レント(372A)のIPO情報と初値予想
- 2025/5/28
- IPO企業一覧
レント(372A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、レントのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『産業機械、建設機械および産業車両などのレンタル事業など』となっています。
会社名 | レント(372A) |
---|---|
所在地 | 静岡県静岡市駿河区国吉田一丁目6番10号 |
設立日 | 1984年6月12日 |
従業員数 | 1,543人 |
業種 | サービス業 |
【企業サイト】
https://www.rent.co.jp/

沿革

代表取締役 社長執行役員 岡田 朗
当社は、1984年に設立以来、建設機械中心のレンタルを営んでまいりました。そして、近年は公共工事の削減等で、市場環境が大きく変わってきました。そのような変化に対応すべく、経営方針に掲げている、『環境・安全・効率』をキーワードとして、より多くの分野のお客様にレンタルシステムを活用していただくよう努力してきました。
財務データ
2024年5月期の事業売上は43,690百万円で、構成比は顧客業種別に、建設工事業向け43%、各種産業向け57%となっています。
前期(24.5)は民間建築・土木投資が低調も、公共建築・土木投資が増加で全体としては前年を上回る状況で推移する中、首都圏及び大都市部を中心に顧客の開拓、深耕した結果、前期比で売上は7%増、最終は2,074百万円で着地しました。
今期(25.5)は大型の重機レンタルが好調に推移しているほか、半導体メーカのラピダスによる苫小牧進出や湖西市におけるトヨタバッテリー社の工場建設が寄与し、売上は12%増、最終は2,240百万円を見込んでいます。1株利益は717.45円、配当は180円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2020/5 | 2021/5 | 2022/5 | 2023/5 | 2024/5 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 36,278 | 34,010 | 35,474 | 40,651 | 43,690 |
経常益 | 2,048 | 1,310 | 1,829 | 2,460 | 2,796 |
最終益 | 1,007 | 899 | 1,211 | 1,764 | 2,074 |
純資産 | 7,303 | 8,093 | 8,947 | 10,314 | 12,666 |
総資産 | 38,388 | 39,990 | 39,325 | 44,974 | 51,297 |
▌顧客業種別の売上内訳(2024.5)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が16.4%など、やや高い数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が290.1%となっており、かなり厳しい状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 51,297 百万円 | 売上高 43,690 百万円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は3,304千株で、株式保有割合は、その他87.6%、経営陣9.1%、ベンチャーキャピタル(VC)3.3%となっています。
VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
双日㈱ | 11.92% | 180日 |
ヤンマー建機㈱ | 8.62% | 180日 |
レント社員持株会 | 6.06% | 180日 |
ユアサ商事㈱ | 5.98% | 180日 |
㈱AIRMAN | 5.17% | 180日 |
丸紅㈱ | 4.93% | |
コベルコ建機㈱ | 4.87% | 180日 |
㈱アイチコーポレーション | 4.50% | 180日 |
静岡キャピタル8号LPS | 3.39% | 180日 |
レンテック大敬㈱ | 3.08% | |
上記以外 | 41.48% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 3,304千株(2025年5月27日現在)
9.1 % | – % | 87.6 % | 3.3 % |
301 千株 | – 千株 | 2,893.5 千株 | 110 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は59.2%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主にその他(丸紅や大損保))の株式放出によるものです。
上場する株式の時価総額は160.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の22.2%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は41.4億円で、IPOとしては中型の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 500,000 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 500,000 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 470,600 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 344,000 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 126,600 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 970,600 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
160.5 億円 | 21.4 億円 | 22.5 % | 59.2 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
7.9 % | – % | 65.5 % | 2.9 % | 22.2 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になる楽天も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
みずほ証券(主幹事) | -% | -株 |
野村證券 | -% | -株 |
三菱UFJMS証券 | -% | -株 |
静銀ティーエム証券 | -% | -株 |
丸三証券 | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
楽天証券 | -% | -株 |
合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
auカブコム証券 | 三菱 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 5月27日(火) |
---|---|
抽選申込期間 | 6月12日(木)~6月18日(水) |
当選発表日 | 6月19日(木) |
購入申込期間 | 6月20日(金)~6月25日(水) |
上場日 | 6月30日(月) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 |
68 | 69 | 610 | 611 | 612 | 613 | 614 |
615 | 616 | 617 | 618 | 619 | 620 | 621 |
622 | 623 | 624 | 625 | 626 | 627 | 628 |
629 | 630 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
重機などのレンタル事業に特段の新規性はなく、注目度は低いです。ここ数年売上は緩やかに増加していますが、事業内容的に売上が飛躍的に伸びる可能性は低いです。ただ、利益は安定的に確保しており、収益力はかなり高いといえます。
▌需給・価格評価
IPOとしては中型案件で、株主は安定株主が占めており、ロックアップも厳しめに設定されているため、需給に大きな不安はありません。今期利益予想によるPERは6倍と業種平均15倍(サービス・スタンダード)と比較してかなり割安で、配当利回りも4.2%とかなり魅力的です。なお、想定価格が高めの設定のため、初値寄り付き後に株価が乱高下するリスクがあります。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
7.0 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(スタンダード)の単純PER(25.4末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(スタンダード)の単純PBR(25.4末時点)。 |
---|---|---|---|---|
41.4 億円 | 7.5 % | 16.4 % | 7.7 倍 | 1.1 倍 |
サービス業 | 9.9 % | 9.9 % | 15.0 倍 | 1.2 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格4,270円から+430円(+10.1%)高い4,700円と予想します。なお、AI予測値は4,620円となっており、これと同程度の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 4,700円(5/28予想) (+430円 / +10.1%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 4,270円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年4月に上場したASNOVA(9223)の初値騰落率は-8.0%でした。
今回のIPOと同じサービス業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降167件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.4%、初値騰落率の平均は+45.3%(中央値+26.7%)となっています。
また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降174件で、勝率は76.4%、初値騰落率の平均は+33.4%(中央値+17.6%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
ASNOVA | -8.0% | 3.9 | -17.7% | 0.7% |
ユーピーアール | +21.2% | 16.6 | 11.3% | 13.8% |
▌サービス業(その他)のIPO実績
(サービス業のうち他に分類されない企業など)
サービス業 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/5/28 現在)
サービス業(その他)の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
353A A-エレコミ | 2025/4/25 | +29.4 % |
352A Lクリエイト | 2025/4/24 | +2.4 % |
343A IACEトラベル | 2025/4/7 | -13.6 % |
9388 パパネッツ | 2025/3/21 | +18.6 % |
324A ブッキングR | 2025/2/21 | +25.0 % |
サービス業のIPO騰落率分布
▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)
中型 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/5/28 現在)
中型の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
352A Lクリエイト | 2025/4/24 | +2.4 % |
341A トヨコー | 2025/3/28 | +19.3 % |
332A ミーク | 2025/3/21 | +5.6 % |
331A メディックス | 2025/3/19 | -5.0 % |
319A 技術承継機構 | 2025/2/5 | +35.0 % |
中型のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)