プリモグローバルホールディングス(367A)のIPO情報と初値予想

 プリモグローバルホールディングス(367A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、プリモグローバルホールディングスのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『ブライダルジュエリーの企画・販売』となっています。

会社名プリモグローバルホールディングス(367A)
所在地東京都中央区銀座五丁目12番5号
設立日2020年12月14日
従業員数1,032人
業種小売業

【企業サイト】
プリモグローバルホールディングス公式サイト
https://www.primoghd.co.jp/

事業解説
 ブライダルジュエリー事業として、自社ブランドの「I-PRIMO」と「LAZARE DIAMOND」、提携ブランドの「K.UNO」と「STAR JEWELRY」の4つのブランドを、日本国内87店舗、海外45店舗(台湾16 香港5 中国本土24)で取り扱っています。特に、 I-PRIMOでは神話や星座、和をモチーフにしたデザインで、 LAZARE DIAMONDでは「アイディアルメイク」のダイヤモンドを使用した商品を展開しています。

沿革 

プリモグローバルホールディングスのトップメッセージ

代表取締役社長 澤野 直樹

 創業から25年を越え、私たちの事業は海を渡り、現在は国内外で130店舗を数えるまでになりました。時を超え、場所が変わっても、ブライダルジュエリーを通じて「最高の夢を最高の幸に」変えるお手伝いを、これからも続けてまいります。

(引用:プリモグローバルホールディングスHP
1999年4月
東京都中央区において、ブライダルジュエリーの販売、ITサービスの運営並びにベンチャー企業への投資を目的として㈱スピードクリエイションを設立
1999年7月
I-PRIMO 銀座本店を同ブランド1号店として開設
1999年12月
商号を㈱スピードグループに変更
2003年6月
ラザール・キャプラン・インターナショナル・インクの日本支社である、ラザール・キャプラン・ジャパン・インクとの販売店契約に基づきラザール ダイヤモンド ブティック銀座本店を同ブランド1号店として開設
2004年5月
商号をプリモ・ジャパン㈱に変更
2007年5月
台湾での事業展開を目的とし、Primo Diamond Taiwan Inc.を設立
2007年10月
I-PRIMO 忠孝旗艦店を台湾1号店として開設
2011年9月
香港での事業展開を目的とし、Primo Diamond Hong Kong Ltd.を設立
2012年10月
I-PRIMO Causeway Bay Flagship Storeを香港1号店として開設
2015年11月
中国本土での事業展開を目的とし、Primo Diamond Shanghai Trading Co.,LTD.を設立
2016年7月
I-PRIMO 香港広場店を中国本土1号店として開設
2017年7月
グローバル通算100店舗に到達
2019年4月
㈱ケイ・ウノとの共同出資によりKuno Primo Co.,Ltd.を設立
2019年8月
Kuno Primo Co.,Ltd.よりK.UNO 台北忠孝旗艦店を台湾1号店として開設
2020年12月
プリモ・ジャパン㈱の持株会社であるPJホールディングス㈱を設立
2021年4月
PJホールディングス㈱の商号をプリモグローバルホールディングス㈱に変更
2021年5月
I-PRIMO 米子しんまち天満屋店を開設し、販売エリアを全国47都道府県に拡大
2022年1月
シンガポールでの事業展開を目的とし、Primo Diamond Singapore Pte.Ltd.設立
2022年11月
I-PRIMO ION Orchard Storeをシンガポール1号店として開設
2022年11月
㈱スタージュエリーブティックスと海外展開に関する業務提携契約を締結
2023年5月
STAR JEWELRY Shanghai Grand Gateway 66 Store を「STAR JEWELRY」の中国本土1号店として開設
2023年9月
STAR JEWELRY Shin Kong Mitsukoshi Xinyi Place A8 Storeを「STAR JEWELRY」の台湾1号店として開設
2023年10月
ラザール・キャプラン・インターナショナル・インクとラザール・キャプラン・ジャパン・インクより、日本における「LAZARE DIAMOND」の商標権及び独占販売権等の権利を取得し、全国の百貨店や小売店への商品供給を開始

財務データ 

 2024年8月期の事業売上は249億円で、構成比はセグメント別に、国内事業61.4%海外事業38.6%となっています。

 前期(24.8)は中国の景気低迷に伴う買い控えなどの影響で海外事業は減収も、商品価格の見直しやリブランディングで国内事業が伸長し、前期比で売上は6%増最終は12億円で着地しました。

 今期(25.8)は国内では有力商業施設内への移転や改装を進めるほか、海外事業では中国本土や東南アジアといった出店余地のある市場における出店の推進することで、売上は8%増最終は16億円を見込んでいます。1株利益は188.52円配当は95円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期-/-2021/82022/82023/82024/8
売上高00235249
経常益△7△5817
最終益△7△5912
純資産8076144157
総資産284272442454
※単位は億円、23.8から連結決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.8)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している小売業335社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が9%など、やや高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が216.5%となっており、やや厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 454 億円売上高 249 億円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 9(μ:2.1 Me:2.8
総資本営業利益率 = 4.9(μ:3.2 Me:4
自己資本利益率 = 7.6(μ:-14.8 Me:6.7
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 120.9(μ:171.3 Me:142.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 216.5(μ:181.5 Me:110.9
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 34.6(μ:43.3 Me:44.4
成長性指標
売上高成長率 = 6(μ:7.5 Me:5.6

※カッコ内の数値は小売業(335社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は9,612千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)89.9%経営陣6.5%その他3.6%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
プリモ・インテグラル2LPS75.27%180日
Innovation Alpha Primo L.P.11.94%180日
澤野 直樹(社長)2.73%180日
プリモ・インテグラル1LPS2.70%180日
藤江 秀一1.09%180日
田邊 健一0.55%継続保有
沖 康輔0.45%継続保有
執行役員及び従業員0.36%継続保有
谷本 有輝典0.36%継続保有
宮田 智崇0.36%継続保有
上記以外4.19%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 9,612千株(2025年5月21日現在)

?

6.53.689.9
625.4 千株– 千株344.6 千株8,642.2 千株
※新株予約権による潜在株式(865.1千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが売出し株式で、主にベンチャーキャピタル(VC)(SOMPOなど)の株式放出によるものです。初値形成にはかなりネガティブといえます。

 上場する株式の時価総額は195.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の67.3%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は166.2億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。0 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。0 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。7,436,800 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。6,466,800 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。970,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。7,436,800 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
195.5 億円 億円73.90
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

6.53.622.667.3
※新株予約権による潜在株式(865.1千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
みずほ証券(主幹事)-%-株
SMBC日興証券-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
マネックス証券-%-株
松井証券-%-株
岡三証券-%-株
東海東京証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
水戸証券-%-株
極東証券-%-株
あかつき証券-%-株
丸三証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
13%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日5月21日(水)
抽選申込期間6月9日(月)~6月13日(金)
当選発表日6月16日(月)
購入申込期間6月17日(火)~6月20日(金)
上場日6月24日(火)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
61626364656667
6869610611612613614
615616617618619620621
622623624625626627628
6296307172737475

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 ブライダルジュエリーの企画・販売に特段の新規性はなく、注目度は低いです。中国の景気減速に伴う海外事業の不振で、ここ数年売上は横ばいが続いており、成長性にやや課題があります。ただ、利益は安定的に確保しており、収益の安定性は高いです。

▌需給・価格評価

 IPOとして大型案件で、VCが株主の過半以上を占めており、ロックアップは設定されているものの、需給は緩いです。また、募集株式の全てが売出しなのもマイナス材料です。今期利益予想によるPERは11.9倍と業種平均20倍(小売・スタンダード)と比較して割安で、配当利回りは4.2%とかなり魅力的です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。

期待度評価点
 5.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は小売業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は小売業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は小売業(スタンダード)の単純PER(25.4末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は小売業(スタンダード)の単純PBR(25.4末時点)。
166.2 億円6.07.617.01.2
小売業5.66.720.01.3
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格2,235円から+165円(+7.4%)高い2,400円と予想します。なお、AI予測値は2,482円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
2,400円(5/21予想)
+165円 / +7.4%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。2,235円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(5/21計算)

AI予測2,482円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+7.4+11.1+56.4+14.6
(想定価格比)(想定価格比)小売業中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年10月に上場したケイ・ウノ(259A)の初値騰落率は-8.0%でした。

 今回のIPOと同じ小売業(飲食除く)関連に分類されるIPOは2007年以降82件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.6%、初値騰落率の平均は+56.4%(中央値+25.4%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降160件で、勝率は53.1%、初値騰落率の平均は+14.6%(中央値+1.5%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
ケイ・ウノ-8.0%5.36.0%9.2%
クロスフォー+44.0%12.418.2%34.1%

▌小売業(飲食除く)のIPO実績
(家具・雑貨などの通販サイトの運営)

小売業勝率平均騰落率
82
(2007年以降)
75.6
(62件 / 82件)
+56.4
(Me:+25.4 %)

(2025/5/21 現在)

小売業(飲食除く)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
297A アルピコHD2024/12/25+5.2
262A インターメス2024/10/18+25.0
259A ケイ・ウノ2024/10/8-8.0
141A トライアル2024/3/21+30.3
5892 yutori2023/12/27+12.3

小売業のIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
160
(2016年以降)
53.1
(85件 / 160件)
+14.6
(Me:+1.5 %)

(2025/5/21 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
350A デジタルグリッド2025/4/22+17.5
339A プログレス2025/3/28+1.5
336A ダイナミクマップ2025/3/27+27.5
5016 JX金属2025/3/19+2.8
325A TENTIAL2025/2/28+30.0

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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