サイプレスHDの初値は公開価格を5%下回る、今後の株価展望は?

  • 2025/10/8
  •  
サイプレス・HD上場

★ 祝 東証スタンダード市場上場 ★
サイプレス・HD
初値:675 円

 きょう東証スタンダード市場に新規上場したサイプレス・HD<428A>は、公開価格と同じ710円のウリ気配でスタートし、その後気配値を切り下げ、9時10分頃に公開価格を35円(-4.9%)下回る675円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗するも、その後は初値近辺での小幅な値動きで終日進み、最終的に終値663円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は183万株でした。

サイプレスHD( 428A )

▌株価情報(2025/10/08 15:30)

現在値(終値)初値比公開価格比
663
-1.8
-12
-6.6
-47
始値高値安値出来高
675680655183 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたサイプレス・HDですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、サイプレス・HDの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値公開価格割れの1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 サイプレス・HDの初値は公開価格比で-4.9%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0%未満だった155銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+29.4%、中央値(Me)で+7.6%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は55.5%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
155
(2012年以降)
55.5
(86件 / 155件)
+29.4
(Me:+7.6 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
7317 松屋アールアンド2020/4/6+610.2
9553 マイクロアド2022/6/29+390.4
7094 NexTone2020/3/30+371.1
4480 メドレー2019/12/12+271.7

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌飲食業の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 サイプレス・HDと同じ飲食業の銘柄(2012年以降上場の20銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+28.5%、中央値(Me)で+27.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は75%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。1年後に最も上昇したのは14年12月上場のヨシックス(3221)+132.0%、最も下落したのは24年2月上場の光フードサービス(138A)-64.5%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
20
(2012年以降)
75
(15件 / 20件)
+28.5
(Me:+27.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
3221 ヨシックス2014/12/24+132.0
3547 串カツ田中2016/9/14+122.5
3193 鳥貴族2014/7/10+119.5
3561 力の源ホールディ2017/3/21+69.5
3563 スシローグローバ2017/3/30+51.0

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、かなり良好なパフォーマンスが期待できます。

 なお、初値(675円)は当サイトの予想(800円)を下回り、想定より買い需要が弱い結果となりました。また、AIの予測値は973円でした。初値寄り付き直後は売られたものの、その後は薄商いの中初値をやや下回る水準で推移し、そのまま終えたことから、短期的には売り優勢の展開が続きそうです。

 今期(26.8)の業績予想は、前期比で売上高は+9%の12,300百万円、最終損益は+19.1%の520百万円となっています。国内需要の回復とインバウンド需要の拡大により外食需要は堅調に推移しており、これを追い風にここ数年売上・利益ともに増加傾向が顕著で、今期(26.8)も増収・増益予想と、成長性・収益性は今のところかなり評価できます。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率 -4.9 %

+12.7+37.0+53.0+33.3
(公開価格比)(公開価格比)飲食中型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER16.5倍と業種平均21.1倍(小売業/スタンダード)と比べてほぼ同水準です。また、配当利回りは1.5%です。また、株主優待制度として、100株あたり1,000円相当の株主優待を年2回実施することを検討している旨の発表がありました(優待対象となる株式数は20,000株を上限)。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、500~1,000円前後で推移していくものと予想します。







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