トグルホールディングス(652A)のIPO情報と初値予想

 トグルホールディングス(652A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、トグルホールディングスのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『独自のAI技術を活用した再開発可能土地の仕入販売およびAIシステム・AIエージェント開発等』となっています。

会社名トグルホールディングス(652A)
所在地東京都港区六本木一丁目6番1号
設立日2020年6月15日
従業員数141人
業種不動産業

【企業サイト】
トグルホールディングス公式サイト
https://toggle.co.jp/

事業解説
 独自のAI技術を活用して再開発可能な土地を仕入れ、開発・販売する不動産開発そのものと、そこで蓄積した知識・データをAIプロダクトに転換する二つの事業が収益源となっています。代表的なサービス「デベNAVI」は、土地の物件管理や現地・相場・法規制などの調査、開発可能性の検討をデジタル化し、仕入れ判断を効率化します。また、不動産価値分析のためのAIクラウドサービス「Gate.」や、複雑な業務を自律的に遂行する「toggleエージェント」も展開しています。

沿革 

トグルホールディングスのトップメッセージ

代表取締役 伊藤 嘉盛

 当社は、不動産領域において、従来は多くの時間と専門的な判断を要していた用地情報、権利関係、法規制、市場価格等の収集・分析や、不動産の価値算定について、データとソフトウエアを活用することで短時間かつ効率的に行うことが可能になると考え設立しました。

(引用:トグルホールディングスHP)
2020年6月
非効率性の残る不動産業界を、AIを中心としたテクノロジーを活用して変革するため、東京都港区赤坂にトグルホールディングス㈱を設立
2020年10月
つくる地所㈱(旧フジケン㈱、以下、つくる地所)の全株式を取得し完全子会社化。不動産売買事業を開始
2021年12月
本社を東京都千代田区平河町に移転
2022年4月
不動産開発事業を開始 つくる地所が初めて自社で開発した集合住宅物件「toggle 飯田橋」を販売
2023年10月
不動産SaaSプロダクトの開発を目的として、つくるAI㈱(旧BUKUROU㈱、以下、つくるAI)の全株式を取得し完全子会社化
2024年7月
つくるAIにてSaaSプロダクトを開発し、つくる地所と合わせ「不動産デジタルインフラ事業」を開始
2024年9月
つくるAIにてSaaSプロダクトである「つくるAI 物件管理」、「VCプロ」のサービス提供開始
2024年11月
つくるAIにて「つくるAI 物件管理」の機能を統合し、新たなSaaSプロダクトである「デベNAVI」のサービス提供開始
2025年2月
つくる地所が㈱プロバンクホームと資本業務提携 コンストラクションマネジメント業務を開始
2025年4月
本社を東京都港区六本木に移転
2025年10月
顧客基盤の拡大を目的として、リーウェイズ㈱(以下、リーウェイズ)の株式52.3%を取得し連結子会社化
2026年1月
つくる資産㈱(以下、つくる資産)を設立し、富裕層の不動産投資家に対する不動産情報の提供と資産運用コンサルティング業務を開始
2026年4月
不動産開発後の賃貸管理領域への事業拡大を目的として、㈱S-FITの株式20.0%を取得し持分法適用関連会社化
2026年9月
つくるAIがリーウェイズを吸収合併(つくるAIが存続会社)

財務データ 

 2025年9月期の事業売上は12,353百万円で、構成比はセグメント別に、産業変革事業100%となっています。

 前期(25.9)はレジデンス(マンション等の居住)用地に加え、ホテル用地の需要拡大により、東京23区を中心に多くの再開発プロジェクトの受注獲得が進んだことで、前期比で売上は25%増、最終は565百万円で着地しました。

 今期(26.9)は主力のLand Creationにおける東京圏での新規案件創出が順調に進んでおり、売上は107%増、最終は1,674百万円を見込んでいます。1株利益は138.09円、配当は0円予想としています。

 また、27年9月期は売上高68.4%増の430億円、最終益は2.4倍の40億円(EPS274.5円)の予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2021/92022/92023/92024/92025/9
売上高521153699,91512,353
経常益112△4177412927
最終益80△41△135145565
純資産3,3503,3081,4593,1325,334
総資産3,5293,6021,7229,84216,093
※単位は百万円、24.9から連結決算

▌セグメント別の売上内訳(2025.9)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している不動産業134社の中央値と比較すると、収益力は総資本営業利益率が7.1%など、平均的な数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が9.1%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 16,093 百万円売上高 12,353 百万円

▉流動資産
▉固定資産
▉流動負債
▉固定負債
▉純資産
▉売上原価
▉販管費一
▉営業利益
▉売上高
▉営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 9.2%(μ:9.8 Me:9.1)
総資本営業利益率 = 7.1%(μ:6 Me:5.4)
自己資本利益率 = 10.6%(μ:28.8 Me:10.8)
安全性指標
流動比率?「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 184.8%(μ:315.9 Me:250.2)
固定比率?「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 9.1%(μ:95 Me:60.3)
自己資本比率?「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 33.1%(μ:39.2 Me:32.5)
成長性指標
売上高成長率 = 24.6%(μ:11.7 Me:7.8)

※カッコ内の数値は不動産業(134社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は14,472千株で、株式保有割合は、経営陣74.1%、ベンチャーキャピタル(VC)13.7%、その他12.2%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、一部VCにロックアップが入っていないのは不安材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
伊藤 嘉盛 (社長)37.96%180日
Funi㈱34.55%180日
ブーストキャピタル1号LPS3.06%180日/1.5倍
㈱SMBC信託銀行(特定運用金外信託 未来創生3号ファンド)3.05%180日/1.5倍
三鬼 紘太郎1.54%180日/1.5倍
日本郵政キャピタル1号LPS1.53%
㈱レアゾン・ホールディングス1.38%180日/1.5倍
山﨑 聡史1.18%180日
ALL STAR SAAS FUND THREE Pte. Ltd.1.15%
髙﨑 将充1.02%180日
上記以外13.58%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 14,472千株(2026年9月28日現在)

?

74.1 %– %12.2 %13.7 %
10,726 千株– 千株1,769.4 千株1,977.1 千株
※新株予約権による潜在株式(1,954.8千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は66.6%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に経営陣の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は594.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の20.2%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は156.2億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。2,244,600 株
内訳(新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。2,244,600 株
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株 ?既存株主が売り出す株式。1,630,300 株
内訳(買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。1,124,900 株
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。505,400 株
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。3,874,900 株

(IPO指標)

  時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
594.9 億円90.5 億円22.8 %66.6 %
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

59.6 %– %9.4 %10.8 %20.2 %
※新株予約権による潜在株式(1,954.8千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
SMBC日興証券(主幹事)-%-株
UBS証券-%-株
SBI証券-%-株
合計100%-株

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

10%
個人-本
抽選–本
裁量–本
45%
個人-本
抽選–本
裁量–本
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日9月28日(月)
抽選申込期間10月15日(木)~10月21日(水)
当選発表日10月22日(木)
購入申込期間10月23日(金)~10月28日(水)
上場日10月30日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
1041051061071081091010
1011101210131014101510161017
1018101910201021102210231024
1025102610271028102910301031
111112113114115116117

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 不動産開発事業に特段の新規性はなく、注目度は低いです。ここ数年は、都市部を中心とした再開発需要や実需に基づくレジデンス開発用地需要、地方都市でのホテル開発用地需要を追い風に、積極的に物件の取得及び販売を進め、売上・利益ともに急拡大しています。ただ、市場で進行する金利上昇が、不動産取得・開発コストや購入者の資金調達環境に影響する可能性があります。

▌需給・価格評価

 IPOとしては大型案件で、株主にはVCが複数入っており、想定価格も高く、需給が緩くなりやすいため、初値上昇はさほど期待できません。来期(27.9)の利益予想に基づくPERは14.7倍と業種平均13.7倍(不動産・グロース)とほぼ同水準です。また、値がさ株となるため、上場後の値動きが大きくなりやすく、株式売買のタイミングには注意が必要です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。

期待度評価点
 6.0 /15点
※★4以上 積極参加 ★2~3 参加 ★1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は不動産業(全市場)における成長率の中央値。 ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は不動産業(全市場)におけるROEの中央値。 PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は不動産業(グロース)の単純PER(26.4末時点)。 PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は不動産業(グロース)の単純PBR(26.4末時点)。
156.2 億円24.6 %10.6 %105.5 倍4.4 倍
不動産業7.8 %10.8 %13.7 倍2.2 倍
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
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初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格4,030円から+270円(+6.7%)高い4,300円と予想します。なお、AI予測値は4,690円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
4,300円(9/30予想)
(+270円 / +6.7%)
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。4,030円
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(9/30計算)

AI予測4,690円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+6.7 %+16.4 %+54.1 %+15.4 %
(想定価格比)(想定価格比)不動産中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では19年12月に上場したSREホールディングス(2980)の初値騰落率は-6.6%でした。

 今回のIPOと同じ不動産業関連に分類されるIPOは2007年以降78件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は73.1%、初値騰落率の平均は+54.1%(中央値+27.0%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2017年以降173件で、勝率は54.9%、初値騰落率の平均は+15.4%(中央値+1.8%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額 億成長率 %ROE %
SREホールディングス-6.6%153.49.9%7.1%
カチタス+1.5%377.657.2%30.7%
ファーストブラザーズ+2.5%71.6225.2%20.3%

▌不動産業のIPO実績
(不動産の販売・仲介・賃貸管理事業など)

不動産勝率平均騰落率
78 件
(2007年以降)
73.1 %
(57件 / 78件)
+54.1 %
(Me:+27.0 %)

(2026/9/30 現在)

不動産業の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
623A ベルテックス2026/9/18+10.4 %
5537 AlbaLink2025/12/15+42.3 %
391A 山忠2025/7/29±0.0 %
276A ククレブ2024/11/28+31.6 %
146A コロンビアW2024/3/27+13.5 %

不動産のIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
173 件
(2017年以降)
54.9 %
(95件 / 173件)
+15.4 %
(Me:+1.8 %)

(2026/9/30 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
619A オリバー2026/9/16+1.6 %
618A KOMPEITO2026/9/11-7.5 %
593A ティアフォー2026/7/22-7.0 %
603A アイ・グリッド2026/7/29+23.8 %
581A GO2026/6/16+21.3 %

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)















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