東京地下鉄[東京メトロ](9023)のIPO情報と初値予想【公開価格決定】
- 2024/10/15
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東京地下鉄[東京メトロ](9023)の東証プライムへの新規上場が承認されました。ここでは、東京地下鉄[東京メトロ]のIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『旅客鉄道事業の運営、都市・生活創造事業の運営』となっています。
会社名 | 東京地下鉄[東京メトロ](9023) |
---|---|
所在地 | 東京都台東区東上野三丁目19番6号 |
設立日 | 2004年4月1日 |
従業員数 | 11,598人 |
業種 | 陸運業 |
沿革
代表取締役社長 山村 明義
当社グループの歩みは、1920年、東京地下鉄道㈱の創立から始まりました。1927年に東洋初の地下鉄を開業、1941年には帝都高速度交通営団となり、20世紀後半の東京の発展を地下鉄ネットワークの拡充という点から支えてきました。2004年には、現在の東京地下鉄㈱(東京メトロ)として新たなスタートを切り、2024年に20周年を迎えました。
財務データ
2024年3月期の事業売上は3,893億円で、構成比はセグメント別に、運輸91%、不動産3.4%、流通・広告5.4%、その他0.1%となっています。
前期(24.3)は経済活動が活性化したこと等により、旅客運輸収入が増加し、前期比で売上は13%増、最終は463億円で着地しました。
今期(25.3)は新型コロナ流行以前の20年3月期比で約98%の水準まで回復する前提で、売上は5%増、最終は523億円を見込んでいます。1株利益は90円、配当は40円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2020/3 | 2021/3 | 2022/3 | 2023/3 | 2024/3 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 4,331 | 2,957 | 3,069 | 3,454 | 3,893 |
経常益 | 749 | △477 | △205 | 197 | 659 |
最終益 | 514 | △529 | △134 | 278 | 463 |
純資産 | 7,101 | 6,444 | 6,184 | 6,333 | 6,684 |
総資産 | 17,348 | 17,625 | 18,130 | 20,028 | 20,225 |
▌セグメント別の売上内訳(2024.3)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している陸運業64社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が19.6%など、やや高い数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が194.2%となっており、平均的な状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 20,225 億円 | 売上高 3,893 億円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は陸運業(64社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は581,000千株で、株式保有割合は、その他100.0%となっています。
株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
財務大臣 | 53.42% | 180日 |
東京都 | 46.58% | 180日 |
上記以外 | – |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 581,000千株(2024年9月20日現在)
– % | – % | 100.0 % | – % |
– 千株 | – 千株 | 581,000 千株 | – 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
今回のIPOでは募集株式の全てが売出し株式で、主にその他(国、東京都)の株式放出によるものです。初値形成にはかなりネガティブといえます。
上場する株式の時価総額は6,391億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の50.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は3,196億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 0 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 0 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 290,500,000 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 290,500,000 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 0 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 290,500,000 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
6,391 億円 | – 億円 | 50 % | 0 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
– % | – % | 50.0 % | – % | 50.0 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOでは野村證券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
野村證券(主幹事) | 32.28% | 75,008,200株 |
みずほ証券 | 32.28% | 75,008,200株 |
ゴールドマン・サックス証券 | 7.03% | 16,330,300株 |
三菱UFJMS証券 | 8.87% | 20,608,100株 |
SMBC日興証券 | 6.44% | 14,966,700株 |
大和証券 | 6.44% | 14,966,700株 |
SBI証券 | 1.37% | 3,174,300株 |
岡三証券 | 0.79% | 1,840,100株 |
東海東京証券 | 0.79% | 1,840,100株 |
楽天証券 | 0.79% | 1,840,100株 |
岩井コスモ証券 | 0.35% | 805,000株 |
松井証券 | 0.35% | 805,000株 |
マネックス証券 | 0.35% | 805,000株 |
アイザワ証券 | 0.15% | 345,000株 |
あかつき証券 | 0.15% | 345,000株 |
極東証券 | 0.15% | 345,000株 |
東洋証券 | 0.15% | 345,000株 |
丸三証券 | 0.15% | 345,000株 |
合計 | 100% | 229,722,800株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
auカブコム証券 | 三菱 | 618,300株 |
CONNECT | 大和 | 149,700株 |
岡三オンライン | 岡三 | 2,000株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | 554,311本 |
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抽選 | 60,007本 |
裁量 | 494,304本 |
個人 | 640,570本 |
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抽選 | 81,759本 |
裁量 | 558,811本 |
個人 | 158,682本 |
---|---|
抽選 | 18,135本 |
裁量 | 140,547本 |
個人 | 127,666本 |
---|---|
抽選 | 19,008本 |
裁量 | 108,658本 |
個人 | 116,142本 |
---|---|
抽選 | 26,341本 |
裁量 | 89,801本 |
個人 | 27,489本 |
---|---|
抽選 | 14,126本 |
裁量 | 13,363本 |
個人 | 16,414本 |
---|---|
抽選 | 16,414本 |
裁量 | –本 |
個人 | 12,347本 |
---|---|
抽選 | 12,126本 |
裁量 | 221本 |
個人 | 16,561本 |
---|---|
抽選 | 16,561本 |
裁量 | –本 |
個人 | 7,213本 |
---|---|
抽選 | 869本 |
裁量 | 6,344本 |
個人 | 7,245本 |
---|---|
抽選 | 7,245本 |
裁量 | –本 |
個人 | 7,245本 |
---|---|
抽選 | 7,245本 |
裁量 | –本 |
個人 | 6,183本 |
---|---|
抽選 | 6,183本 |
裁量 | –本 |
個人 | 1,497本 |
---|---|
抽選 | 1,497本 |
裁量 | –本 |
個人 | 20本 |
---|---|
抽選 | 20本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 9月20日(金) |
---|---|
抽選申込期間 | 10月8日(火)~10月11日(金) |
当選発表日 | 10月15日(火) |
購入申込期間 | 10月16日(水)~10月21日(月) |
上場日 | 10月23日(水) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
929 | 930 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 |
106 | 107 | 108 | 109 | 1010 | 1011 | 1012 |
1013 | 1014 | 1015 | 1016 | 1017 | 1018 | 1019 |
1020 | 1021 | 1022 | 1023 | 1024 | 1025 | 1026 |
1027 | 1028 | 1029 | 1030 | 1031 | 111 | 112 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
旅客鉄道事業に特段の新規性はなく、注目度は低いです。事業内容的に売上の大きな伸びは期待できませんが、事業基盤は盤石で、利益も新型コロナ以前の水準に回復しつつあり、収益性は評価できます。
▌需給・価格評価
IPOとしては超大型案件で、株主は国と東京都といった安定株主しかいないものの、需給はかなり緩いです。今期予想によるPERは12.2倍と業種平均14.2倍と比較してほぼ同水準です。また、予想配当利回り3.6%はかなり魅力的です。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。
期待度 | 評価点 |
---|---|
5.5 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は陸運業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は陸運業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は陸運業(プライム)の単純PER(24.8末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は陸運業(プライム)の単純PBR(24.8末時点)。 |
---|---|---|---|---|
3,196 億円 | 12.7 % | 6.9 % | 13.8 倍 | 1.0 倍 |
陸運業 | 6.7 % | 6.2 % | 14.2 倍 | 1.0 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格1,200円から+100円(+8.3%)高い1,300円と予想します。なお、AI予測値は1,476円となっており、これより低い弱気の予想としています。
初値予想 (公開価格比) | 1,300円(10/15予想) (+100円 / +8.3%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 1,100円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | 1,100円 ~ 1,200円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | 1,200円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (– / –) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では16年10月に上場した九州旅客鉄道(9142)の初値騰落率は+19.2%でした。
今回のIPOと同じ運輸・公共事業関連に分類されるIPOは2007年以降14件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は71.4%、初値騰落率の平均は+17.7%(中央値+10.0%)となっています。
また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降143件で、勝率は52.4%、初値騰落率の平均は+15.1%(中央値+1.4%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
九州旅客鉄道 | +19.2% | 3920.0 | 5.8% | -141.7% |
▌運輸・公共事業のIPO実績
(陸運・海運・空運、電気・ガス事業など)
運輸・公共 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
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(2024/9/26 現在)
運輸・公共事業の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
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176A レジル | 2024/4/24 | +0.4 % |
9204 スカイマーク | 2022/12/14 | +8.7 % |
9522 RJ | 2021/12/22 | -7.6 % |
9145 ビイングHD | 2020/12/15 | +47.9 % |
9143 SGホールディングス | 2017/12/13 | +17.3 % |
運輸・公共のIPO騰落率分布
▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)
中大型以上 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2024/9/26 現在)
中大型以上の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
215A タイミー | 2024/7/26 | +27.6 % |
202A 豆蔵デジタルHD | 2024/6/27 | +1.4 % |
197A タウンズ | 2024/6/20 | -6.5 % |
186A アストロスケール | 2024/6/5 | +50.7 % |
176A レジル | 2024/4/24 | +0.4 % |
中大型以上のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)