15.417.50.8
サービス業9.99.915.01.2
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
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初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格960円から+340円(+35.4%)高い1,300円と予想します。なお、AI予測値は1,385円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(公開価格比)
1,300円(12/16予想)
+340円 / +35.4%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。900円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。900円 ~ 960円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。960円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
960円
±0円 / ±0.0%

▌AIの予測値(12/16更新)

1,385円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+35.4+44.3+46.6+69.5
(公開価格比)(公開価格比)サービス業中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では17年6月に上場したディーエムソリューションズ(6549)の初値騰落率は+184.0%でした。

 今回のIPOと同じサービス業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降159件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.5%、初値騰落率の平均は+46.6%(中央値+26.7%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降221件で、勝率は88.7%、初値騰落率の平均は+69.5%(中央値+52.5%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
DMソリュ+184.0%4.929.0%9.0%

▌サービス業(その他)のIPO実績
(サービス業のうち他に分類されない企業など)

サービス業勝率平均騰落率
159
(2007年以降)
75.5
(120件 / 159件)
+46.6
(Me:+26.7 %)

(2024/11/25 現在)

サービス業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
264A Schoo2024/10/22+10.3
261A 日水コン2024/10/16-6.2
242A リプライオリ2024/9/25-8.0
212A フィットイージー2024/7/23+22.5
194A WOLVES2024/6/20+13.6

サービス業のIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
221
(2016年以降)
88.7
(196件 / 221件)
+69.5
(Me:+52.5 %)

(2024/11/25 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
245A INGS2024/9/26+39.2
244A グロースエクスパ2024/9/26+20.3
220A ファベル2024/7/31+19.0
218A リベラウェア2024/7/29+46.5
211A カドス2024/7/18+10.7

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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