テクセンドフォトマスク(429A)のIPO情報と初値予想【仮条件決定】
- 2025/10/1
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テクセンドフォトマスク(429A)の東証プライムへの新規上場が承認されました。ここでは、テクセンドフォトマスクのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『フォトマスクの製造・販売』となっています。
会社名 | テクセンドフォトマスク(429A) |
---|---|
所在地 | 東京都港区東新橋一丁目5番2号 |
設立日 | 2021年12月13日 |
従業員数 | 1,899人 |
業種 | その他製品 |
【企業サイト】
https://www.photomask.com/

沿革

代表取締役社長執行役員 CEO 二ノ宮 照雄
2024年11月1日をもって、私たちは「㈱トッパンフォトマスク」から「テクセンドフォトマスク㈱」へと社名を変更いたしました。120年以上の歴史を持つTOPPANグループの一員として、これからも半導体産業の発展と成長に貢献してまいります。
財務データ
2025年3月期の事業売上は1,180億円で、構成比は地域別に、日本6.9%、中国29.2%、台湾16%、米国17.3%、その他30.6%、となっています。
前期(25.3)は台湾・米国・欧州等のフォトマスク需要が盛り上がりを見せるなど堅調に推移した一方で、海外現地法人の繰延税金資産取り崩しに伴う多額の税金が発生し、前期比で売上は10%増、最終は99億円で着地しました。
今期(26.3)はフォトマスク市場の回復・成長基調が継続する一方で、中国で当局の支援を受けた現地フォトマスクサプライヤーとの価格競争が激化し、収益率の悪化を見込んでおり、売上は6%増、最終は189億円を見込んでいます。1株利益は197.65円、配当は54.39円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | -/- | -/- | 2023/3 | 2024/3 | 2025/3 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | – | – | 1,008 | 1,071 | 1,180 |
経常益 | – | – | 294 | 229 | 308 |
最終益 | – | – | 222 | 161 | 99 |
純資産 | – | – | 1,106 | 1,377 | 1,164 |
総資産 | – | – | 1,580 | 1,899 | 1,678 |
▌地域別の売上内訳(2025.3)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場しているその他製品111社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が23.9%など、かなり高い数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、自己資本比率が69.2%となっており、平均的な状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 1,678 億円 | 売上高 1,180 億円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値はその他製品(111社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は97,416千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)50.1%、関係会社47.5%、その他1.7%、経営陣0.7%となっています。
VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
TOPPANホールディングス㈱ | 47.46% | 180日 |
Iceインテグラル2LPS | 21.01% | 180日 |
Infinity Gamma Ice L.P. | 8.50% | 180日 |
Initiative Delta Ice L.P. | 7.36% | 180日 |
Insight Beta Ice L.P. | 6.68% | 180日 |
Innovation Alpha Ice L.P. | 5.65% | 180日 |
Iceインテグラル1LPS | 0.92% | 180日 |
二ノ宮 照雄(社長) | 0.15% | 180日 |
Michael G. Hadsell | 0.09% | 180日 |
糸雅 誠一 | 0.05% | 180日 |
上記以外 | 2.13% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 97,416千株(2025年9月22日現在)
0.7 % | 47.5 % | 1.7 % | 50.1 % |
639 千株 | 46,237.9 千株 | 1,699.5 千株 | 48,839.8 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は17.7%と低く、売出される株式は、主にベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。
上場する株式の時価総額は2,869.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の37.9%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は1,317億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 7,000,000 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 7,000,000 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 38,552,600 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 32,611,000 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 5,941,600 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 45,552,600 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
2,869.5 億円 | 202.3 億円 | 39.9 % | 17.7 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
0.6 % | 44.3 % | 1.6 % | 15.5 % | 37.9 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券(主幹事) | -% | -株 |
野村證券 | -% | -株 |
三菱UFJMS証券 | -% | -株 |
MSMUFG証券 | -% | -株 |
BofA証券 | -% | -株 |
みずほ証券 | -% | -株 |
大和証券 | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
マネックス証券 | -% | -株 |
松井証券 | -% | -株 |
岡三証券 | -% | -株 |
岩井コスモ証券 | -% | -株 |
合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
auカブコム証券 | 三菱 | -株 |
CONNECT | 大和 | -株 |
岡三オンライン | 岡三 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
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抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 9月22日(月) |
---|---|
抽選申込期間 | 9月30日(火)~10月6日(月) |
当選発表日 | 10月8日(水) |
購入申込期間 | 10月9日(木)~10月14日(火) |
上場日 | 10月16日(木) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
921 | 922 | 923 | 924 | 925 | 926 | 927 |
928 | 929 | 930 | 101 | 102 | 103 | 104 |
105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 1010 | 1011 |
1012 | 1013 | 1014 | 1015 | 1016 | 1017 | 1018 |
1019 | 1020 | 1021 | 1022 | 1023 | 1024 | 1025 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
フォトマスクの製造・販売に特段の新規性はなく、注目度は低いです。半導体関連事業は景気に左右されやすく、特に売上シェアの高い中国の先行きが不透明なのがやや気掛かりです。ただ、売上は緩やかに回復傾向にあり、利益も安定的に確保していることから、事業の安定度は高いといえます。
▌需給・価格評価
IPOとしては超大型案件で、株主にはVCが複数入っており、ロックアップは厳しめに入っているものの、募集株数は多く、価格水準も高いことから、需給は緩くなりやすいです。今期利益予想によるPERは14.6倍と業種平均17.5倍(その他製品・プライム)と比較してやや割安で、配当利回りは1.9%となっています。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。
期待度 | 評価点 |
---|---|
6.0 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はその他製品(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はその他製品(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段はその他製品(プライム)の単純PER(25.8末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はその他製品(プライム)の単純PBR(25.8末時点)。 |
---|---|---|---|---|
1,317 億円 | 10.2 % | 8.5 % | 28.8 倍 | 2.1 倍 |
その他製品 | 4.3 % | 6.0 % | 17.5 倍 | 1.4 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格2,890円から+110円(+3.8%)高い3,000円と予想します。なお、AI予測値は3,105円となっており、これと同程度の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 3,000円(9/23予想) (+110円 / +3.8%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 2,890円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | 2,900円 ~ 3,000円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | 未発表 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (– / –) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では23年9月に上場したジェイ・イー・ティ(6228)の初値騰落率は-4.5%でした。
今回のIPOと同じ製造・機械関連関連に分類されるIPOは2007年以降109件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は63.3%、初値騰落率の平均は+33.5%(中央値+7.7%)となっています。
また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降163件で、勝率は53.4%、初値騰落率の平均は+15.2%(中央値+1.5%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
ジェイ・イー・ティ | -4.5% | 74.5 | 21.0% | 14.4% |
オプトラン | +66.8% | 120.9 | -2.5% | 13.8% |
▌製造・機械関連のIPO実績
(機械、電気機器、その他製品など)
製造・機械 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/9/23 現在)
製造・機械関連の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
402A アクセルスペース | 2025/8/13 | +100.3 % |
368A 北里コーポ | 2025/6/25 | +49.3 % |
7790 バルコス | 2025/2/3 | +0.1 % |
285A キオクシアHD | 2024/12/18 | -1.0 % |
278A テラドローン | 2024/11/29 | -8.0 % |
製造・機械のIPO騰落率分布
▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)
中大型以上 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/9/23 現在)
中大型以上の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
402A アクセルスペース | 2025/8/13 | +100.3 % |
368A 北里コーポ | 2025/6/25 | +49.3 % |
367A プリモGHD | 2025/6/24 | -6.4 % |
350A デジタルグリッド | 2025/4/22 | +17.5 % |
339A プログレス | 2025/3/28 | +1.5 % |
中大型以上のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)