dely[デリー](299A)のIPO情報と初値予想【初値決定】

 dely[デリー](299A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、dely[デリー]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『『クラシル』、『クラシルリワード』をはじめとする複数のスマートフォンアプリおよびWebメディアの運営。そのほか、人材プラットフォーム事業およびクリエイターマネジメント事業の運営を行う』となっています。

会社名dely[デリー](299A)
所在地東京都港区芝浦三丁目1番1号
設立日2014年4月22日
従業員数209人
業種サービス業

【企業サイト】

https://dely.jp/

事業解説
 国内最大級のレシピ動画プラットフォーム「クラシル」では、従来の写真や文章を中心としたレシピサービスとは異なり、調理工程を短時間でわかりやすい動画にまとめて紹介する「かんたんにおいしく作れるレシピ」動画コンテンツを25万件以上提供しています。アプリの累計ダウンロード数は4,300万超、YouTubeの総再生回数は6億4,700万超。
dely[デリー]の事業説明
(画像:dely[デリー]HP

沿革 

dely[デリー]のトップメッセージ

代表取締役 堀江 裕介

 創業当初、何度も失敗し倒産寸前まで追い込まれた私たちが偶然見つけた事業が、料理によって”80億人に1日3回の幸せを届ける”ことを目指すクラシルでした。料理によって世界は少し良くなるという確信はありました。

(引用:dely[デリー]HP
2014年4月
東京都渋谷区においてdely㈱設立 フードデリバリー事業を開始
2015年3月
キュレーションメディア事業を開始
2016年2月
キュレーションメディア「クラシル」をレシピ動画サービスkurashiru(クラシル)としてリニューアル
2016年5月
「kurashiru(クラシル)」iOS版アプリ提供を開始
2016年7月
本社を東京都品川区に移転 「kurashiru(クラシル)」Android版アプリ提供を開始
2018年7月
料理動画サービスmogooを運営する㈱スタートアウツを完全子会社化
2018年7月
ヤフー㈱(現LINEヤフー㈱)による当社の連結子会社化及び同社との資本提携を開始
2019年3月
ヤフー㈱(現LINEヤフー㈱)よりライフスタイルメディア「TRILL」(トリル)を運営するTRILL㈱を取得し、同社を連結子会社化
2019年7月
デザインインキュベーション事業を営む㈱Basecampを完全子会社化
2020年4月
TRILL㈱を吸収合併
2020年11月
本社を東京都港区に移転
2022年7月
お買い物サポートアプリ「Hops(現クラシルリワード)」のアプリ提供を開始
2023年2月
㈱ENLOOPを買収(注4)、クリエイターマネジメント事業「LIVEwith」(ライブウィズ)を開始
2023年11月
人材プラットフォーム事業「クラシルジョブ」を開始

財務データ 

 2024年3月期の事業売上は9,898百万円で、構成比はサービス別に、メディア74.7%購買6.3%その他19%となっています。

 前期(24.3)は「クラシルリワード」の広告・アフィリエイト・マストバイ収益の伸長及びライブ配信売上が好調に推移し、前期比で売上は42%増最終は1,483百万円で着地しました。

 今期(25.3)は「クラシル比較」のアフィリエイト収益の伸長により好調に推移したこと等により、2Q累計は売上・利益ともに前期をやや上回るペースで推移しています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/32021/32022/32023/32024/3
売上高1,3695,2846,3116,9739,898
経常益△2301,4151,7252,0762,325
最終益△2341,9491,8181,3151,483
純資産2,3354,2846,1017,4228,907
総資産2,9425,0116,6468,97710,535
※単位は百万円、単体決算

▌サービス別の売上内訳(2024.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が23.6%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が527.6%となっており、かなり良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 10,535 百万円売上高 9,898 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 23.6(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 22.2(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 16.6(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 527.6(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 21.8(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 84.5(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = 41.9(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は45,146千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)33.9%関係会社31.2%経営陣24.4%その他10.4%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、一部VCにロックアップが入っていないのは不安材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
LINEヤフー㈱31.25%360日
堀江 裕介(社長)23.55%360日
YJ2号投資事業組合14.58%360日
ジャフコSV5共有LPS無限責任組合員13.56%
ジャフコSV5スターLPS3.39%
ユナイテッド㈱2.83%
従業員?1.52%
Kepple Liquidity1号LPS1.37%360日
イーストベンチャーズLPS1.00%
佐藤 裕介0.90%
上記以外6.05%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 45,146千株(2024年11月21日現在)

?

24.431.210.433.9
11,035.3 千株14,107 千株4,699 千株15,305 千株
※新株予約権による潜在株式(3,833.3千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが売出し株式で、主にベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはかなりネガティブといえます。

 上場する株式の時価総額は483.4億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の28.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は169.9億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。0 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。0 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。14,519,600 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。12,625,800 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。1,893,800 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。14,519,600 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
483.4 億円 億円30.60
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

18.831.26.116.028.0
※新株予約権による潜在株式(3,833.3千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは三菱UFJMS証券が主幹事となっており、割当株数の7%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
三菱UFJMS証券(主幹事)40.18%5,833,300株
MSMUFG証券14.61%2,121,200株
大和証券30.09%4,368,500株
みずほ証券11.30%1,641,300株
SBI証券1.74%252,500株
野村證券1.39%202,000株
楽天証券0.43%63,100株
松井証券0.09%12,600株
マネックス証券0.09%12,600株
あかつき証券0.02%2,500株
水戸証券0.02%2,500株
極東証券0.02%2,500株
東洋証券0.02%2,500株
丸三証券0.02%2,500株
合計100%14,519,600株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
auカブコム証券三菱175,000株
CONNECT大和43,700株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

7%
個人43,458本
抽選4,317
裁量39,141
18%
個人33,900本
抽選7,689
裁量26,211
11%
個人14,017本
抽選1,789
裁量12,228
45%
個人2,187本
抽選1,124
裁量1,063
9%
個人1,711本
抽選190
裁量1,521
90%
個人568本
抽選568
裁量
90%
個人113本
抽選113
裁量
90%
個人113本
抽選113
裁量
100%
個人1,750本
抽選1,750
裁量
100%
個人437本
抽選437
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日11月21日(木)
抽選申込期間12月5日(木)~12月10日(火)
当選発表日12月11日(水)
購入申込期間12月12日(木)~12月17日(火)
上場日12月19日(木)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
1124112511261127112811291130
121122123124125126127
12812912101211121212131214
1215121612171218121912201221
1222122312241225122612271228

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 情報サイト関連のIPOは比較的人気が集まりやす、注目度はまずまずです。ここ数年で売上・利益ともに順調に拡大しており、特に利益率は高い水準にあり、収益性はかなり評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては大型案件で、株主にはロックアップの掛かっていないVCが複数入っており、需給面はやや不安です。想定価格でPER32.6倍(前期ベース)は業種平均25.7倍(サービス・グロース)と比較してやや割高な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 7.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

  供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。  成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(24.10末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(24.10末時点)。
169.9 億円41.916.632.65.4
サービス業9.99.925.72.5
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
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初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格1,200円から+200円(+16.7%)高い1,400円と予想します。なお、AI予測値は1,726円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(公開価格比)
1,400円(12/12予想)
+200円 / +16.7%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,170円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。1,170円 ~ 1,200円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。1,200円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
1,001円
-199円 / -16.6%

▌AIの予測値(12/12更新)

1,726円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+16.7+43.8+99.2+14.7
(公開価格比)(公開価格比)情報サイト中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では09年7月に上場したクックパッド(2193)の初値騰落率は+101.1%でした。

 今回のIPOと同じ情報サイト関連に分類されるIPOは2007年以降44件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は90.9%、初値騰落率の平均は+99.2%(中央値+85.4%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降150件で、勝率は52.0%、初値騰落率の平均は+14.7%(中央値+1.3%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
クックパッド+101.1%27.860.1%40.2%

▌情報サイトのIPO実績
(各種情報を提供するメディアサイトの運営事業)

情報サイト勝率平均騰落率
44
(2007年以降)
90.9
(40件 / 44件)
+99.2
(Me:+85.4 %)

(2024/11/23 現在)

情報サイトの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
5571 エキサイト2023/4/19+26.9
9341 GENOVA2022/12/23-2.2
4262 ニフティライフスタイル2021/12/24-10.0
9241 FLネット2021/8/20+74.7
7363 ベビーカレンダー2021/3/25+123.8

情報サイトのIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
150
(2016年以降)
52.0
(78件 / 150件)
+14.7
(Me:+1.3 %)

(2024/11/23 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
274A ガーデン2024/11/22-4.4
268A リガク2024/10/25-4.4
9023 東京メトロ2024/10/23+35.8
262A インターメス2024/10/18+25.0
261A 日水コン2024/10/16-6.2

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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