ブッキングリゾート(324A)のIPO情報と初値予想【仮条件決定】

 ブッキングリゾート(324A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ブッキングリゾートのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『旅行者の予約獲得を目的とした、宿泊施設の集客支援事業及び直営宿泊事業』となっています。

会社名ブッキングリゾート(324A)
所在地大阪府大阪市北区梅田二丁目6番20号15階
設立日2013年5月27日
従業員数35人
業種サービス業

【企業サイト】

https://www.booking-resort.jp/

事業解説
 集客支援事業では、特定のニーズに特化した予約プラットフォームとして、グランピング施設及びリゾート施設を掲載する「リゾートグランピングドットコム」並びにペットツーリズムに対応した施設を掲載する「いぬやど」を運営をしています。また、直営宿泊事業では、大型のドッグランを完備した「ドッグヴィラ千葉南房総」のほか、複合施設「秩父リゾート」を運営しています。

沿革 

ブッキングリゾートのトップメッセージ

代表取締役 坂根 正生

 観光業は日本経済を支える大きな役割を担っている産業です。国内では、過疎化が進む地域の中で、そこにしかない魅力やコンテンツを体感できる観光業こそが地域活性化の最大の施策と考えています。当社では、観光業を世界で戦える産業と考え、業界をUP DATEしていきたいと考えています。

(引用:ブッキングリゾートHP
2013年5月
兵庫県神戸市中央区に㈱サカネット(資本金5,000千円)を設立 経営者へのインタビューメディア事業を開始
2015年11月
親会社グループが所有する本社ビルの売却に伴い、 本社を大阪府大阪市北区梅田二丁目6番20号15階に移転
2019年6月
集客支援事業を開始し、グランピング施設及びリゾートヴィラ等、リゾート施設に特化した予約プラットフォーム「リゾートグランピングドットコム」を開設
2019年10月
㈱ブッキングリゾートに商号変更
2023年2月
直営宿泊事業を開始し、ドッグヴィラ千葉南房総(千葉県南房総市)を開業ペットツーリズムに特化した予約プラットフォーム「いぬやど」を開設
2024年4月
直営宿泊施設「RIVERSIDE CAMP FIELD CHICHIBU」(埼玉県秩父市)を開業
2024年7月
直営宿泊施設「秩父別邸 木叢-komura-」(埼玉県秩父市)を開業

財務データ 

 2024年4月期の事業売上は1,059百万円で、構成比はセグメント別に、集客支援88.6%直営宿泊11.5%となっています。

 前期(24.4)は積極的な広告運用により、集客支援事業での新規掲載施設数が順調に増加したことで、前期比で売上は43%増最終は273百万円で着地しました。

 今期(25.4)は直営宿泊事業で24年4月に「RIVERSIDE CAMP FIELD CHICHIBU」、同7月には「秩父別邸-木叢-」を開業したこともあり、2Q累計は売上・利益ともに前期を大幅に上回る水準で推移しています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/42021/42022/42023/42024/4
売上高11793587431,059
経常益△242172255389
最終益△242136184273
純資産△101△14122706979
総資産16632711,2381,505
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.4)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が36.2%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が131.1%となっており、かなり厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 1,505 百万円売上高 1,059 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 36.2(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 25.5(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 27.9(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 131.1(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 117.5(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 65(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = 42.5(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は5,400千株で、株式保有割合は、関係会社64.8%その他35.2%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
エス・エヌ・ホールディングス(有)64.81%180日
㈱にしがき7.59%
㈱デジタルストレージ3.80%
㈱グランシーズ3.80%180日
㈱ゆめゆめらいふ0.93%
村上 真之助0.93%180日
㈱B&V0.93%180日
㈱B&Vホールディングス0.93%180日
日本商事㈱0.93%180日
エスオール㈱0.56%
上記以外14.79%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 5,400千株(2025年1月17日現在)

?

64.835.2
– 千株3,500 千株1,900 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式なし。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は20.9%と低く、売出される株式は、主にその他(にしがき、デジタルストレージ等)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は68.4億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の25.1%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は19.8億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。300,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。300,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。1,346,800 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。1,132,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。214,800 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。1,646,800 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
68.4 億円3.6 億円25.120.9
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

58.416.525.1
※新株予約権による潜在株式なし。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
SMBC日興証券(主幹事)93.05%1,532,400株
野村證券1.74%28,600株
みずほ証券1.74%28,600株
三菱UFJMS証券1.74%28,600株
SBI証券0.87%14,300株
西村証券0.87%14,300株
合計100%1,646,800株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
auカブコム証券三菱900株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

10%
個人10,451本
抽選1,471
裁量8,980
9%
個人242本
抽選27
裁量215
11%
個人244本
抽選31
裁量213
9%
個人220本
抽選25
裁量195
45%
個人124本
抽選64
裁量60
100%
個人9本
抽選9
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日1月17日(金)
抽選申込期間2月5日(水)~2月12日(水)
当選発表日2月13日(木)
購入申込期間2月14日(金)~2月19日(水)
上場日2月21日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
12612712812913013121
22232425262728
29210211212213214215
216217218219220221222
22322422522622722831

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 宿泊施設の予約事業に特段の新規性はなく、注目度は低いです。ここ数年で売上・利益ともに順調に拡大しており、特に利益率は高い水準にあり、収益性はかなり評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主には安定株主しかおらずロックアップも厳しめのため、需給に不安はありません。ただ、公募比率が低いのはマイナス材料になります。想定価格でPER25.1倍(前期ベース)は業種平均31.3倍(サービス・グロース)と比較してやや割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

  供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。  成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(24.12末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(24.12末時点)。
19.8 億円42.527.925.15.3
サービス業9.99.931.32.6
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,200円から+400円(+33.3%)高い1,600円と予想します。なお、AI予測値は1,659円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,600円(1/24予想)
+400円 / +33.3%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,200円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。1,200円 ~ 1,240円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。未発表
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
/

▌AIの予測値(1/24更新)

1,659円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+33.3+38.3+46.3+68.5
(想定価格比)(想定価格比)サービス業中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年11月に上場したtripla(5136)の初値騰落率は+102.5%でした。

 今回のIPOと同じサービス業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降162件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.3%、初値騰落率の平均は+46.3%(中央値+27.0%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降227件で、勝率は88.5%、初値騰落率の平均は+68.5%(中央値+51.9%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
tripla+102.5%7.671.5%-86.0%
ベルトラ+33.9%12.922.2%6.5%
ベストワンドットコム+242.5%5.227.7%12.5%

▌サービス業(その他)のIPO実績
(サービス業のうち他に分類されない企業など)

サービス業勝率平均騰落率
162
(2007年以降)
75.3
(122件 / 162件)
+46.3
(Me:+27.0 %)

(2025/1/24 現在)

サービス業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
300A MIC2024/12/25±0.0
291A リスキル2024/12/17+29.8
288A ラクサス2024/12/13+51.6
264A Schoo2024/10/22+10.3
261A 日水コン2024/10/16-6.2

サービス業のIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
227
(2016年以降)
88.5
(201件 / 227件)
+68.5
(Me:+51.9 %)

(2025/1/24 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
302A ビースタイルHD2024/12/27+60.6
298A GVATECH2024/12/26+1.4
300A MIC2024/12/25±0.0
296A 令和AH2024/12/23+44.7
280A TMH2024/12/4+41.9

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















セカンダリー

24年10月以降のIPO銘柄

(25/02/07 15:00)

銘柄
(上場日)
現在値
(初値)
初値比
(金額差)
地合い
技術承継機構
319A(2/5)
3,255
2,700
+ 20.6
+ 555
バルコス
7790(2/3)
1,260
1,401
- 10.1
- 141
日本オーエー
5241(12/23)
850
600
+ 41.7
+ 250
ビースタイルHD
302A(12/27)
1,645
3,325
- 50.5
- 1,680
visumo
303A(12/26)
1,431
1,036
+ 38.1
+ 395
フォルシア
304A(12/26)
2,382
3,640
- 34.6
- 1,258
キオクシアHD
285A(12/18)
1,697
1,440
+ 17.8
+ 257
GVATECH
298A(12/26)
597
700
- 14.7
- 103
アルピコHD
297A(12/25)
256
201
+ 27.4
+ 55
MIC
300A(12/25)
981
960
+ 2.2
+ 21
dely
299A(12/19)
1,215
1,001
+ 21.4
+ 214
令和AH
296A(12/23)
529
521
+ 1.5
+ 8
Syns
290A(12/19)
912
736
+ 23.9
+ 176
リスキル
291A(12/17)
3,160
4,840
- 34.7
- 1,680
黒田グループ
287A(12/17)
953
885
+ 7.7
+ 68
ラクサス
288A(12/13)
259
426
- 39.2
- 167
ユカリア
286A(12/12)
991
975
+ 1.6
+ 16
インフォメティス
281A(12/9)
1,126
993
+ 13.4
+ 133
TMH
280A(12/4)
1,178
2,128
- 44.6
- 950
グロービング
277A(11/29)
9,300
5,600
+ 66.1
+ 3,700
テラドローン
278A(11/29)
7,360
2,162
+ 240.4
+ 5,198
ククレブ
276A(11/28)
2,810
1,250
+ 124.8
+ 1,560
ガーデン
274A(11/22)
2,908
3,060
- 5.0
- 152
Sapeet
269A(10/29)
3,810
2,285
+ 66.7
+ 1,525
エイチエムコム
265A(10/28)
1,025
1,128
- 9.1
- 103
リガク
268A(10/25)
975
1,205
- 19.1
- 230
東京メトロ
9023(10/23)
1,747.0
1,630
+ 7.2
+ 117
Schoo
264A(10/22)
1,324
761
+ 74.0
+ 563
伸和HD
7118(10/21)
2,760
1,530
+ 80.4
+ 1,230
インターメス
262A(10/18)
2,127
2,038
+ 4.4
+ 89
日水コン
261A(10/16)
1,700
1,341
+ 26.8
+ 359
オルツ
260A(10/11)
542
570
- 4.9
- 28
ケイ・ウノ
259A(10/8)
1,363
2,134
- 36.1
- 771
シマダヤ
250A(10/1)
1,456
1,760
- 17.3
- 304

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