ミラティブ(472A)のIPO情報と初値予想

 ミラティブ(472A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ミラティブのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『ライブ配信プラットフォーム『Mirrativ』の開発・運営及び周辺事業』となっています。

会社名ミラティブ(472A)
所在地東京都目黒区目黒二丁目10番11号
設立日2018年2月9日
従業員数156人
業種情報・通信業

【企業サイト】
ミラティブ公式サイト
https://www.mirrativ.co.jp/

事業解説
 「Mirrativ」は、スマホ1台、画面数タップで誰でも簡単にゲーム配信ができる、スマホ画面共有型ゲーム配信プラットフォームで、累計配信者数は500万人を超え、アクティブユーザーの約30%が配信者というSNS的な配信者比率が特徴です。特に、独自のコンテンツ「ライブゲーム」では、ゲームとゲーム実況が融合した、視聴者が配信中のゲームに介入できる次世代のゲーム体験を提供しています。
ミラティブの事業説明
(画像:ミラティブHP

沿革 

ミラティブのトップメッセージ

代表取締役最高経営責任者 赤川 隼一

 好きなものを語ること・集まること、そんな「居場所があること」が、時に本当に人の人生を変えてしまうことを私自身も実感として知っています。分断の時代と言われる今だからこそ、ミラティブは、人の力、コミュニティの力を信じ、人と人がつながる意義と価値に向き合い続けていきます。

(引用:ミラティブHP
2015年8月
㈱ディー・エヌ・エーがライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」のアプリをリリース
2018年2月
東京都世田谷区に「㈱エモモ(現 当社)」を設立
2018年3月
吸収分割により㈱ディー・エヌ・エーの「Mirrativ事業」を承継し、ライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」事業を開始(以下、ミラティブ事業という)㈱ミラティブ(当社)に商号変更
2018年4月
本社を東京都渋谷区に移転
2018年9月
「Mirrativ」アプリ上で使用可能な3Dアバター「エモモ」を提供開始
2018年10月
ギフトやアイテムガチャを贈り合えるサービス提供開始
2019年1月
累計配信者数が100万人突破
2019年5月
ユーザーが作成した3Dアバター「エモモ」を利用して、顔出しをせずにカラオケ配信ができる機能「エモカラ」のサービス提供開始
2019年7月
本社を東京都目黒区に移転
2020年8月
ライブゲーム「エモモRUN」のサービス提供開始
2021年2月
ライブゲーム「エモモバトルドロップ」のサービス開始
2022年4月
ライブゲーム「エモランあーるぴーじー」及びその他ライブゲームサービスの提供開始
2023年11月
累計配信者数が500万人突破
2023年12月
ライブゲーム「スラポンコロシアム」のサービス提供開始
2024年10月
Mirrativアプリで培ったノウハウ・コンテンツ・アセットを活用し、他プラットフォームで活躍する個人VTuber等の配信者に向けたソリューション提供を行うことを目的に、合同会社アイブレイド(現 ㈱アイブレイド)を完全子会社化
2025年2月
Mirrativアプリで培ったノウハウ・コンテンツ・アセットを活用し、他プラットフォームで活躍する個人VTuber等の配信者に向けたソリューション提供を行うことを目的に、㈱キャスコードの株式を取得し持分法適用関連会社化

財務データ 

 2024年12月期の事業売上は6,096百万円で、構成比はセグメント別に、ミラティブ100%となっています。

 前期(24.12)は「エモモ」の継続的売上成長や「ライブゲーミング」におけるヒットタイトルの創出により、前期比で売上は12%増最終は△260百万円で着地しました。

 今期(25.12)は新エモモアイテムのリリースや新たなイベント及びランキングの開催、VTuberのポップアップストアや音楽イベントを開催する取り組み等を行っており、3Q累計は売上は前期を大きく上回るペース推移し、最終損益も黒字を維持しています。。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/122021/122022/122023/122024/12
売上高1,9923,2204,3255,4386,096
経常益△529△56△1,563△1,190△257
最終益△531△58△1,566△1,193△260
純資産2,6772,6183,2532,1411,881
総資産2,9003,0844,1953,6973,533
※単位は百万円、25.3Qから連結決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.12)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業585社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が337.1%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 3,533 百万円売上高 6,096 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = -4(μ:6.5 Me:8.1
総資本営業利益率 = -7(μ:6.6 Me:7.5
自己資本利益率 = -13.8(μ:-11.8 Me:10.1
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 337.1(μ:328.5 Me:258.5
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 6(μ:110.4 Me:42.2
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 53(μ:59.7 Me:62.5
成長性指標
売上高成長率 = 12.1(μ:13.2 Me:8.9

※カッコ内の数値は情報・通信業(585社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は17,695千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)67.6%経営陣21.3%その他11.2%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
赤川 隼一(社長)19.82%180日
グロービス5号ファンドLPS18.63%180日
ANRI3号LPS11.04%180日
テクノロジーベンチャーズ4号LPS9.47%180日
Globis Fund V,L.P.7.95%180日
YJ3号投資事業組合7.31%180日
ジャフコSV5共有LPS4.14%180日
グローバル・ブレイン7号LPS3.41%180日
グローバル・ブレイン6号LPS2.92%180日
㈱MIXI1.66%
上記以外13.65%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 17,695千株(2025年11月14日現在)

?

21.311.267.6
3,761.4 千株– 千株1,976.9 千株11,956.8 千株
※新株予約権による潜在株式(1,943.7千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は17.2%と低く、売出される株式は、主にベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は143.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の36.1%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は66.7億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。1,176,400 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。1,176,400 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。6,666,600 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。5,643,600 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。1,023,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。7,843,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
143.9 億円10 億円40.317.2
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

18.18.936.936.1
※新株予約権による潜在株式(1,943.7千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは三菱UFJMS証券が主幹事となっており、割当株数の7%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
三菱UFJMS証券(主幹事)-%-株
MSMUFG証券-%-株
大和証券-%-株
みずほ証券-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
東海東京証券-%-株
岡三証券-%-株
マネックス証券-%-株
松井証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
丸三証券-%-株
極東証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
auカブコム証券三菱-株
CONNECT大和-株
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

7%
個人-本
抽選
裁量
18%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日11月14日(金)
抽選申込期間12月3日(水)~12月9日(火)
当選発表日12月10日(水)
購入申込期間12月11日(木)~12月16日(火)
上場日12月18日(木)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
1123112411251126112711281129
1130121122123124125126
1271281291210121112121213
1214121512161217121812191220
1221122212231224122512261227

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 広告・プロモーション関連のIPOの中でも、配信プラットフォーム事業は比較的人気が集まりやすく、注目度は高いです。ここ数年で売上は順調に拡大しており、損益も今期は黒字転換が期待できることから、成長性及び収益力は評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中大型案件で、株主ではVCがかなりのシェアを持っていますが、ロックアップは厳しめに入っており、想定価格も低めのため、需給に大きな不安はありません。ただ、公募比率が低いのはマイナス材料です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 6.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.10末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.10末時点)。
66.7 億円12.1-13.85.2
情報・通信8.910.158.13.6
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
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初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格850円から+250円(+29.4%)高い1,100円と予想します。なお、AI予測値は1,495円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,100円(11/19予想)
+250円 / +29.4%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。850円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(11/19計算)

AI予測1,495円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+29.4+75.9+101.1+15.7
(想定価格比)(想定価格比)マーケティ中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年12月に上場したjig.jp(5244)の初値騰落率は+40.0%でした。

 今回のIPOと同じマーケティング関連に分類されるIPOは2007年以降62件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は83.9%、初値騰落率の平均は+101.1%(中央値+87.9%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降169件で、勝率は53.8%、初値騰落率の平均は+15.7%(中央値+1.7%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
jig.jp+40.0%11.734.1%-18.9%
モイ+91.9%12.8132.3%-21.0%

▌マーケティングのIPO実績
(広告やプロモーションなどマーケティング)

マーケティ勝率平均騰落率
62
(2007年以降)
83.9
(52件 / 62件)
+101.1
(Me:+87.9 %)

(2025/11/19 現在)

マーケティングの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
331A メディックス2025/3/19-5.0
303A visumo2024/12/26+34.5
220A ファベル2024/7/31+19.0
195A ライスカレー2024/6/19+9.9
156A マテリアルG2024/3/29-8.1

マーケティのIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
169
(2016年以降)
53.8
(91件 / 169件)
+15.7
(Me:+1.7 %)

(2025/11/19 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
429A テクセンド2025/10/16+19.0
438A インフキュリオン2025/10/24-7.1
431A ユーソナー2025/10/17+17.5
414A オーバーラップ2025/10/3-7.1
407A UNICONHD2025/9/26+30.7

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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