プログレス・テクノロジーズ グループ(339A)のIPO情報と初値予想

 プログレス・テクノロジーズ グループ(339A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、プログレス・テクノロジーズ グループのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『大手製造業向けデジタルソリューション・デジタルエンジニアリングサービスの提供』となっています。

会社名プログレス・テクノロジーズ グループ(339A)
所在地東京都江東区青海一丁目1番20号
設立日2020年6月30日
従業員数561人
業種サービス業

【企業サイト】
プログレス・テクノロジーズ グループ公式サイト
https://progresstech-group.jp/

事業解説
 ソリューション事業では、システム設計のコンサルティングから、最先端のデジタルツールの導入から定着支援までを行うデジタルエンジニアリングサービス、製品開発をプロジェクト単位で引き受けるプロジェクトサービスなど提供しています。また、エンジニアリング事業では、顧客のプロジェクトの一員として設計開発業務の支援を実行します。

沿革 

プログレス・テクノロジーズ グループのトップメッセージ

代表取締役 中山 岳人

 2005年のプログレス・テクノロジーズ創業以来、私たちは、日本の製造業に従事する人や会社と「共創」して、新しい価値や体験を生み出すこと、ものづくりを進化させることに努めてきました。

(引用:プログレス・テクノロジーズ グループHP
2005年6月
東京都港区にプログレス・テクノロジーズ㈱を設立
2005年8月
大手メーカー向けにコンサルティングサービス(現ソリューション事業)・エンジニアリングサービス(現エンジニアリング事業)を開始
2005年11月
東京都新宿区に本社を移転
2007年4月
東京都中野区にエンジニア育成を目的としたテクノロジーセンターを開設
2009年9月
東京都中野区に本社を移転し、テクノロジーセンターと統合
2012年9月
MATLAB/Simulinkによる受託開発・シミュレーションコンサルティングサービス(現ソリューション事業)を開始
2013年1月
構造解析、流体解析の受託開発から最適化までを実現するCAE/解析サービス(現ソリューション事業)を開始
2014年9月
ダッソー・システムズ㈱とパートナー契約を締結
2015年2月
東京都江東区に本社を移転
2016年1月
ダッソー・システムズ㈱から学術研究機関向けの製品Abaqusアカデミック販売権を移管
2017年8月
㈱ケーヒン(現日立Astemo㈱)と設計開発領域で業務提携し、プロジェクトサービス(現ソリューション事業)を開始
2017年9月
自社製品開発事業を開始し、クラウドファンディングで電子本「全巻一冊」を販売開始(2023年3月販売終了)
2020年6月
㈱PTS HD(現 当社)を東京都港区に設立
2020年7月
当社とジャフコ グループ㈱の戦略的資本提携を開始
2020年9月
プログレス・テクノロジーズ㈱にて、自社製品開発事業をリンクス㈱として新設分割
2020年9月
当社がプログレス・テクノロジーズ㈱をグループ会社化
2021年2月
プログレス・テクノロジーズ㈱にて、名古屋事業所を愛知県名古屋市西区に開設
2021年8月
プログレス・テクノロジーズ㈱にて、宇都宮プロジェクトオフィスを栃木県宇都宮市に開設
2021年10月
プログレス・テクノロジーズ㈱にて、エンジニアリングプロフェッショナルファーム実現のために、リブランディングを実施し、会社ロゴ・スローガンを刷新
2022年3月
プログレス・テクノロジーズ㈱にて、名古屋事業所を愛知県名古屋市中区に移転
2022年5月
プログレス・テクノロジーズ㈱にて、ダッソー・システムズ㈱とSIA(システム・インテグレーター・アライアンス)アグリーメントを締結
2022年6月
プログレス・テクノロジーズ㈱にて、新規事業開発室を新設し、最先端のドライビングシミュレータを用いたバーチャルテスト環境の提供を主軸とするシミュレーション&ソリューションサービス(現デジタルツイン事業)を開始
2023年3月
当社の商号を㈱PTS HDからプログレス・テクノロジーズ グループ㈱に変更
2023年3月
当社の本社を東京都江東区に移転
2023年3月
プログレス・テクノロジーズ㈱のデジタルツイン事業を継承する目的で、S&VL㈱を新設し、グループ会社化
2024年7月
プログレス・テクノロジーズ㈱にて、新潟イノベーションラボを新潟県新潟市中央区に開設
2024年7月
S&VL㈱にて、最先端ドライビングシミュレータを用いた研究所を群馬県太田市に開設

財務データ 

 2024年2月期の事業売上は5,116百万円で、構成比は事業別に、ソリューション50%デジタルツイン1.8%エンジニアリング48.2%となっています。

 前期(24.2)は長期プロジェクトの継続及び顧客単価の増加やソ需要の強いリューション事業への人的リソースの傾注を進めたことが奏功し、前期比で売上は7%増最終は696百万円で着地しました。

 今期(25.2)は主要顧客を中心に着実な取引深耕を進めたこと、より収益性の高い案件に人的リソースを傾注したこと等が奏功し、売上は10%増最終は734百万円を見込んでいます。1株利益は131.94円配当は0円予想としています。

 また来期(26.2)は、売上13.6%増、最終益は12.6%増を見込んでいます。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/32021/32022/22023/22024/2
売上高4,0103,9693,7164,7805,116
経常益7609178081,071996
最終益541600544730696
純資産2,9122,2242,7692,3523,060
総資産3,7323,2013,5057,8927,676
※単位は百万円、23.2から連結決算

▌事業別の売上内訳(2024.2)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が22.5%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が187.5%となっており、かなり厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 7,676 百万円売上高 5,116 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 22.5(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 15(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 22.7(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 129.4(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 187.5(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 39.9(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = 7(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は7,442千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)95.0%経営陣4.1%その他0.8%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
ジャフコSV6LPS76.02%90日
ジャフコSV6-SLPS19.01%90日
中山 岳人3.37%90日
澤井 大輔0.51%90日
長友 一郎0.22%90日
子会社従業員0.09%継続保有
子会社従業員0.07%継続保有
村松 英行0.05%90日
子会社従業員0.05%継続保有
子会社従業員0.03%継続保有
上記以外0.58%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 7,442千株(2025年2月21日現在)

?

4.10.895.0
308.6 千株– 千株61.3 千株7,072.2 千株
※新株予約権による潜在株式(370千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は18.6%と低く、売出される株式は、主にベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は147億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の46.7%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は82.7億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。707,200 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。707,200 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。3,671,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。3,100,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。571,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。4,378,200 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
147 億円13.4 億円48.918.6
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

3.80.848.746.7
※新株予約権による潜在株式(370千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは野村證券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になるマネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
野村證券(主幹事)-%-株
三菱UFJMS証券-%-株
SBI証券-%-株
大和証券-%-株
マネックス証券-%-株
アイザワ証券-%-株
東海東京証券-%-株
松井証券-%-株
あかつき証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
auカブコム証券三菱-株
CONNECT大和-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
9%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
18%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日2月21日(金)
抽選申込期間3月12日(水)~3月17日(月)
当選発表日3月18日(火)
購入申込期間3月19日(水)~3月25日(火)
上場日3月28日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
32333435363738
39310311312313314315
316317318319320321322
323324325326327328329
3303314142434445

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 システム開発関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度はまずまずです。ここ数年売上は着実に増加しており、利益も安定的に確保していることから、収益力は評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中大型案件で、VCが主要株主となっているもののロックアップは入っており、需給に大きな不安はありません。今期予想によるPERは14.3倍と業種平均29.8倍(サービス・グロース)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(25.1末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(25.1末時点)。
82.7 億円7.022.714.57.5
サービス業9.99.929.82.7
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,890円から+210円(+11.1%)高い2,100円と予想します。なお、AI予測値は2,614円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
2,100円(2/22予想)
+210円 / +11.1%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,890円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(2/22計算)

AI予測2,614円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+11.1+38.3+123.4+14.6
(想定価格比)(想定価格比)シス開発中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年6月に上場した豆蔵デジタルホールディングス(202A)の初値騰落率は+1.4%でした。

 今回のIPOと同じシステム開発関連に分類されるIPOは2007年以降113件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は91.2%、初値騰落率の平均は+123.4%(中央値+101.3%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降155件で、勝率は51.6%、初値騰落率の平均は+14.6%(中央値+1.1%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
豆蔵デジタルHD+1.4%65.88.2%57.8%
FIXER+36.0%29.421.8%11.4%
日本ビジネスシステムズ+20.2%39.810.0%12.0%

▌システム開発のIPO実績
(システムの受託開発や役務提供など)

シス開発勝率平均騰落率
113
(2007年以降)
91.2
(103件 / 113件)
+123.4
(Me:+101.3 %)

(2025/2/22 現在)

システム開発の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
5241 日本オーエー2024/12/23+9.1
304A フォルシア2024/12/26+108.0
228A オプロ2024/8/21+28.7
202A 豆蔵デジタルHD2024/6/27+1.4
175A ウィルスマート2024/4/16-4.6

シス開発のIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
155
(2016年以降)
51.6
(80件 / 155件)
+14.6
(Me:+1.1 %)

(2025/2/22 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
285A キオクシアHD2024/12/18-1.0
299A dely2024/12/19-16.6
290A Syns2024/12/19+53.3
287A 黒田グループ2024/12/17+26.4
286A ユカリア2024/12/12-8.0

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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