ガーデン(274A)のIPO情報と初値予想【初値決定】

 ガーデン(274A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、ガーデンのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『М&Aを活用した『壱角家』や『山下本気うどん』などの飲食事業』となっています。

会社名ガーデン(274A)
所在地東京都新宿区新宿二丁目8番8号
設立日2015年12月1日
従業員数294人
業種小売業

【企業サイト】

https://gardengroup.co.jp/

事業解説
 主にラーメン、うどん、丼を提供する比較的低価格帯の「日常食業態」、肉寿司に代表される居酒屋や、ハワイアンレストラン等の「機会食業態」を中心に、幅広いジャンルのブランドを展開しています。主力ブランドは企業再生型M&Aにより店舗を拡大してきた『横浜家系ラーメン壱角家』『山下本気うどん』で、会社全体で2024年9月30日現在、193店(直営店舗157店、業務委託店舗2店、フランチャイズ店舗34店)で営業しています。
ガーデンの事業説明
(画像:ガーデンHP

沿革 

ガーデンのトップメッセージ

代表取締役社長 川島 賢

 カラオケボックス事業を創業して以来、外食事業、不動産事業などのM&Aを繰り返し、民事再生案件含め15社以上の企業再生に携わることにより発展を遂げてきました。GARDENという社名の由来は、異なる価値観、多様な文化や企業風土をプラスに融合させるために、GARDENという庭で手を取り合って歩んでいくという想いを込めました。

(引用:ガーデンHP
2000年4月
有限会社シグマックを有限会社マックへ社名変更 川島賢が有限会社マックの代表取締役に就任
2000年8月
有限会社マックを㈱マックへ変更
2002年5月
㈱大宮電化よりカラオケ事業を事業譲受
2002年7月
㈱ランシステムよりカラオケ事業を事業譲受
2003年6月
㈱友伸フーズよりステーキ事業を事業譲受し飲食事業へ参入
2007年6月
川島 賢が㈱ユウシンを買収
2008年2月
新和光商事㈱が民事再生法適用を申請後スポンサーとなったパレス・キャピタル㈱と企業再生を目的として業務提携
2008年8月
㈱ビー・ワイ・オーよりカラオケ事業を事業譲受
2012年4月
㈱マックがマイビス㈱を買収
2012年5月
川島 賢が居酒屋の運営を委託していた㈱新富フーズの株式を譲受
2014年2月
㈱ファイナル・スリー・フィート(現:㈱ギフト)と取引を開始し、横浜家系ラーメン『壱角家』1号店を新宿区にオープン
2014年6月
㈱マック、㈱ユウシン、及びマイビス㈱が㈱チカラめしを買収
2015年3月
㈱マックが㈱神戸らんぷ亭を買収
2015年12月
東京都新宿区にカラオケ事業、飲食事業の運営を主たる事業として㈱ガーデン設立(代表取締役社長川島 賢、資本金1,000万円)
2016年2月
㈱アドリブ、合同会社ハレルヤを買収し、ハワイアンレストラン業態に進出
2016年2月
㈱新富フーズを完全子会社化、㈱ブレイツに社名変更し不動産事業に参入
2016年3月
㈱ガーデンを持株会社とし、株式交換によりグループ会社7社(㈱マック、㈱マイビス、㈱ユウシン、㈱神戸らんぷ亭、㈱イー・ダイニング、㈱グローバルデザイン、㈱Airside)を完全子会社とする
2016年7月
㈱トライアングルを完全子会社化し、フランチャイズ事業・ライセンス事業に進出
2016年10月
㈱KSGフードマネージメントを完全子会社化し、回転寿司業態に進出
2016年11月
㈱サンライズを㈱ガーデンの完全子会社として設立
2017年3月
㈱TERAKAZUエンタープライズを完全子会社化し背脂江戸味噌ラーメン業態へ進出 完全子会社である㈱サンライズが明丸㈱を完全子会社化
2017年4月
合同会社ハレルヤが運営するハワイアンレストランを㈱アドリブへ事業譲渡
2017年6月
完全子会社である㈱Airsideを㈱第一興商へ売却し、カラオケ事業から撤退 山下本気うどんのライセンス契約を締結しうどん業態へ進出 ㈱らしくを完全子会社化し、トンテキ業態に進出 トンテキ事業の海外フランチャイズ展開を開始
2017年7月
㈱肉寿司を完全子会社化
2017年9月
子会社である㈱ライズ(旧明丸㈱)を売却
2018年3月
グループ会社12社を吸収合併し、㈱ガーデンへ統合 元祖博多中州屋台豚骨ラーメン『一竜』海外フランチャイズ1号店オープン
2020年1月
横浜家系ラーメン『壱角家』海外フランチャイズ1号店オープン
2021年10月
山下本気うどんの商標権を獲得

財務データ 

 2024年2月期の事業売上は15,312百万円で、構成比はセグメント別に、ラーメン66.5%レストラン15.4%ステーキ9.4%肉寿司2.8%その他5.9%、となっています。

 前期(24.2)は販売促進策としてトッピング無料及び割引クーポン・フェアの情報発信、壱角家の新規会員獲得を目的に価格改定などを実施した結果、前期比で売上は29%増最終は1,066百万円で着地しました。

 今期(25.2)は壱角家「10周年記念祭」と海王「12周年記念祭」の開催やうどんアプリダウンロード10万人記念キャンペーンなどを実施し、2Q累計は売上・利益ともに前期をやや上回るペースで推移しています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/22021/22022/22023/22024/2
売上高11,7628,6787,80411,84215,312
経常益487△3801,9315161,441
最終益△90△4478922531,066
純資産469339271,2092,305
総資産7,2997,5187,3358,22311,150
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.2)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している小売業335社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が46.2%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が160%となっており、やや厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 11,150 百万円売上高 15,312 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 9.9(μ:2.1 Me:2.8
総資本営業利益率 = 13.6(μ:3.2 Me:4
自己資本利益率 = 46.2(μ:-14.8 Me:6.7
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 157.5(μ:171.3 Me:142.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 160(μ:181.5 Me:110.9
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 20.7(μ:43.3 Me:44.4
成長性指標
売上高成長率 = 29.3(μ:7.5 Me:5.6

※カッコ内の数値は小売業(335社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は6,181千株で、株式保有割合は、経営陣84.7%その他15.3%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
㈱マック48.53%180日
川島 賢(社長)25.11%180日
小澤 修三5.99%180日
㈱ガーデン従業員持株会5.42%
薫田 勇2.02%180日
井上 陵太1.82%180日
㈱ギフトホールディングス1.31%180日
従業員0.59%
従業員0.59%
山下 栄緑0.52%180日
上記以外8.10%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 6,181千株(2024年10月18日現在)

?

84.715.3
5,232.8 千株– 千株948.7 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(1,181.5千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが公募株式で、主に新規発行になります。初値形成にはかなりポジティブといえます。

 上場する株式の時価総額は204.6億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の20.6%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は57.億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。1,600,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。1,600,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。240,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。0 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。240,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。1,840,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
204.6 億円49.6 億円24.2100
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

67.212.220.6
※新株予約権による潜在株式(1,181.5千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは東海東京証券が主幹事となっており、割当株数の6%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
東海東京証券(主幹事)91.30%1,680,000株
みずほ証券0.87%16,000株
大和証券0.87%16,000株
SBI証券0.87%16,000株
マネックス証券0.87%16,000株
松井証券0.87%16,000株
岩井コスモ証券0.87%16,000株
あかつき証券0.87%16,000株
岡三証券0.87%16,000株
水戸証券0.87%16,000株
むさし証券0.87%16,000株
合計100%1,840,000株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
CONNECT大和200株
岡三オンライン岡三800株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

6%
個人9,929本
抽選974
裁量8,955
11%
個人137本
抽選17
裁量120
18%
個人124本
抽選28
裁量96
45%
個人139本
抽選71
裁量68
90%
個人144本
抽選144
裁量
90%
個人144本
抽選144
裁量
11%
個人143本
抽選17
裁量126
89%
個人143本
抽選143
裁量
100%
個人2本
抽選2
裁量
100%
個人8本
抽選8
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日10月18日(金)
抽選申込期間11月6日(水)~11月12日(火)
当選発表日11月13日(水)
購入申込期間11月14日(木)~11月19日(火)
上場日11月22日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
10271028102910301031111112
113114115116117118119
1110111111121113111411151116
1117111811191120112111221123
1124112511261127112811291130

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 飲食店等の運営に特段の新規性はなく、注目度は低いです。事業内容的に売上の大きな伸びは期待できませんが、利益は安定的に確保しており、収益性は評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中大型案件で、株主の大半は経営陣などの安定株主が占めロックアップも厳しめですが、需給はやや緩く、初値の大幅上昇は期待できません。想定価格でPER19.2倍(前期ベース)は業種平均21.7倍(小売・スタンダード)とほぼ水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。

期待度評価点
 6.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

  供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。  成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は小売業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は小売業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は小売業(スタンダード)の単純PER(24.9末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は小売業(スタンダード)の単純PBR(24.9末時点)。
57. 億円29.346.219.23.0
小売業5.66.721.71.3
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
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初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格3,200円から+400円(+12.5%)高い3,600円と予想します。なお、AI予測値は4,600円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(公開価格比)
3,600円(11/19予想)
+400円 / +12.5%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。3,100円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。3,100円 ~ 3,200円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。3,200円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
3,060円
-140円 / -4.4%

▌AIの予測値(11/19更新)

4,600円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+12.5+43.8+57.6+14.8
(公開価格比)(公開価格比)飲食中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では23年12月に上場した魁力屋(5891)の初値騰落率は+30.1%でした。

 今回のIPOと同じ飲食業関連に分類されるIPOは2007年以降26件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は69.2%、初値騰落率の平均は+57.6%(中央値+29.8%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降147件で、勝率は52.4%、初値騰落率の平均は+14.8%(中央値+1.4%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
魁力屋+30.1%21.524.4%12.7%
ギフト+77.5%22.523.7%28.1%
ホットランド-1.7%42.70.4%11.7%

▌飲食業のIPO実績
(居酒屋・レストランなどの飲食事業)

飲食勝率平均騰落率
26
(2007年以降)
69.2
(18件 / 26件)
+57.6
(Me:+29.8 %)

(2024/10/22 現在)

飲食業の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
245A INGS2024/9/26+39.2
138A 光フードサービス2024/2/28+119.9
5891 魁力屋2023/12/15+30.1
7682 浜木綿2019/10/18+39.2
7678 あさくま2019/6/27+46.7

飲食のIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
147
(2016年以降)
52.4
(77件 / 147件)
+14.8
(Me:+1.4 %)

(2024/10/22 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
262A インターメス2024/10/18+25.0
261A 日水コン2024/10/16-6.2
260A オルツ2024/10/11+5.6
241A ROXX2024/9/25-8.0
215A タイミー2024/7/26+27.6

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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