TalentX[タレントエックス]のIPO情報と初値予想

 TalentX[タレントエックス](330A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、TalentX[タレントエックス]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『クラウドベースのタレント・アクイジション(人材獲得)ソフトウェア・プラットフォーム『My Series』の開発および提供、その他関連事業』となっています。

会社名TalentX[タレントエックス](330A)
所在地東京都新宿区神楽坂四丁目8番地神楽坂プラザビル
設立日2018年5月28日
従業員数107人
業種情報・通信業

【企業サイト】

https://talentx.co.jp/

事業解説
 採用マーケティングを支援するタレント獲得プラットフォーム「Myシリーズ」では、『候補者リストを資産に変える』国内初の採用MAサービス「MyTalent」と『おすすめしたい』を加速する、国内初のリファラル採用サービス「MyRefer」を提供しています。他にも、候補者をファンにする採用ブランディングサービス「MyBrand」や採用計画の達成を実現するコンサルティング&RPOサービス「RXO」などのサービスも提供しています。

沿革 

TalentX[タレントエックス]のトップメッセージ

代表取締役 鈴木 貴史

 TalentXは、HR業界の当たり前をディスラプトし、転職・採用市場に新しい概念を創るという想いで2015年にスタートしました。私たちは、採用市場に今ない当たり前を創造し、令和を代表するイノベーションカンパニーを創ることを本気で目指しています。

(引用:TalentX[タレントエックス]HP
2018年5月
東京都千代田区大手町において、㈱MyRefer(当社)を設立
2018年8月
総額362,300千円の第三者割当増資を実施(割当先:AT-Ⅱ投資事業有限責任組合、パーソルホールディングス㈱、宇野康秀氏)、パーソルキャリア㈱よりMyRefer事業をMBO
2018年9月
東京都中央区日本橋へ本社を移転
2018年10月
出戻り(アルムナイ採用を促進するアルムナイ採用支援ツール「MyRefer Alumni」をリリース
2018年12月
プライバシーマーク(JIS Q 15001)認証取得
2021年2月
総額500,203千円の第三者割当増資を実施(割当先:AT-Ⅱ投資事業有限責任組合、グローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合、HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND投資事業有限責任組合)
2021年8月
東京都新宿区神楽坂へ本社を移転
2021年9月
リファラル採用に関する最先端の研究を行う「リファラル採用研究所」を当社内に設立
2022年2月
候補者の行動履歴を特定し、採用に結び付ける採用MAツール「MyTalent」をリリース
2023年2月
㈱TalentXに商号変更
2023年2月
Myシリーズサービス全体をシングルプラットフォームで管理する「Myシリーズ共通基盤」をリリース
2024年1月
ノーコードで自社採用メディアを作成する採用CMS支援ツール「MyBrand」をリリース
2024年5月
企業の採用変革を支援するコンサルティングサービス「RXO(アールエックスオー)」を提供開始
2024年7月
AI・自動化で日本企業の採用変革を加速させる新組織「AI X Lab.」を設立
2024年7月
独自AIにより自社に興味のある候補者をレコメンドする「Hotフラグ機能」をMyTalentにてリリース
2024年9月
生成AIを活用してスカウト業務を効率化する「AI OCR機能」をMyTalentにて提供

財務データ 

 2024年3月期の事業売上は1,063百万円で、構成比はセグメント別に、採用マーケティング100%となっています。

 前期(24.3)はリファラル採用支援ツール「MyRefer」や採用MAツール「MyTalent」の販売が順調に推移したことで、前期比で売上は46%増最終は27百万円で着地しました。

 今期(25.3)は採用ブランディング支援ツール「MyBrand」のクロスセル・アップセル機会が創出できたことで、売上は32%増最終は186百万円を見込んでいます。1株利益は34.1円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/32021/32022/32023/32024/3
売上高2673824497271,063
経常益△181△149△306△9527
最終益△181△147△309△9427
純資産834361273461
総資産307838530517631
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業595社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が44.3%など、平均的な数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が106.9%となっており、かなり厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 631 百万円売上高 1,063 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 2.6(μ:6.5 Me:8.3
総資本営業利益率 = 4.3(μ:7.1 Me:8.1
自己資本利益率 = 44.3(μ:2.1 Me:9.6
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 106.9(μ:347.4 Me:271.4
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 160.4(μ:69.4 Me:39.4
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 9.6(μ:60.5 Me:64.3
成長性指標
売上高成長率 = 46.2(μ:12.3 Me:8.4

※カッコ内の数値は情報・通信業(595社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は5,670千株で、株式保有割合は、経営陣53.1%ベンチャーキャピタル(VC)42.4%その他4.5%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
鈴木 貴史(社長)47.62%180日
AT-ⅡLPS20.35%90日/1.5倍
パーソルデジタルベンチャーズ㈱13.95%180日
グローバル・ブレイン7号LPS6.11%90日/1.5倍
細田 亮佑5.29%180日
HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND LPS2.03%180日/1.5倍
宇野 康秀0.91%180日
従業員0.39%継続保有
従業員0.33%継続保有
従業員0.26%継続保有
上記以外2.76%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 5,670千株(2025年2月10日現在)

?

53.14.542.4
3,011.1 千株– 千株252.6 千株2,406.6 千株
※新株予約権による潜在株式(211.8千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は2.9%と低く、売出される株式は、主にベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は41.3億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の29.8%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は14.7億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。50,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。50,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。1,910,800 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。1,655,100 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。255,700 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。1,960,800 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
41.3 億円0.4 億円312.9
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

48.34.417.529.8
※新株予約権による潜在株式(211.8千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
みずほ証券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
岡三証券-%-株
丸三証券-%-株
マネックス証券-%-株
松井証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
水戸証券-%-株
東洋証券-%-株
極東証券-%-株
あかつき証券-%-株
むさし証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日2月10日(月)
抽選申込期間2月28日(金)~3月6日(木)
当選発表日3月7日(金)
購入申込期間3月10日(月)~3月13日(木)
上場日3月18日(火)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
216217218219220221222
22322422522622722831
32333435363738
39310311312313314315
316317318319320321322

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 システムプラットフォーム関連のIPOは人気が集まりやすく、また、企業の採用アシストツールには新規性もあり、注目度は比較的高いといえます。ここ数年で売上は順調に伸びており、直近では黒字転換も達成し、成長性と収益性は十分評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主にはVCが多く入っているもののロックアップは設定されており、需給に大きな不安はありません。募集株式の大半が売出しとなるのはマイナス材料ですが、今期予想に基づくPERは22倍とそこまでの割高感はありません。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(24.12末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(24.12末時点)。
14.7 億円46.244.3153.148.4
情報・通信8.49.672.23.6
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格750円から+350円(+46.7%)高い1,100円と予想します。なお、AI予測値は1,902円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,100円(2/12予想)
+350円 / +46.7%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。750円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(2/12計算)

1,902円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+46.7+153.6+152.3+68.5
(想定価格比)(想定価格比)シスPF中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年3月に上場したシンカ(149A)の初値騰落率は+26.6%でした。

 今回のIPOと同じシステムPF関連に分類されるIPOは2007年以降49件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は89.8%、初値騰落率の平均は+152.3%(中央値+129.5%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降227件で、勝率は88.5%、初値騰落率の平均は+68.5%(中央値+51.9%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
シンカ+26.6%7.535.4%27.8%
マーソ-8.0%18.729.4%48.9%

▌システムPFのIPO実績
(EC・決済などを行うプラットフォーム運営)

シスPF勝率平均騰落率
49
(2007年以降)
89.8
(44件 / 49件)
+152.3
(Me:+129.5 %)

(2025/2/12 現在)

システムPFの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
198A ポストプライム2024/6/20±0.0
149A シンカ2024/3/27+26.6
147A ソラコム2024/3/26+79.7
137A Cocolive2024/2/28+124.2
5621 ヒューマンT2023/12/22-2.5

シスPFのIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
227
(2016年以降)
88.5
(201件 / 227件)
+68.5
(Me:+51.9 %)

(2025/2/12 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
302A ビースタイルHD2024/12/27+60.6
298A GVATECH2024/12/26+1.4
300A MIC2024/12/25±0.0
296A 令和AH2024/12/23+44.7
280A TMH2024/12/4+41.9

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















アーカイブ
ページ上部へ戻る