ウェルネスCの初値は公開価格を33%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/6/23
  •  
ウェルネス・コミュニケーションズ上場

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
ウェルネス・コミュニケーションズ
初値:3,300 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したウェルネス・コミュニケーションズ<366A>は、公開価格と同じ2,480円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時55分頃に公開価格を820円(+33.1%)上回る3,300円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗するも、その後は順調に買いを集め、売りをこなしつつ株価は上昇し、後場に入りやや売りに押されるも引けに掛けて再び買われ、最終的に終値3,660円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は767万株でした。

ウェルネスC( 366A )

▌株価情報(2025/06/23 15:30)

現在値(終値)初値比公開価格比
3,660
+10.9
+360
+47.6
+1,180
始値高値安値出来高
3,3003,9653,235767 万株
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたウェルネス・コミュニケーションズですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、ウェルネス・コミュニケーションズの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で10~50%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。

 ウェルネス・コミュニケーションズの初値は公開価格比で+33.1%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で10~50%未満だった256銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+9.3%、中央値(Me)で-10.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は39.8%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
256
(2012年以降)
39.8
(102件 / 256件)
+9.3
(Me:-10.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
4447 ピー・ビーシステ2019/9/12+377.5
3457 ハウスドゥ2015/3/25+343.0
4475 HENNGE2019/10/8+302.3
5254 Arent2023/3/28+299.9

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌サービス業(その他)の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 ウェルネス・コミュニケーションズと同じサービス業(その他)の銘柄(2012年以降上場の110銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+9.9%、中央値(Me)で-20.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は34.5%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは19年6月上場のユーピーアール(7065)+401.3%、最も下落したのは22年11月上場のウェルプレイド・ライゼスト(9565)-82.1%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
110
(2012年以降)
34.5
(38件 / 110件)
+9.9
(Me:-20.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
6544 ジャパンエレベー2017/3/17+396.2
7094 NexTone2020/3/30+371.1
6029 アトラ2014/12/16+252.1
9560 プログリット2022/9/29+251.4

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、やや厳しめのパフォーマンスが予想されます。

 なお、初値(3,300円)は当サイトの予想(2,800円)を上回り、想定より買い需要が強い結果となりました。また、AIの予測値は3,145円でした。初値寄り付き後からストップ高近くまで買われ、後場に一時売られるも、最終的には10%超の上昇で終えたところを見ると、短期的には買い優勢の展開が続きそうです。

 今期(26.3)の業績予想は、前期比で売上高は+5.2%の14,790百万円、最終損益は+10.2%の855百万円となっています。健康管理クラウドシステムである「Growbase」が業績を牽引しており、産業医が常駐している企業や独自の健康管理業務を行いたい企業向けの機能が充実したGrowbaseプレミアム/スタンダードエディションの26年3末のID数については前期比で9%増の1,902,104IDを見込んでいます。今後も一定程度の事業拡大は続くと予想され、また売上の増加に伴い利益も順調に増加していることから、株価はしばらくは堅調に推移しそうです。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率 +33.1 %

+12.9+26.8+45.3+33.4
(公開価格比)(公開価格比)サービス業中型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER22.7倍と業種平均24.7倍(サービス業/グロース)と比べてほぼ同水準です。また、配当利回りは1.3%です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、3,000~4,000円前後で推移していくものと予想します。







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