パワーエックス(485A)のIPO情報と初値予想
- 2025/11/24
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パワーエックス(485A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、パワーエックスのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『大型蓄電池の製造・販売、EVチャージステーションのサービス展開、船舶用蓄電システムの開発・製造、再生可能エネルギー等の電力供給』となっています。
| 会社名 | パワーエックス(485A) |
|---|---|
| 所在地 | 岡山県玉野市田井六丁目9番1号 |
| 設立日 | 2021年3月22日 |
| 従業員数 | 180人 |
| 業種 | 電気機器 |
【企業サイト】
https://power-x.jp/

沿革

取締役 代表執行役社長 CEO 伊藤 正裕
日本のエネルギー自給率はわずか12.6%と低く、海外への依存が続いています。自給率を高めるには国産エネルギーの拡大と、それを支える蓄電池が欠かせません。私たちは蓄電池の普及と、電力の安定供給を支える技術を通じて、持続可能な未来の実現を目指しています。
財務データ
2024年12月期の事業売上は6,161百万円で、構成比は製品別に、定置用蓄電池68.2%、EV急速充電器28.2%、その他3.6%となっています。
前期(24.12)は国や地方自治体の補助金施策などを背景に、大型定置用蓄電システムやカーディーラー向けに蓄電池型急速EV充電システムの納品が進んだ一方で、水冷モジュール製造設備の減損損失など特別損失2,300百万円を計上したことから、前期比で売上は1784%増、最終は△8,013百万円で着地しました。
今期(25.12)は大型の定置用蓄電システムの需要高まりを背景に、主に「PowerX Mega Power」の納品が順調に推移しており、売上は207%増、最終は△1,790百万円を見込んでいます。1株利益は-55.87円、配当は0円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
| 決算期 | -/- | 2021/12 | 2022/12 | 2023/12 | 2024/12 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | – | 0 | 0 | 327 | 6,161 |
| 経常益 | – | △272 | △2,004 | △5,737 | △5,702 |
| 最終益 | – | △272 | △2,255 | △6,166 | △8,013 |
| 純資産 | – | 1,387 | 5,967 | 5,244 | 1,670 |
| 総資産 | – | 1,501 | 7,884 | 8,499 | 10,830 |
▌製品別の売上内訳(2024.12)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している電気機器237社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が275.7%となっており、かなり厳しい状態といえます。
| 貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
|---|---|
| 総資産 10,830 百万円 | 売上高 6,161 百万円 |
| ▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は電気機器(237社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は38,387千株で、株式保有割合は、その他60.3%、経営陣35.1%、ベンチャーキャピタル(VC)4.7%となっています。
VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。
| 株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
|---|---|---|
| ㈱FAROUT | 12.95% | 180日 |
| アキュメン㈱ | 12.91% | 180日 |
| 伊藤 正裕(社長) | 8.85% | 継続所有 |
| 今治造船㈱ | 5.69% | 180日 |
| 日本瓦斯㈱ | 2.97% | 180日 |
| 日本郵船㈱ | 2.39% | 180日 |
| 伊藤忠商事㈱ | 2.34% | 180日 |
| FRONTIVE X LIMITED | 2.29% | 180日 |
| ㈱三菱UFJ銀行 | 2.23% | 継続所有 |
| Spiral Capital Japan Fund2号LPS | 2.01% | 180日 |
| 上記以外 | 45.37% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 38,387千株(2025年11月21日現在)
| 35.1 % | – % | 60.3 % | 4.7 % |
| 13,464 千株 | – 千株 | 23,135 千株 | 1,788 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は49.7%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主にその他(出資企業等)の株式放出によるものです。
上場する株式の時価総額は435.6億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の19.7%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は115.8億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。
| 公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 4,166,700 株 | |
|---|---|---|
| 内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 4,166,700 株 |
| (自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
| 売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 5,479,800 株 | |
| 内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 4,221,600 株 |
| (OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 1,258,200 株 | |
| 公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 9,646,500 株 | |
(IPO指標)
| 時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
|---|---|---|---|
| 435.6 億円 | 50 億円 | 23.1 % | 49.7 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
| 29.9 % | – % | 46.4 % | 4.0 % | 19.7 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOでは三菱UFJMS証券が主幹事となっており、割当株数の7%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になるマネックス、松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
| 証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
|---|---|---|
| 三菱UFJMS証券(主幹事) | -% | -株 |
| MSMUFG証券 | -% | -株 |
| SMBC日興証券 | -% | -株 |
| 野村證券 | -% | -株 |
| みずほ証券 | -% | -株 |
| SBI証券 | -% | -株 |
| マネックス証券 | -% | -株 |
| 松井証券 | -% | -株 |
| 中銀証券 | -% | -株 |
| 岡三証券 | -% | -株 |
| 岩井コスモ証券 | -% | -株 |
| 合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
| 証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
|---|---|---|
| auカブコム証券 | 三菱 | -株 |
| 岡三オンライン | 岡三 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
スケジュール
| 上場承認日 | 11月21日(金) |
|---|---|
| 抽選申込期間 | 12月3日(水)~12月9日(火) |
| 当選発表日 | 12月10日(水) |
| 購入申込期間 | 12月11日(木)~12月16日(火) |
| 上場日 | 12月19日(金) |
| SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1123 | 1124 | 1125 | 1126 | 1127 | 1128 | 1129 |
| 1130 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 |
| 127 | 128 | 129 | 1210 | 1211 | 1212 | 1213 |
| 1214 | 1215 | 1216 | 1217 | 1218 | 1219 | 1220 |
| 1221 | 1222 | 1223 | 1224 | 1225 | 1226 | 1227 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
大型蓄電池の製造・販売に特段の新規性はないものの、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの普及拡大に伴い、電力安定化に不可欠な調整力に対する需要は増加しており、国内の大型蓄電池市場も拡大していることから、注目度は高いです。ここ数年で売上は急激に拡大しており、今期の損失も大幅に縮小見込みであることから、今回のIPO資金で工場を増設することで、早期の黒字転換も十分に期待できます。
▌需給・価格評価
IPOとしては大型案件で、既存株主の経営陣や出資企業にはロックアップが厳しめに入っているものの、募集株式がかなり多いため、需給はやや緩めです。また、公募比率が低いのはマイナス材料です。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
| 期待度 | 評価点 |
|---|---|
| 6.0 /15点 |
《IPOの評価指標》
| 供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は電気機器(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は電気機器(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は電気機器(グロース)の単純PER(25.10末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は電気機器(グロース)の単純PBR(25.10末時点)。 |
|---|---|---|---|---|
| 115.8 億円 | 1,784.1 % | -479.8 % | – 倍 | 7.0 倍 |
| 電気機器 | 4.2 % | 7.0 % | - 倍 | 2.8 倍 |
|---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,200円から+200円(+16.7%)高い1,400円と予想します。なお、AI予測値は1,686円となっており、これより低い弱気の予想としています。
| 初値予想 (想定価格比) | 1,400円(11/24予想) (+200円 / +16.7%) |
|---|---|
| 想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 1,200円 |
| 仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
| 公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
| 初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では14年3月に上場した日立マクセル(6810)の初値騰落率は-4.8%でした。
今回のIPOと同じ製造・機械関連関連に分類されるIPOは2007年以降110件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は63.6%、初値騰落率の平均は+33.4%(中央値+8.3%)となっています。
また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降170件で、勝率は54.1%、初値騰落率の平均は+15.6%(中央値+1.8%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
| 銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
|---|---|---|---|---|
| 日立マクセル | -4.8% | 765.9 | -9.4% | 0.4% |
| ダブル・スコープ | -8.0% | 81.6 | 35.5% | 9.5% |
▌製造・機械関連のIPO実績
(機械、電気機器、その他製品など)
| 製造・機械 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2025/11/24 現在)
製造・機械関連の直近IPO
| コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
|---|---|---|
| 429A テクセンド | 2025/10/16 | +19.0 % |
| 402A アクセルスペース | 2025/8/13 | +100.3 % |
| 368A 北里コーポ | 2025/6/25 | +49.3 % |
| 7790 バルコス | 2025/2/3 | +0.1 % |
| 285A キオクシアHD | 2024/12/18 | -1.0 % |
製造・機械のIPO騰落率分布
▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)
| 中大型以上 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2025/11/24 現在)
中大型以上の直近IPO
| コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
|---|---|---|
| 446A ノースサンド | 2025/11/21 | +7.1 % |
| 429A テクセンド | 2025/10/16 | +19.0 % |
| 438A インフキュリオン | 2025/10/24 | -7.1 % |
| 431A ユーソナー | 2025/10/17 | +17.5 % |
| 414A オーバーラップ | 2025/10/3 | -7.1 % |
中大型以上のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)