ムービン・ストラテジック・キャリア(421A)のIPO情報と初値予想

 ムービン・ストラテジック・キャリア(421A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ムービン・ストラテジック・キャリアのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『有料職業紹介事業』となっています。

会社名ムービン・ストラテジック・キャリア(421A)
所在地東京都港区赤坂九丁目7番1号
設立日2000年12月25日
従業員数109人
業種サービス業

【企業サイト】
ムービン・ストラテジック・キャリア公式サイト
https://corp.movin.co.jp/

事業解説
 ハイエンド人材特化の転職プラットフォームを運営し、コンサルティングファームをはじめとしたプロフェッショナルファームへの正社員採用サービスを提供しており、特に経営コンサルタントの採用支援に強みを持っています。創業以来、約25年にわたるコンサルティングファームの採用支援実績を有し、日系/外資系、大手/新興系問わず幅広いコンサルティングファームの採用支援実績があります。

沿革 

ムービン・ストラテジック・キャリアのトップメッセージ

代表取締役社長 神川 貴実彦

 ボストン・コンサルティング・グループ出身の神川貴実彦により2000年に設立。コンサルティング業界において最も重要なアセットである「人財」の側面から、四半世紀以上に亘って業界の成長・発展を牽引してきました。

(引用:ムービン・ストラテジック・キャリアHP
1997年11月
東京都品川区に㈱ムービン(現:㈱リオディオス)設立。
1999年4月
コンサルティング業界特化の人材コンサルティング事業を開始。コンサルティング業界への転職支援サイト「Consultant転職」開設。
2001年10月
ITコンサルティング業界への転職支援サイト「ITコンサルタント転職」開設。
2007年9月
組織人事コンサルタントへの転職支援サイト「組織人事コンサルタント転職」開設。
2008年12月
金融業界専門の転職支援サイト「金融転職」開設。
2014年4月
コンサルタント経験者向けの転職支援サイト「ポストコンサル転職」開設。
2015年9月
医療・ヘルスケアコンサルタントへの転職支援サイト「医療コンサルタント転職」開設。
2015年12月
第二新卒向けの転職支援サイト「第二新卒からのコンサル転職」開設。
2017年11月
商号を㈱リオディオスに変更。
2000年12月
東京都品川区に㈲ムービン・ストラテジック・キャリア(現:㈱ムービン・ストラテジック・キャリア)設立。
2001年3月
㈲ムービン・ストラテジック・キャリアの組織変更により、㈱ムービン・ストラテジック・キャリア設立。
2016年10月
業容拡大のため東京都港区西新橋に本社を移転。
2022年7月
業容拡大のため東京都港区赤坂に本社を移転。
2023年1月
サーチ型(注)人材紹介事業の運営を目的として100%子会社のエージェント1㈱(現連結子会社)を設立。
2023年3月
㈱リオディオスより「Consultant転職」「ITコンサルタント転職」「組織人事コンサルタント転職」「金融転職」「ポストコンサル転職」等の同社HP事業を譲受。

財務データ 

 2024年12月期の事業売上は2,388百万円で、構成比はセグメント別に、人材紹介100%となっています。

 前期(24.12)は自社メディアによる求職者の集客数が順調に増加しているほか、サーチ型人材紹介事業を行うエージェント1社の稼働を開始したこと等ににより、前期比で売上は3%増最終は576百万円で着地しました。

 今期(25.12)はキャリアアドバイザー人数の増加や育成による戦力化が進み、また採用活動が活発な顧客に対する深耕営業への取り組みによる転職支援1件当たりの成約単価の上昇もあり、売上は47%増最終は1,007百万円を見込んでいます。1株利益は124.91円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/122021/122022/122023/122024/12
売上高1,4001,9632,6712,3232,388
経常益120181406512864
最終益112124230336576
純資産6117359641,3101,876
総資産7591,2101,5931,7242,467
※単位は百万円、23.12から連結決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.12)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が36.1%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が358.3%となっており、かなり良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 2,467 百万円売上高 2,388 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 36.1(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 34.9(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 30.7(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 358.3(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 18.5(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 76(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = 2.8(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は8,155千株で、株式保有割合は、経営陣65.2%その他34.8%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
神川 貴実彦(社長)34.33%180日
㈱リオディオス30.04%180日
神川 宏子17.17%180日
神川 志悠8.58%180日
神川 芽伊8.58%180日
西田 和雅0.86%180日
従業員0.21%継続保有
従業員0.04%継続保有
従業員0.04%継続保有
従業員0.04%継続保有
上記以外0.11%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 8,155千株(2025年9月4日現在)

?

65.234.8
5,320 千株– 千株2,835 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(105千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は2.5%と低く、売出される株式は、主に経営陣、その他(親族等)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は161.2億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の24.7%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は46.3億円で、IPOとしては中型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。50,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。50,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。2,278,700 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。1,975,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。303,700 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。2,328,700 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
161.2 億円1 億円252.5
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

51.423.924.7
※新株予約権による潜在株式(105千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは大和証券が主幹事となっており、割当株数の14%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
大和証券(主幹事)-%-株
みずほ証券-%-株
楽天証券-%-株
SBI証券-%-株
三菱UFJMS証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
岡三証券-%-株
東海東京証券-%-株
松井証券-%-株
マネックス証券-%-株
あかつき証券-%-株
極東証券-%-株
東洋証券-%-株
丸三証券-%-株
水戸証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
CONNECT大和-株
auカブコム証券三菱-株
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

14%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
9%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日9月4日(木)
抽選申込期間9月19日(金)~9月25日(木)
当選発表日9月26日(金)
購入申込期間9月29日(月)~10月2日(木)
上場日10月6日(月)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
979899910911912913
914915916917918919920
921922923924925926927
928929930101102103104
10510610710810910101011

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 人材紹介関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度は高めです。ここ数年で売上・利益ともに着実に伸びており、特に利益率は高い水準にあるため、事業の成長性と収益性はかなり評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中型案件で、株主は安定株主で占められており、ロックアップも厳しめに設定されているため、需給に大きな不安はありません。公募比率が低いのはややマイナス材料といえます。今期利益予想によるPERは15.9倍と業種平均31.8倍(サービス・グロース)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(25.8末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(25.8末時点)。
46.3 億円2.830.728.08.2
サービス業9.99.931.82.9
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,990円から+410円(+20.6%)高い2,400円と予想します。なお、AI予測値は2,503円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
2,400円(9/5予想)
+410円 / +20.6%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,990円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(9/5計算)

AI予測2,503円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+20.6+25.8+78.8+33.3
(想定価格比)(想定価格比)人材中型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年12月に上場したビースタイルホールディングス(302A)の初値騰落率は+60.6%でした。

 今回のIPOと同じ人材派遣・採用関連に分類されるIPOは2007年以降57件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は78.9%、初値騰落率の平均は+78.8%(中央値+53.2%)となっています。

 また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降180件で、勝率は77.2%、初値騰落率の平均は+33.3%(中央値+18.7%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
ビースタイルHD+60.6%13.06.2%55.6%
ROXX-8.0%70.971.0%-238.3%
INTLOOP-10.0%47.029.2%56.3%
コンフィデンス+65.4%10.729.9%-96.3%
ビジョナル+43.0%594.220.4%50.6%

▌人材派遣・採用のIPO実績
(人材派遣、新卒・中途採用事業など)

人材勝率平均騰落率
57
(2007年以降)
78.9
(45件 / 57件)
+78.8
(Me:+53.2 %)

(2025/9/5 現在)

人材派遣・採用の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
302A ビースタイルHD2024/12/27+60.6
241A ROXX2024/9/25-8.0
215A タイミー2024/7/26+27.6
151A ダイブ2024/3/27+77.2
142A ジンジブ2024/3/22+127.4

人材のIPO騰落率分布

▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)

中型勝率平均騰落率
180
(2016年以降)
77.2
(139件 / 180件)
+33.3
(Me:+18.7 %)

(2025/9/5 現在)

中型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
378A ヒット2025/7/4+44.4
373A リップス2025/6/30+2.2
372A レント2025/6/30+32.3
369A エータイ2025/6/26+68.7
366A ウェルネスC2025/6/23+33.1

中型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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