ビジュアル・プロセッシング・ジャパン(334A)のIPO情報と初値予想
- 2025/2/18
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ビジュアル・プロセッシング・ジャパン(334A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ビジュアル・プロセッシング・ジャパンのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『DAM(デジタル資産管理)を中核に、企業の事業活動における媒体(WEB、EC、SNS、カタログ、映像、出版)そしてコンテンツの制作・管理・配信を支援するDX事業』となっています。
会社名 | ビジュアル・プロセッシング・ジャパン(334A) |
---|---|
所在地 | 東京都渋谷区恵比寿四丁目20番7号恵比寿ガーデンプ |
設立日 | 1994年1月6日 |
従業員数 | 62人 |
業種 | 情報・通信業 |
【企業サイト】
https://www.vpj.co.jp/
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沿革
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代表取締役社長 三村 博明
当社は、現代表取締役社長・三村博明と、本人の前職(現日本ヒューレット・パッカード合同会社)の営業幹部メンバーによって設立されました。当初は、コンピュータグラフィックス技術の知見を背景として、マスメディア向けコンテンツ制作会社に対するプロダクションワーフローに関するソリューションの提供が中心でした。
財務データ
2023年12月期の事業売上は1,056百万円で、構成比はサービス別に、クラウド46.5%、オンプレミス5.1%、保守20.5%、開発11.8%、その他16%、となっています。
前期(23.12)は流通企業や製造業へのCIERTO納入や海外パートナー製品の大手新聞社英字新聞制作部門への採用などが起因し、前期比で売上は16%増、最終は90百万円で着地しました。
今期(24.12)は主力製品のDAMシステムであるCIERTOを中心に順調に推移しており、3Q累計は売上・利益ともに前期を上回るペースで推移しています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2019/12 | 2020/12 | 2021/12 | 2022/12 | 2023/12 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 753 | 802 | 728 | 912 | 1,056 |
経常益 | 33 | 51 | 56 | 144 | 140 |
最終益 | 25 | 32 | 39 | 75 | 90 |
純資産 | 445 | 474 | 509 | 581 | 667 |
総資産 | 562 | 750 | 824 | 925 | 1,082 |
▌サービス別の売上内訳(2023.12)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業595社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が13.2%など、かなり高い数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が35.4%となっており、平均的な状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 1,082 百万円 | 売上高 1,056 百万円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は情報・通信業(595社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は1,466千株で、株式保有割合は、経営陣78.0%、その他22.0%となっています。
株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
㈱シエルトコミュニケーションズ | 43.66% | 180日 |
三村 博明 | 19.10% | 180日 |
VPJ社員持株会 | 16.92% | 180日 |
関 郷 | 12.69% | 180日 |
吉川 美幸 | 1.83% | 180日 |
三村 俊介 | 1.36% | 180日 |
松本 勝裕 | 0.55% | 継続保有 |
川畑 耕史 | 0.41% | 継続保有 |
鈴木 優 | 0.27% | 継続保有 |
谷本 真基 | 0.27% | 継続保有 |
上記以外 | 2.94% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 1,466千株(2025年2月17日現在)
78.0 % | – % | 22.0 % | – % |
1,142.8 千株 | – 千株 | 323.2 千株 | – 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は60.3%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に経営陣の株式放出によるものです。
上場する株式の時価総額は23.7億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の24.6%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は7.0億円で、IPOとしては小型の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 255,000 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 255,000 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 231,400 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 168,000 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 63,400 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 486,400 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
23.7 億円 | 3.6 億円 | 25.6 % | 60.3 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
56.6 % | – % | 18.8 % | – % | 24.6 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOでは岡三証券が主幹事となっており、割当株数の58%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になる楽天、マネックス、松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
岡三証券(主幹事) | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
三菱UFJMS証券 | -% | -株 |
松井証券 | -% | -株 |
マネックス証券 | -% | -株 |
楽天証券 | -% | -株 |
岩井コスモ証券 | -% | -株 |
合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
岡三オンライン | 岡三 | -株 |
auカブコム証券 | 三菱 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 2月17日(月) |
---|---|
抽選申込期間 | 3月6日(木)~3月12日(水) |
当選発表日 | 3月13日(木) |
購入申込期間 | 3月14日(金)~3月19日(水) |
上場日 | 3月25日(火) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
223 | 224 | 225 | 226 | 227 | 228 | 31 |
32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 |
39 | 310 | 311 | 312 | 313 | 314 | 315 |
316 | 317 | 318 | 319 | 320 | 321 | 322 |
323 | 324 | 325 | 326 | 327 | 328 | 329 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
業務効率に資するシステム開発のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度はまずまずです。ここ数年で売上は緩やかに拡大しており、利益も安定的に確保していることから、収益性は評価できます。
▌需給・価格評価
IPOとしては小型案件で、株主には安定株主しかおらずロックアップも厳しめのため、需給に不安はありません。想定価格でPER26.3倍(前期ベース)は業種平均72.2倍(情報通信・グロース)と比較して割安な水準です。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
9.5 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.1末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.1末時点)。 |
---|---|---|---|---|
7.0 億円 | 15.8 % | 13.5 % | 26.3 倍 | 2.4 倍 |
情報・通信 | 8.4 % | 9.6 % | 72.2 倍 | 3.6 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,430円から+270円(+18.9%)高い1,700円と予想します。なお、AI予測値は2,835円となっており、これより低い弱気の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 1,700円(2/18予想) (+270円 / +18.9%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 1,430円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年12月に上場したGVA TECH(298A)の初値騰落率は+1.4%でした。
今回のIPOと同じ業務効率関連に分類されるIPOは2007年以降29件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は93.1%、初値騰落率の平均は+113.1%(中央値+101.1%)となっています。
また、今回と同じ小型のIPOは2016年以降194件で、勝率は94.8%、初値騰落率の平均は+123.2%(中央値+113.3%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
GVATECH | +1.4% | 10.3 | 73.7% | -129.3% |
アジアクエスト | +130.5% | 10.4 | 15.2% | 32.1% |
フレクト | +127.8% | 12.8 | -11.2% | -80.2% |
ファブリカ | +15.0% | 32.4 | 29.3% | 32.1% |
▌業務効率のIPO実績
(DXなど自動化・効率化を目的としたサービス)
業務効率 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
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(2025/2/18 現在)
業務効率の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
298A GVATECH | 2024/12/26 | +1.4 % |
145A エルイズビー | 2024/3/26 | +30.7 % |
5585 エコナビスタ | 2023/7/26 | +153.8 % |
5137 スマートドライブ | 2022/12/15 | +23.5 % |
4261 アジアクエスト | 2021/12/27 | +130.5 % |
業務効率のIPO騰落率分布
▌小型のIPO実績
(小型:供給額5~10億円未満のIPO)
小型 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/2/18 現在)
小型の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
303A visumo | 2024/12/26 | +34.5 % |
269A Sapeet | 2024/10/29 | +52.3 % |
265A エイチエムコム | 2024/10/28 | +32.7 % |
259A ケイ・ウノ | 2024/10/8 | -8.0 % |
246A アスア | 2024/9/26 | +47.6 % |
小型のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)