ミライロ(335A)のIPO情報と初値予想

 ミライロ(335A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ミライロのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『①デジタル障害者手帳『ミライロID』の企画、設計、開発、提供②ユニバーサルデザインに関する研修、リサーチ&コンサルティング③手話通訳派遣、遠隔通訳など情報保障および手話講座の提供』となっています。

会社名ミライロ(335A)
所在地大阪府大阪市淀川区西中島三丁目8番15号
設立日2010年6月2日
従業員数50人
業種情報・通信業

【企業サイト】

https://www.mirairo.co.jp/

事業解説
 デジタル障害者手帳「ミライロID」は、スマートフォンだけで障害者手帳の確認と同等の効果をユーザーに提供することを目指しており、現在、鉄道会社の交通機関や美障害者割引を提供する施設、地方自治体の関連施設で「ミライロID」画面の提示により障害者割引の適用が可能となっています。導入事業者数4,000以上、ミライロIDのユーザー数40万人突破。
ミライロの事業説明
(画像:ミライロHP

沿革 

ミライロのトップメッセージ

代表取締役社長 垣内 俊哉

 当社は、代表取締役社長垣内俊哉及び取締役副社長民野剛郎が2009年5月立命館大学在学中に発足した障害者向け社会活動を行う学生団体「Value Added Network」が、2010年6月に大阪市北区西天満において法人化され「株式会社ミライロ」として設立されました。

(引用:ミライロHP
2010年6月
大阪市北区西天満において㈱ミライロを設立し、バリアフリー監修及び調査サービス「ミライロ・アーキテクチャー」を開始(資本金1,000千円)
2011年1月
ユニバーサルデザインに関するデザイン・制作サービス「ミライロ・クリエイティブ」を開始
2011年6月
障害者や高齢者対応の接客研修サービス「ユニバーサルマナー研修」を開始
2012年12月
大阪市淀川区西中島に本社を移転
2013年8月
一般社団法人日本ユニバーサルマナー協会を設立し、「ユニバーサルマナー検定」を開始
2014年5月
東京都渋谷区恵比寿に東京支社を開設
2014年12月
障害者モニター調査サービス「ミライロ・リサーチ」を開始
2017年9月
情報保障サービス「ミライロ・コネクト」を開始
2019年7月
デジタル障害者手帳「ミライロID」をリリース
2019年7月
東京都品川区東五反田に東京支社を移転
2020年6月
「ミライロID」がマイナポータルとの連携を開始
2021年1月
「ミライロID」において、障害者向け割引サービス「ミライロクーポン」の提供を開始
2021年3月
「ミライロID」が全国の鉄道事業者123社で一斉導入
2021年10月
民間事業者による合理的配慮提供の推進委員会を発足
2022年5月
障害者対応の診断サービス「ミライロ・サーベイ」を開始
2024年1月
「ミライロID」において、オンラインショップ「ミライロストア」の提供を開始

財務データ 

 2024年9月期の事業売上は710百万円で、構成比はサービス別に、ミライロID33.5%マナー研修及び検定42%コミュニケーションサポート24.4%となっています。

 前期(24.9)は改正障害者差別解消法施行が大規模な検定の実施に繋がったほか、「ミライロID」への広告掲載、デジタル上での割引決済や認証等を目的としたシステム連携による売上増加などにより、前期比で売上は22%増最終は179百万円で着地しました。

 今期(25.9)は「ミライロID」のユーザー数が毎月約1万人のペースで増加し、それに伴い広告掲載やシステム連携も増加しており、1Q累計は売上は前期並みペースで推移しています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/92021/92022/92023/92024/9
売上高363389616583710
経常益△93△130△4711121
最終益△92△134△6010179
純資産△5810848158337
総資産186553475540701
※単位は百万円、単体決算

▌サービス別の売上内訳(2024.9)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業595社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が53.1%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が48.1%となっており、平均的な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 701 百万円売上高 710 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 16.5(μ:6.5 Me:8.3
総資本営業利益率 = 16.7(μ:7.1 Me:8.1
自己資本利益率 = 53.1(μ:2.1 Me:9.6
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 231.7(μ:347.4 Me:271.4
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 48.1(μ:69.4 Me:39.4
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 48.1(μ:60.5 Me:64.3
成長性指標
売上高成長率 = 21.8(μ:12.3 Me:8.4

※カッコ内の数値は情報・通信業(595社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は9,629千株で、株式保有割合は、経営陣72.8%その他27.2%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
垣内 俊哉(社長)35.10%180日
民野 剛郎34.90%180日
谷間 真2.16%180日
大阪市高速電気軌道㈱2.08%180日
住友林業㈱2.08%180日
ヤマトホールディングス㈱2.08%180日
㈱三菱UFJ銀行1.99%180日
㈱エス・ケイプランニング1.64%180日
大亀 雄平1.64%180日
樫野 孝人1.64%180日
上記以外14.69%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 9,629千株(2025年2月17日現在)

?

72.827.2
7,006 千株– 千株2,622.5 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(403.5千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は54.3%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に経営陣、その他の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は26.7億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の21.2%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は6.7億円で、IPOとしては小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。1,250,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。1,250,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。1,396,300 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。1,051,200 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。345,100 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。2,646,300 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
26.7 億円3.2 億円2254.3
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

58.920.021.2
※新株予約権による潜在株式(403.5千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
SMBC日興証券(主幹事)-%-株
三菱UFJMS証券-%-株
みずほ証券-%-株
SBI証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
岡三証券-%-株
楽天証券-%-株
マネックス証券-%-株
松井証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
auカブコム証券三菱-株
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

10%
個人-本
抽選
裁量
9%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日2月17日(月)
抽選申込期間3月6日(木)~3月12日(水)
当選発表日3月13日(木)
購入申込期間3月14日(金)~3月19日(水)
上場日3月24日(月)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
22322422522622722831
32333435363738
39310311312313314315
316317318319320321322
323324325326327328329

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 デジタル障害者手帳には新規性があり、注目度は比較的高いといえます。売上は緩やかながら拡大しており、黒字転換も達成しているため、事業の収益力はまずまず評価できるといえます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては小型案件で、株主に安定株主しかおらず、想定価格もかなり低めに設定されていることから、需給に不安はありません。募集株式に対する公募比率がやや低めなのはマイナス材料になります。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.1末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.1末時点)。
6.7 億円21.853.128.78.2
情報・通信8.49.672.23.6
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格255円から+125円(+49.0%)高い380円と予想します。なお、AI予測値は1,033円となっており、これより低いかなり弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
380円(2/18予想)
+125円 / +49.0%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。255円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(2/18計算)

1,033円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+49.0+305.1+78.0+123.2
(想定価格比)(想定価格比)情報・通信小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年9月に上場したキッズスター(248A)の初値騰落率は-13.7%でした。

 今回のIPOと同じ情報・通信業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降64件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は82.8%、初値騰落率の平均は+78.0%(中央値+50.9%)となっています。

 また、今回と同じ小型のIPOは2016年以降194件で、勝率は94.8%、初値騰落率の平均は+123.2%(中央値+113.3%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
キッズスター-13.7%20.535.4%26.4%
カラダノート+320.0%7.433.2%26.8%
andfactory+56.0%21.0181.0%90.3%

▌情報・通信業(その他)のIPO実績
(情報・通信業のうち他に分類されないもの)

情報・通信勝率平均騰落率
64
(2007年以降)
82.8
(53件 / 64件)
+78.0
(Me:+50.9 %)

(2025/2/18 現在)

情報・通信業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
290A Syns2024/12/19+53.3
281A インフォメティス2024/12/9-8.1
248A キッズスター2024/9/26-13.7
184A 学びエイド2024/5/28+32.2
148A ハッチ・ワーク2024/3/26+30.3

情報・通信のIPO騰落率分布

▌小型のIPO実績
(小型:供給額5~10億円未満のIPO)

小型勝率平均騰落率
194
(2016年以降)
94.8
(184件 / 194件)
+123.2
(Me:+113.3 %)

(2025/2/18 現在)

小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
303A visumo2024/12/26+34.5
269A Sapeet2024/10/29+52.3
265A エイチエムコム2024/10/28+32.7
259A ケイ・ウノ2024/10/8-8.0
246A アスア2024/9/26+47.6

小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















アーカイブ
ページ上部へ戻る