ブッキングRの初値は公開価格を25%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/2/21
  •  
ブッキングリゾート上場

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
ブッキングリゾート
初値:1,550 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したブッキングリゾート<324a>は、公開価格と同じ1,240円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時40分頃に公開価格を310円(+25%)上回る1,550円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から買いが殺到し、一気にストップ高となる1,950円まで買われ、以降はストップ高に張り付き、そのまま上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は548万株でした。

ブッキングR( 324A )

▌株価情報(2025/02/21 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
1,950
+25.8
+400
+57.3
+710
始値高値安値出来高
1,5501,9501,500548 万株
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sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたブッキングリゾートですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、ブッキングリゾートの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で10~50%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。

 ブッキングリゾートの初値は公開価格比で+25%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で10~50%未満だった247銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+10.8%、中央値(Me)で-10.2%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は40.5%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
247
(2012年以降)
40.5
(100件 / 247件)
+10.8
(Me:-10.2 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
4447 ピー・ビーシステ2019/9/12+377.5
3457 ハウスドゥ2015/3/25+343.0
4475 HENNGE2019/10/8+302.3
5254 Arent2023/3/28+299.9

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌サービス業(その他)の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 ブッキングリゾートと同じサービス業(その他)の銘柄(2012年以降上場の106銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+11.9%、中央値(Me)で-16.7%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は35.8%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは19年6月上場のユーピーアール(7065)+401.3%、最も下落したのは22年11月上場のウェルプレイド・ライゼスト(9565)-82.1%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
106
(2012年以降)
35.8
(38件 / 106件)
+11.9
(Me:-16.7 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
6544 ジャパンエレベー2017/3/17+396.2
7094 NexTone2020/3/30+371.1
6029 アトラ2014/12/16+252.1
9560 プログリット2022/9/29+251.4

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、今後はやや厳しいパフォーマンスとなることが予想されます。

 なお、初値(1,550円)は当サイトの予想(1,500円)とほぼ同水準で、予想通りの結果となりました。また、AIの予測値は1,726円でした。初値寄り付き後から一気にストップ高まで上昇し、その後終日ストップ高で張り付いた状況から、買い需要はかなり強いと思われます。

 今期(25.4)の業績予想は、前期比で売上高は+35.7%の1,436百万円、最終損益は+33.1%の363百万円となっています。グランピングに特化した事業は、顧客ニーズがニッチなことから急速な収益拡大は難しいものの、その分ライバル会社も少なく、今後も安定した収益基盤のもとで緩やかな発展が期待できます。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率+25 %

+21.0+39.2+46.3+68.5
(公開価格比)(公開価格比)サービス業中小型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER23.3倍と業種平均25.1倍(サービス業/グロース)と比べてほぼ同水準です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、2,000~2,500円前後で推移していくものと予想します。







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